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日本共産党 群馬・太田市議 水野正己のブログ
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第3次総合計画 基本構想に反対討論

2024年12月14日 | 市議会・市政ニュース

 12月議会では、第3次太田市総合計画・基本構想が私以外の賛成で可決されました。

 私が行った反対討論の概要は次の通りです。

 本案は、2025年度から2032年度までの8年間の第3次総合計画の基本構想、つまりまちづくりのビジョンを示した指針です。
 総合計画の策定に先立ち抽出された課題では、進行する少子高齢化への対応として、高齢者医療・健康づくり、主産・子育て支援がより一層重要とされ、市民や事業者と一体となったまちづくりを推進していく必要があるとしています。

 さらに、生活環境が整備された利便性の高いまち、災害に強いまちが求められるとし、公共施設やインフラの老朽化への対応が急務としています。

 産業と雇用では、若者や女性の働く場を確保し、定住に寄与する安定した雇用の創出、再生可能エネルギーの普及や資源ごみリサイクルなど、環境に配慮したまちづくりデジタル技術の活用などに取り組んでいく必要があるともしています。

ローリングによるムダなハコモノ
将来の財政負担増・市民負担増に


 こうした課題に取り組むためには、第2次総合計画をどう具体的に検証したのかが問われます。その点で指摘したいのは実施計画のローリングという問題です。

 この間、第1次総合計画でも第2次総合計画でも、実施計画の期間中に実施計画にない事業が追加、つまりローリングが行われてきました。

 例えば、子ども医療費の無料化拡大や学校給食の完全無料化など子育て支援、給付型奨学金などの追加は私も求めてきたもので、必用な追加と言えます。しかし高齢者や障がい者、今市内で頑張っている全ての業者を対象とした支援は、十分とは言えないままです。

 そして実施計画の期間中に追加されたハード事業は、将来まで含めた財政負担・市民負担増につながるものあります。

 例えば、完成から3年も建たずに経営破綻して2.1億円で購入した大雄建設の物産館、当初計画がとん挫したものもある再開発ビル補助、31億円以上をかけて建設中の新田の西複合施設、いまだに駐車場の利用でサンダーズの試合観戦客が優先とされ、運動公園の他の利用者から最近も苦情が寄せられた84.5億円のサンダーズ体育館、オープンハウスアリーナおおたなどが象徴的です。

 こうしたローリングによる追加事業によって、本来なら推進しなければならない、高齢者や障がい者、今市内で頑張っている全ての業者を対象とした支援、側溝の整備・浚渫も含めた排水整備、調整池の浚渫、荒れた道路の整備が遅れていることは否めません。

 ローリングはいっさい禁じ手という硬直的な考えは持っていませんが、ローリングの際はその段階での計画の進捗も踏まえた優先順位をつけることが必要なのは言うまでもありません。ローリングによる大型公共事業、ハコモノは厳に慎むべきですが、先日の議案質疑でも、その点が担保される答弁はなかったことを指摘しないわけにいきません。

職員 男女の間接差別

 そして総合計画の担い手となる職員の処遇の問題でも、処遇改善と増員、非正規職員の処遇改善・正規雇用化が求められます。
 女性職員の処遇でも、勤続年数との関係からも管理職のイスが限られているとは言え、女性管理職、とりわけ課長補佐以上の女性職員が少なく、課長以上となると女性職員はさらに少ない現状です。在職20~30年以上の女性職員は、係長代理が最も多いことは、先日の議案質疑に対する答弁でも否定されませんでした。

 そして女性課長を20%以上にするという目標に15人が不足している問題については、その15人の昇任のための人数合わせの任用はしないという答弁でした。このままでは、太田市における男女の処遇・賃金格差の是正が図られないまま、いわゆる間接差別をこのまま続けることになってしまうことを指摘しないわけにいきません

残業時間の短縮・有給休暇の完全取得
職員増員・非正規職員の処遇改善


 教育現場も含めた、残業時間の短縮や有給休暇の完全取得に向けた取り組みでも、そのために求められる職員の増員や処遇改善、非正規職員の処遇改善や正規雇用化でも、基本構想では具体的に示されていません。

医療・介護・福祉
制度は残っても暮らしはもたない

 さらに医療や介護では、この間の負担増の解消・負担軽減が切実に求められていながら、基本構想では、そのための手だては示されないままです。議案質疑でも、持続可能な制度に向けて実施すべき施策を着実に行っていくという答弁でした。これでは、制度を残すためには、さらなる負担増も行うと言わんばかりで、市民の求めに答えるものとは言えないことを指摘するものです。

 高齢者支援でも、物価高とその物価高のもとで実質削減となっている年金生活に置かれる高齢者の暮らしを支える手だては基本構想から見えてきません。

 障がい者の重度化・高齢化、親亡き後を見据えて、緊急対応をつくらない体制を整備してきたとはされますが、親亡き後の障がい者の暮らしを支える施設整備の計画は、具体的には示されていません。

道路・側溝・排水・災害対策

 道路や側溝・排水整備でも、この間、補正対応も含めて予算を増額してはいるものの、その整備が道路の荒れや側溝の堆積・排水不良の加速に追いつかない現状を抜本的に解消する計画は示されないままです。求められる排水改良・集中豪雨時の災害対策でも整備の遅れが否めないままであることを指摘せざるを得ません。

疑念が生れる市街化編入

 あわせて、特定業者との関係に疑念が生れるような市街化編入が続いている現状が今後も解消されない懸念が残ることも指摘しないわけにいきません。

公共交通 網形成計画を生かせず

 公共交通でも、この間、一定の前進はあるものの、今後の計画を考えれば、福祉制度でもある交通弱者の足の確保が図られる計画は示されないままで、2018年度に改訂版が策定された公共交通網形成計画が生かされていないことを指摘するものです。

スポーツ振興
サンダーズアリーナやスポーツ学校は充実したが

 スポーツ振興では、プロバスケットボールの群馬クレインサンダーズのためとしか言えないオープンハウスアリーナおおたが出来上がり、マルシェなどで一定の経済効果が生れているようには見えますが、スポーツ学校によるスポーツ振興は進んでいても、それら以外のクラブチームなどへの支援との格差が拡大している傾向にあることは指摘しないわけにいきません。

芸術学校
大人の三団体を切り離し
子ども・保護者・講師の意向の尊重は

 芸術振興でも、芸術学校では、この間、大人の3つの付属団体が自立という名目で切り離されており、基本構想にある「年齢を問わず誰もが学び続けることができる環境づくり」との矛盾を指摘するものです。さらに今後の芸術学校では、子ども中心とされながら、その子どもの付属団体の事業展開でも、子どもや保護者、講師陣の意向の尊重という観点が損なわれているのではないかということを指摘するものです。

物価高・大軍拡・大増税から暮らしを守れるか

 総合計画は今後のまちづくりのグランドデザインであり、基本構想はそのあるべき姿を実現するための指針ですが、拍車がかかる一方の物価高、自公政権による大軍拡・大増税から市民の暮らしを守る指針とは言えないことを指摘して反対討論を終わります。



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