茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

2つの花手水 古と現代の知恵 

2024-11-25 12:44:08 | 和菓子の銘

 また1週間が始まりましたね。

 先日の『茶遊庵』稽古で出した上生菓子の銘は
 花手水 はなちょうず
 手水鉢に花が浮かぶ姿の可愛らしいお菓子でした。

 

 先日訪れた鎌倉の一条恵観山荘も様々な花手水が見事でした。

入口で出迎えてくれたのは・・・

 

 

 同時期に異なる場所で同じ言葉に出会うと縁を感じます。

 

 花手水という言葉は普段あまり耳にしませんが、ご存知ですか?

 神社やお寺で参拝をするとき、
柄杓で水をすくって
身と心を清める場所を手水舎(ちょうずしゃ)といいます。

 そして、手水舎の手水鉢に花を浮かべたものが”花手水”と呼ばれています。

 コロナ禍になってからは感染拡大防止の観点からほとんどの神社仏閣では手水舎使用をやめました。
代わりに手水舎や手水鉢に花を飾るようになり、それを花手水と呼ぶようになったようです。
インスタ映えすると話題にもなっていました。

 コロナ禍の際、私も手を清めようとしたら、そこに花があり、
美しい花を見て心が休まり、よい気持ちでお参りができました。

 

 そもそもは、「花手水」という言葉は、
花や葉っぱについた朝露で手や身を清める行為のことを指していました。
古来、水が貴重だった頃は、自然から得た露で手も心も清めたのでしょう。

 

 茶席でも、茶室に入る前に蹲で手と口を清めます。
 思い出せば、先生のお宅に入る前や、茶事の際、
一旦心を鎮め、稽古や席に臨めた気がします。

 

 お菓子の花手水は今回初めて見ましたが、由来を知ると、
その後頂く一服はより一層味わい深くなりました。

 

 一条恵観山荘の色とりどりの花手水をご覧頂いて、
皆様にとっても素敵な一週間になりますように。

       


 皆様はどの花手水がお好き?


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