先日、先生が五事式の茶事を催して下さった。
五事式とは、七事式(花月・且座・廻り炭・廻り花・茶カブキ・一二三・員茶)の中から5つを組み合わせて行うもの。
五事式茶事は、通常は廻り炭→廻り花→且座→花月→一二三の順に行われます。裏千家の場合は且座の代わりに仙遊之式(裏千家特有)で行われることがあります。今回は、この裏千家形式にて執り行われました。廻り炭→廻り花→仙遊→花月→一二三。
七事式や裏千家特有の式のそれぞれの詳細はおいおい、今日は茶事の流れとポイントだけご紹介します。
茶事には色々な種類があります。以前のその種類とベーシックな流れをご説明していますのでご参照下さい。
茶事とは http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/dd89ddde25e296ed7abe0b4ce0d59a6e
茶事の流れ http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/08741c3fed238c339c3f2bc93588086a
さて、今回の五事式茶事の順番を簡単に追っていきます。
①まず、客は待合でお汲み出しを頂きます。今回は桜茶。春を感じました。
②順次、蹲で手口を清め、初入り。床の間と釜を拝見します。釜は透木釜。
③廻り炭。まず、亭主が全ての準備をし、正客から順に、前の人が入れた炭を順番通りにあげ、自分の入れたいように炭をついでいく、というのを繰り返していきます。炭は多くても5回でつぎ終わるようにし、どの客も他の客と同じにならないようにつぎます。
④廻り炭が終わったら、懐石。今回は盃とお弁当で簡単に済ませました。
⑤食べ終わったら中立。
⑥銅鑼の音で、後入り。床の間、茶入と釜の様子を拝見します。棚の上右に濃茶入、左に薄茶入が飾られています。
⑦亭主が花台を準備し、正客から順次花をついでいきます。廻り炭と同様に、なるべく前の方の花と重ならないように生けていきます。
⑧次に、お香。亭主が正客の前に香盆を持ち出します。正客が香をつぎ、全員が香をききます。その後、次客が志野袋から香を取り出して次香をつぎ、全員がききます。正客と次客両方の香を合わせ乗せた香炉は棚に飾ります。
⑨次に濃茶。亭主が点て、全員で頂きます。この亭主の濃茶の点前とお味、後ほど一二三で客全員点数をつけることになるので、よく見ておかなくてはいけません。点前の順番が間違えていないかどうか、点前が美しいか、お茶の味がいいかどうか。
⑩濃茶が終わったところで、“お薄は花月で”。それとともに客は四畳半に詰めます。茶事なので、全員が薄茶を飲めるようにします。
⑪薄茶が終わると、亭主が正客の前に十種香札(点数をつける為の道具)を乗せたお盆を持ち出します。客はひとつずつそれを手元にとって回し、亭主の濃茶にふさわしい点数の札をとり、それを折据に入れていく。末客は全員が入れた点数の札を取り出して、お盆に並べていきます。
⑫亭主は点数を拝見して挨拶し、茶事はお開きとなります。順次、床の間拝見して退席。
五事式茶事は4月に行われることがほとんどです。その理由は、廻り炭は、主客が全員炭をついだりあげたりする為、五徳がない広々とした炉中で行う必要があるからです。そういう意味で透木釜を使う4月は最適といえます。
そしてベーシックな正午の茶事に比べ、所要時間も長くなります。今回は懐石を省略して、それでも4時間ほど。また七事式の中から5つも盛り込まれているので、主客共に修練を積んだ方でないと茶事がスムーズに進みません。
今回は身内だけでのお稽古茶事とはいえ、皆さんの日頃の修練の積み重ねで一座建立、すばらしいものとなりました。廻り炭では炭のつぎ方、筋半田に炭を置く場合の注意など、その場その場で先生や先輩方が教えて下さり、普段気づかないこと、本だけでは学べないことがたくさんあるのだと知りました。お道具類を準備し、一日指導しながら茶事を催して下さった先生に感謝の一日でした。
茶事に参加する機会はなかなか少ないとは思いますが、機会があれば積極的に伺って経験を積んだ方がよいと感じます。普段のお稽古は茶事の為の割稽古ですから。茶事に参加すると基本を踏まえつつ臨機応変に動けるかが大切なのだなぁと実感します。基本がまだまだの私は次に起こる事象を予知して準備したり動いたりできないので、先輩方の機転に助けられている感じです。そういう先輩方の姿を見るのがまた勉強になるんですね。同じレベルの方たちや普段ご一緒している方とのお稽古もいいですが、たまに違った曜日の方たちや上のお点前・経験をなさっている方とご一緒すると見えるものが異なります。
五事式とは、七事式(花月・且座・廻り炭・廻り花・茶カブキ・一二三・員茶)の中から5つを組み合わせて行うもの。
五事式茶事は、通常は廻り炭→廻り花→且座→花月→一二三の順に行われます。裏千家の場合は且座の代わりに仙遊之式(裏千家特有)で行われることがあります。今回は、この裏千家形式にて執り行われました。廻り炭→廻り花→仙遊→花月→一二三。
七事式や裏千家特有の式のそれぞれの詳細はおいおい、今日は茶事の流れとポイントだけご紹介します。
