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今回は、2011年3月13日の仙台。東日本大震災3日目です。この日あたりから「震災生活」が始まったという気がしています。それまでは「生活」どころの話ではなかったと言っていいと思います。
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電気も水道もガスもない中での生活を始めるわけで、家の中で一番日当たりのよいところに「震災生活センター」を開設することにしました。
カセット式のコンロは、職場から借りて来たものです。ポリタンクはカエサルが持っていたものですけど、水は職場からもらってきました。
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これらは、ストックしていたというわけではありません。買ってきたものをどこかに置いたのだけど、どこに置いたかを忘れていたようなものがあちこちにあったということになります。助かりました。自分のズボラな性格に感謝したいと思いました。
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左下にある青いのは、ヘッドランプです。頭につけるタイプの懐中電灯ですけど、これは役に立ちました。たとえば、トイレに行くとき、片手に懐中電灯を持って、片手で用を足すというのはたいへんです。11日と12日の夜は、そういうことをしていました。
こういうもの、震災になった後は絶対に買えないと言ってよいと思います。防災用品として買っておいてもいいし、片手で用を足す練習をしておいてもいいと思います。カエサルとしては、どちらかと言うと、後者をオススメします。
防災用品をいくら揃えても、震災時に、それまでと同じような生活を送ることはできません。少しでも快適な生活を送ろうとするより、不快な生活に耐えようとする覚悟のようなものが必要なんだと思うのです。
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街灯もなければ、家々から漏れてくる灯りもありません。夜っていうのは、本当に暗いんですね。生まれて初めての経験でした。星空が綺麗でした。でも、星明かりではメモは読めません。そんなことになるとは思っていなかったので、懐中電灯を持っていかなかったし、いつもならポケットに入っているライターもありませんでした。順番を待っている方はまだまだいるし、電話をかけるのはあきらめて帰ろうかとも思いました。
そこに、カエサルの前の前あたりにいた方だったと思うのですが、懐中電灯を持って戻って来てくれて、カエサルのメモを照らしてくれました。並んでいる間にちょっとした会話はしたと思いますが、見ず知らずの方です。その方も、明るいうちから列に並んでいて、電話ボックスに入ったときには暗くなっていて苦労されたのだと思います。自宅が近かったのだと思いますが、その後に並んでいたカエサルたちのために懐中電灯を持って戻って来てくれたのですね。
震災中は、信じられないようなことばかりが起こります。
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写真は、さきほど紹介したヘッドランプを使って撮影しました。
この日の時点でカエサルは、津波のことや原発のことも知っていました。自宅で生活することができるというだけでシアワセなことだと思っていました。不謹慎な言い方になるかもしれませんが、アウトドアみたいな生活を楽しむ気分さえありました。電気・水道・ガスがいつごろ復旧するのか、商店や飲食店の営業がいつごろ再開するのか、まったくわからなかったわけですけど、どちらかと言うと、楽観的な気分でいたような気がします。それがよかったという気もしています。
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