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このサボテンは、肉芽をポキッと折って植えると、どんどん増えます。母がこれを初めて植えたのは、40年ほど前。寝屋川にいるときに始まり、松井山手の家でも増殖しています。
前にも書きましたが、これを見ると石の花があるとすれば、こんな感じじゃないかと思います。
バレエ音楽「石の花」は、1949年にプロコフィエフによって、作曲されました。
バジョーフ編纂のウラルの民話集「孔雀石の小箱」の中にある民話の一つが「石の花」です。
プロコフィエフは、これを病床で作曲し、1953年に亡くなってしまい、死後上演されました。
石細工職人ダニーラは、本物の花より美しい石の花を作り上げることが夢。
恋人カテリーナの前で、うまく作れないと自分の作った細工を全て壊してしまいます。
ある日鉱山の女王が呼ぶ声に誘われ、地下の王国に入ってしまいます。
そこで、石の花を作るように女王に命じられます。
カテリーナはダニーラを取り戻すために、地下の王国にたどり着き、女王と対決します。
カテリーナとダニーラの強い愛に打たれた女王は、二人を解放します。
プロコフィエフは、「美」とは、何か?ということをこの物語を借りて提示しているように思えます。細工の「美」を求めるあまり、人の世界を逸脱していく男。それを現実の世界にある「美」、生命の持つ「美」に引き戻す女性。
完璧な演奏、完璧な音楽を求めるあまり、命と離れていくことがあります。
自然の音や、人の声、生活の営み。音楽はそんなものからできています。
そのことを忘れて音楽だけ存在する。というのはありえないことだと思います。
プロコフィエフは女性の姿を借りて、そのことを表現しているように思えます。
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