震災日記（0328-0411）

　３月２８日（月）
　スーパーで買い物をしました。大地震後、初めてのスーパーです。
　すでに営業を再開していたということは知っていたし、行列もそれほどではないという話は聞いていたのだけど、やっぱり、怖かったのですね。なかなか行くことができませんでした。でも、いつまでもそんなことを言っていられませんからね。 　これは、開店の１０分くらい前かな。ご覧の程度の行列です。くわしいことは覚えてないけど、何時間も待たされるなどということはありませんでした。商品も、たしかに少なかったですけど、それなりのものがありました。

　それと、水が出たのはこの日じゃなかったのかな。水道が出るようになった日、この日あたりだったろうと思うのです。でも、そういう写真がないんですよね。
　覚えているんですよ。徒歩で帰宅する途中、近所の人の立ち話が聞こえてきて、まあ、通りすがりに聞いた立ち話ですから確かなことはわからないんですけど、水が出るようになったんじゃないかなと思えたりして、とにかく家に帰って確かめてみようと思ったりして、蛇口をひねってみたら、出たんですね。
　ツイッターで、「出た、出た、出た」みたいなことを書いたら、あちこちから「おめ」「おめ」「おめ」みたいなレスが返ってきて、なんか、ものすごくいい感じでした。
　でも、写真はありません。蛇口から水が出てくるところの写真とか、撮っていてもよさそうなものなんですけどね。
　

　３月２９日（火）
　ほうれんそうです。スーパーで買ってきたのを、炒めて、食べました。もう、めちゃくちゃにほうれんそうが食べたかったのですよ。
　この数日前、茨城県産のほうれんそうから放射性物質が検出され、出荷が停止されました。それはしかたのないことなわけだけど、この前日かな。関西で、四国産のほうれんそうが山積みになって売れ残っているというニュースを聞いたのですよ。なんか、もう、腹立たしいというか、悔しいというか、やるせないというか、とんでもない気分だったわけです。めちゃくちゃにほうれんそうが食べたかったわけです。

　３月３０日（水）
　徒歩通勤をしていると、いろんなものを発見します。このゴルフバッグも謎でしたね。まだまだ使えそうだし、捨てたようには思えないのです。まあ、数日後にはなくなっていました。

　３月３１日（木）
　弁当です。ほかほか弁当です。これは、もう、涙が出ました。こんなごちそうをいただくのは、大地震後、初めてということになります。
　近所の飲食店が再開しているという話を聞いたので、同僚の車で行ってみたのですよ。でも、毎日営業しているということではなかったみたいで、その店に行くことはできなかったのだけど、でも、その近くの弁当屋さんがやっていたんですよ。「何ができますか？」と聞いたら、「全部できますよ」とのことだったので、一番高いやつをお願いしました。

　４月１日（金）
　この日も、同僚の車に乗せてもらって外食をしました。焼き肉定食です。前日は弁当だったから、大地震後、初めての外食ということになりますね。
　ほとんど待たずに入店することができたし、メニューも通常通りでした。なんか、信じられないような気がしました。

　４月２日（土）
　この日は、自宅で、うーめんです。白石市の特産の麺類なのだけど、油をつかってないので、長期保存が可能です。震災食として常備できないかなと思ったりして、研究を始めたという感じですね。

　４月３日（日）
　この日も、うーめん。
　おいしいし、長期保存がきくし、備蓄食料としてスグレモノだと思うのだけど、茹でた水を捨てねばならないのがもったいないと思いました。
　茹でた水を捨てずに、そのまま味付けだけをして食べてみたりもしたのだけど、これは、おすすめできません。

　４月４日（月）
　徒歩通勤の帰り道ですね。

　４月５日（火）
　外食、半田屋さんです。中盛りを頼んだんじゃなかったかな。
　この頃になると、かなりの飲食店が再開していましたね。車さえあれば、そういうところで食事をすることができます。
　カエサルも車はあったし、ガソリンも半分以上は残っていたのだけど、乗らないことにしていたのです。でも、他の人の車に便乗させてもらえたりすると、このような豪勢な食事をいただくことができます。

　４月６日（水）
　この日、ガスが来るはずでした。開栓時に立ち会わねばならないので、早退して、帰宅したのだけど、タッチの差でしたね。
　写真から読み取れるでしょうか。ガス屋さんが来てくださったのは１５時２１分なのですよ。カエサルが帰宅して、この写真を撮ったのが１５時３５分。走って帰ってくれば間に合いましたね。
　さっそくガス局に連絡しようとしたのだけど、これがつながりません。何度かけても話し中で、２時間くらいはかけ続けたでしょうかね。ようやくつながって、８日に来てもらうことになったのだけど、相手の方の声があまりにも疲れているんですね。かける方もたいへんだけど、受ける方はもっともっとたいへんですからね。カエサルがもうちょっと早く帰ってきていれば、余計な手間をかけずにすんだわけですよね。申し訳ないなと思いました。

　４月７日（木）
　職場に放射線量測定器があるはずだと思って、聞いてみたらあるということなので、担当者から借りてきました。
　この後、日本中で放射線の測定が行われるようになるんだけど、カエサル、ちょっと先駆者でしたね。
　放射線は目に見えないし、いろんな数値を並べられてもピンとこないんだけど、こうして実際に測定してみると、ちょっとだけ感じられるようになったような気がしますね。

　この日の夜、とんでもない余震がやってきました。

　４月８日（金）
　昨日の大余震による職場の惨状です。
　ここ、３．１１のときに酷い状況になったわけですけど、何とか片付けたわけです。それが、また、ですからね。本当にガックリときました。また片付けようなどという気力など起きません。
　倒れている本棚ですけど、もともとは、壁に固定してあったんですね。よく見ると、金具のついているのがわかると思います。でも、３．１１のときにはずれちゃったんですね。３．１１のときは、金具がはずれただけで本棚は倒れなかったわけですけど、４．０７では倒れちゃったということになります。
　こういうことが、あちこちで起こりました。３．１１のときには倒れなかったものが４．０７で倒れ、３．１１で崩れなかったものが４．０７で崩れました。
　気持ちもそうかな。３．１１のときには「よし、がんばるか」なんて思ったんですけど、このときは、そういう気持ちが湧きませんでした。その状態がいまだに続いているという感じがしないでもありません。

　このシリーズ、１日分を１枚の写真で・・・という方針でやっているのだけど、この日だけ、もう１枚。
　この日、ガスが開栓されるはずだったわけですよ。４．０７の影響で延期ということがあるかもしれないなどと思っていたのだけど、来てくださいました。ありがとうございました。
　風呂に入りましたよ。風呂に。１ヶ月ぶりですね。天国です。

　４月９日（土）
　電気が来て、水道が来て、ガスが来て、この「震災生活センター」も御役御免ということになるのだけど、でも、習慣になっちゃっていますからね。しばらくは、こっちも使っていました。

　４月１０日（日）
　散歩に行きました。いつのまにか、春ですね。あちこちで野の花が顔を出していました。
　ご近所では、新築工事が始まっていました。しかも、５軒くらい一斉にです。

　４月１１日（月）
　大地震から１ヶ月。カエサルは「震災記念日」として、電気・水道・ガスのない生活をしてみることにしました。
　１１日の朝、出勤するときに、電気・水道・ガスなどを止め、帰宅後は電気・ガス・水道のない夜をすごし、出勤し、翌１２日に帰宅したときに電気・水道・ガスを復活させるという計画です。
　そんなことをして何になるのかと言うと、たぶん、何もなりません。
　ただ、やってみたかったのですよ。

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