フルートを演奏している人でもなければ、こんな角度で見る機会はあまり無いと思います。
フルートを縦から見たところです。
この丸いものはヘッドスクリューといいます。スクリューという名前のとおり、真ん中にねじがついていて、空洞、座金とコルクそして、反射板に繋がっています。
この空洞とコルクと反射板の端からトーンホール、吹き込み口まで17mmの距離はベームが発見したもので、オクターブを正しい幅で演奏出来る距離だそうです。これがずれてしまうと、音程が取れません。
コルクは湿度で伸び縮みするので、反射板をねじで固定して動かないようになっていますが、うっかりねじが回っていたり、振動でずれている時もあるので、時々、掃除棒(クリーニングロッド)を後ろ向きに突っ込んで、トーンホールの真ん中に掃除棒の線が来ているか見てみましょう。
こちらは、アルトフルートのヘッドスクリュー。
それから、反射板は、音を響かせる大切な部品ですが、音色のためにここだけを交換する人もいます。
形も平らなものの他にドーム型などもあります。
10円玉ほどの薄い金属の材質を変えるだけで音色が変わると、銀、金、プラチナなどもあるし、象牙やクリスタルを挟んでみたり、いろいろなものが販売されています。お値段も5万くらいから、40万もするものなど、いろいろです。
私は交換したことはないですが、プラス40万でプラチナをつけたら音が変わると言われるとついフラフラと買ってしまいそうになります。でも、どれほどの効果かは、まだ試してみたことはないのでわかりません。
弘法は筆を選ばず。
ニースで、ギオー先生が、真鍮のフルートを金のフルートと遜色なく演奏された時に、このことわざが頭をよぎり、「なるほど」と思いました。
しかし、弘法にはなかなかなれない私は、これがあれば、もっとうまくなれるかと果てしない欲望に心が揺れるのでした。