茶事には色々な種類があります。以前のその種類とベーシックな流れをご説明していますのでご参照下さい。
茶事とは http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/dd89ddde25e296ed7abe0b4ce0d59a6e
茶事の流れ http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/08741c3fed238c339c3f2bc93588086a
さて、今回の五事式茶事の順番を簡単に追っていきます。
①まず、客は待合でお汲み出しを頂きます。今回は桜茶。春を感じました。
②順次、蹲で手口を清め、初入り。床の間と釜を拝見します。釜は透木釜。
③廻り炭。まず、亭主が全ての準備をし、正客から順に、前の人が入れた炭を順番通りにあげ、自分の入れたいように炭をついでいく、というのを繰り返していきます。炭は多くても5回でつぎ終わるようにし、どの客も他の客と同じにならないようにつぎます。
④廻り炭が終わったら、懐石。今回は盃とお弁当で簡単に済ませました。
⑤食べ終わったら中立。
⑥銅鑼の音で、後入り。床の間、茶入と釜の様子を拝見します。棚の上右に濃茶入、左に薄茶入が飾られています。
⑦亭主が花台を準備し、正客から順次花をついでいきます。廻り炭と同様に、なるべく前の方の花と重ならないように生けていきます。
⑧次に、お香。亭主が正客の前に香盆を持ち出します。正客が香をつぎ、全員が香をききます。その後、次客が志野袋から香を取り出して次香をつぎ、全員がききます。正客と次客両方の香を合わせ乗せた香炉は棚に飾ります。
⑨次に濃茶。亭主が点て、全員で頂きます。この亭主の濃茶の点前とお味、後ほど一二三で客全員点数をつけることになるので、よく見ておかなくてはいけません。点前の順番が間違えていないかどうか、点前が美しいか、お茶の味がいいかどうか。
⑩濃茶が終わったところで、“お薄は花月で”。それとともに客は四畳半に詰めます。茶事なので、全員が薄茶を飲めるようにします。
⑪薄茶が終わると、亭主が正客の前に十種香札(点数をつける為の道具)を乗せたお盆を持ち出します。客はひとつずつそれを手元にとって回し、亭主の濃茶にふさわしい点数の札をとり、それを折据に入れていく。末客は全員が入れた点数の札を取り出して、お盆に並べていきます。
⑫亭主は点数を拝見して挨拶し、茶事はお開きとなります。順次、床の間拝見して退席。
五事式茶事は4月に行われることがほとんどです。その理由は、廻り炭は、主客が全員炭をついだりあげたりする為、五徳がない広々とした炉中で行う必要があるからです。そういう意味で透木釜を使う4月は最適といえます。
そしてベーシックな正午の茶事に比べ、所要時間も長くなります。今回は懐石を省略して、それでも4時間ほど。また七事式の中から5つも盛り込まれているので、主客共に修練を積んだ方でないと茶事がスムーズに進みません。
今回は身内だけでのお稽古茶事とはいえ、皆さんの日頃の修練の積み重ねで一座建立、すばらしいものとなりました。廻り炭では炭のつぎ方、筋半田に炭を置く場合の注意など、その場その場で先生や先輩方が教えて下さり、普段気づかないこと、本だけでは学べないことがたくさんあるのだと知りました。お道具類を準備し、一日指導しながら茶事を催して下さった先生に感謝の一日でした。
茶事に参加する機会はなかなか少ないとは思いますが、機会があれば積極的に伺って経験を積んだ方がよいと感じます。普段のお稽古は茶事の為の割稽古ですから。茶事に参加すると基本を踏まえつつ臨機応変に動けるかが大切なのだなぁと実感します。基本がまだまだの私は次に起こる事象を予知して準備したり動いたりできないので、先輩方の機転に助けられている感じです。そういう先輩方の姿を見るのがまた勉強になるんですね。同じレベルの方たちや普段ご一緒している方とのお稽古もいいですが、たまに違った曜日の方たちや上のお点前・経験をなさっている方とご一緒すると見えるものが異なります。
残火、前茶、独客それぞれ味わいがありそうですね。
前茶は初炭→濃茶→懐石→中立?→後炭→薄茶となるのですか?
独客はやってみたいなぁ。気のおけない友と二人のんびりと茶事なんてすごい素敵、贅沢な時間ですね。
それにしても、朝茶の前に泥棒だなんて、、、亭主もお客もショックですねぇ。
残火とは 亭主が侘人で改めて茶会もなりにくい人 に、おりよく茶会があったとき、その模様 なりとも見たいと望んで参会するものす。
独客とは 親しい客一人を招いて催す茶会です。
一客一亭とも言います。
これ以外にも追善、月見、雪見、花見、節分、節句など四季折々にちなんだ茶事もありますが基本は正午の茶事でしょうか。この頃前茶形式も多いようです。
ブログに書き込めたら最高なんだけど機会が少なくなってしまいました。昔友達を朝茶でお招きしてた夜中泥棒に入られパーになった笑い話のようなこともありました。
一生懸命お稽古なさっている様子が伺えますね!
私も且座と仙遊の差が今わからなくなっているところです。次回のお稽古で先生に伺ってみます。
思い起こしながら書いているので、何か間違えを発見したら教えて下さいね!
五事式茶事は実は2回目です。昨年も先生が催して下さったのですが、その際は見学に近い形での参加だったのであまり覚えておらず、今年はお客に入れたのでしっかりお勉強しました。
年に2~3回社中で茶事ができるなんて素敵ですね!私の先生は若い頃は本当に色々してくださったようなのですが、今は高齢でそうもいかないので、ひとつひとつを大事に参加しなくては、という感じです。
五事式茶事、いつか皆さんでできるといいですね。
本当に充実したお茶事でした。こうして書き出して見て細かい部分で疑問が生じてきたので次回先生に伺ってみるつもりです。
>表では、催す時季によって(口切、開炉、夜咄、大福、新春、暁、初風炉、朝茶、名残、)
>催す時刻による(正午、前茶、飯後、不時、)
>趣による(跡見、残火、独客、)等で茶事を行います
表はこうなっているんですね。前茶、残火、独客とは初めて聞きました。どんな感じなんでしょう???宜しければブログでもコメントでもいいので教えて下さい。
記録用に写真を撮らせて頂いたのでそれを見ながら当日を思い起こして書きました。
何となく光景が目に浮かぶとのこと、うれしいです。
本当に先生には感謝です。若い頃はもっと色々な茶事をなさっていたみたいで、先生との出会いが遅かったのが残念でなりません。
この茶事の為に五事式のお勉強をしてきた御蔭で当日はスムーズに進みました。でもまだ細かいところが。。。。
お茶事も色々ありますね。夜ばなしに参加なさったとは羨ましい。茶人なら、夜ばなしと暁の茶事には一度は参加したいというほどですから。私はいずれも未経験です。高台寺は茶事体験の企画をなさっているようですよね。
視覚障害者の方にお茶事にご招待頂いたのですか。楽しみですね。茶室は香やお茶の香り、湯や水の音など五感で楽しめるので、ぜひどんな様子だったか教えて下さい。
(いつも点前の順番のみのお稽古で、終わっているので。)
巧者のなかで、出来の悪い私は、むずかしい点前は流れを止めてしまうので、大変で勉強に必要性を強く感じます。
廻り炭のときには、長火箸を使うので、てんぷらで、練習しなくちゃ!と反省。
炉の中が深いので、コンクリブロックを入れてあり、初めてしたとき、埋め火を入れるため、大変でした。
半田も、炭をソート置かないと、コン! と割ってしまいそう。
湿し灰もたくさん必要ですよね。
且座と仙遊で、ややこしいし、 続き薄茶とも途中に似ているし、毎回混乱してしまいます。四畳半に入るときも、仙遊は菓子器ももってからで、タイミングがややこしいです。
点数つけられるのは、辛いし、 札を箱にもどすのがまごまごしてしまいます。
最後花月の扱いと同じで、お茶碗わる前に棗を拝見だすかどうか不確かなまま練習終えました。
tamago様のブログ 説明が丁寧で,わかりやすくて本当に感謝いたします。これからも楽しみにしておりますので、宜しくお願いいたします。
茶事は年に2~3回は社中でして頂きますが五事式までは・・・一度は経験してみたいです。
そのために月に1度は七事式のお稽古があり日々修練している(?)つもりなんですがね ♪
五事式のブログはわかりやすく、手順もまとめて書いて頂いてるのでまたまた保存版になりました。
いつもありがとうございます ♪
流れが目に見えるようです。すごく充実した時間をお過ごしになりましたね。
表では、催す時季によって(口切、開炉、夜咄、大福、新春、暁、初風炉、朝茶、名残、)
催す時刻による(正午、前茶、飯後、不時、)
趣による(跡見、残火、独客、)等で茶事を行います
ブログ拝見するのが楽しみです。有り難う!!
通常の茶事とは違って主客全員の修練の賜物、今まで
お稽古してきた事が反映されますね。
少し茶事から遠のいてるから行きたいなぁ~
私は、お茶事にはあまり参加したことがなくて、以前に高台寺の夜ばなしの茶事に参加したときも、最初は夜にお話をするお茶会かと思っていました・・・。夜ばなしの茶事というのは、ろうそくや行灯の明かりの中でするお茶事のことなのですね。
今度、視覚障害者の人たちがお茶事を開催されるとのことでお誘いをいただいています。どんなお茶事なのか一度参加してみようかと思っています。