そうだ 京都、行こう は
JR東海のコピーでしたっけ。
関西にいるとほとんど目にしないのだけど
記憶に残る名コピーだと思います。
私の場合、
そうだ 京都、行かねば!
梅雨といいながら降るときは激しく、
傘など役に立たない今日この頃、
昨日は雨が上がったのを見計らって
京都まで行って来ました
思い立てば1時間で行けるのに…
と、思いつつ腰が上がらないのは
年のせいとは思いたくない!
仕事のストレスが半端じゃないので
気晴らしは何度でもしたい!
ということで、
京都文化博物館で開催されてる
特別展【イングリッシュ・ガーデン
英国に集う花々】と
企画展【江戸の植物画】を
見学してきました。
26日までなのでギリギリのタイミング
きっかけはこの記事
気になる記事は
切り取らずに写真でスマホに保存
最近編み出した技
曲がっていても気にしな~い
イギリスのキュー王立植物園が
所蔵する植物画が見られるとあっては
行きたくてウズウズ
本家のイギリスのキューガーデンには
キュー王立植物園=キューガーデン
行ったことがないのだけど
その昔、サンフランシスコを旅行中に
『ここの温室はイギリスのキューガーデンの
温室を真似したものです』と
ゴールデンゲートブリッジ近くの公園を
通過するときにガイドさんが指差して以来
気になるスポットでありました。
あの頃はスマホはおろか
ネットで検索という技もなかった
もっとわかりやすいものでいうと
TDLのレストラン、クリスタルパレスが
同じ形ですね、たぶん
阪急烏丸で降りると
改札の前は大丸京都店。
大丸の中の階段を上がって…
うむ、こっちで合ってるね
ヴォーリズさん、設計だったのね
5分強テクテク歩いて着きました
京都文化博物館は
旧日本銀行京都支店を利用した建物で
博物館部分は裏に建っていて
今どきのきれいな建築です
旧日本銀行部分は別館となっていて
コンサートなど催しの時に
講堂のように使用しているみたいです。
1階部分は見学できます
今回の展示で真っ先に覚えたのは
キューの綴りはKEWだということ。
頭文字はQだと、なんとなく
思い込んでいましたよ。
薬学部でも薬用植物つながりで
植物学の歴史とか分類とか概略は
さらっと習ったように思うのだけど
やっぱり分類学の父リンネと
植物学の父牧野富太郎ぐらいが
記憶に残っている程度で
あとは伝説の神農さんぐらい?
江戸時代辺りに入ってきた
本草綱目が本格的な図鑑と習ったような。
で、今回の展示のメインとなる
キューガーデンは
イギリスがあちらこちらと船で
貿易に乗り出した時代、
賛否はあるでしょうが
王室に献上された(?)珍しい植物を
植物を保管したり栽培したりする施設から
発展したようで…
産業革命のおかげで
大きな温室のような構造物を
建てる技術を確立したり
熱帯地方の植物を
温室にて栽培するという技術を
編み出したり…
当時の技術の粋を集めた
自慢の施設という位置づけだったのでしょう。
そんなことがはっきりと理解できました。
ある意味、産業革命で
景気がよかった時代、
キューガーデンで発行されていた
植物画の冊子が
植物画の発展に寄与し、
産業革命以来、
大量生産で味気ないものになっていた
無機質なデザインに植物を取り入れた
ウィリアム・モリスたちの作品の展示や
いわゆるイングリッシュ・ガーデンの
これも無機質なものを
植物で覆い隠す発想?
映像を映し出していたり…
退屈しない展示になっていました。
ちなみに私が見た限りでは
そこそこ見学者がいた中、
男性はたった2人!
1人は植物好きの奥さんに
連れられてきたと思われる熟年世代の方、
もう一人はおそらく
植物関係の仕事をされている方
たぶん大学関係の研究職で
待機している学芸員を質問攻めに
興味深かったのは
同じものを描いていても
描く人が違うと着眼点が
微妙に違うということがわかり、
参考になりました。
というのも、高校時代、
活動しない生物部でした
出回り始めた写真の図鑑に対し
後輩が図鑑は写真よりも絵の方が
わかりやすいと言っていた意味が
わかったような気がします。
当時の私は『写真の方が
一目瞭然なのに?』と思ったのですが
絵だと写実的に描いても
じっくり見たところは多少デフォルメされて
描かれているから特徴が掴みやすい
ということが言いたかったのね、彼は
そうだ、ラベンダーの種!
ラベンダーの絵に
種子も描かれていて
我が家の咲き切ったラベンダーの
種の採集にトライしなくては!
と展示を見て思ったのだけど
会場内はスマホの操作禁止
メモもできない状況だったので
頭に刻んで…今思い出した
植物画(ボタニカルアート)は
ドイツ人の薬剤師バシリウス・ペスラーが
植物誌に精密な挿絵を描いたことが
始まりのようで…
キューガーデンの冊子を
作っていたのも薬剤師!
当時は薬草を扱うことが
メインだったから
植物全般に精通していたんでしょうね
当時の図鑑の巨大なこと
持ち運ぶなんて無理
豪邸に住んでないと置けない
そもそも、それ、お幾ら万円
銅版画で印刷して
手で着色していたみたい
ちなみに私が持っている
ハーブのイラスト事典
昔、アメリカの本屋で
安くなっていたので買いました
…いくらだったか忘れたけど
たぶん20ドル以内かと
当時ハマりかけていた
植物の刺繍の色の参考になるかな…
と思って買いましたよ、重いのに
仕事絡みじゃないのがミソ
もう一周してもいいぐらい!
と思ったけど
次の企画展に移動
次は打って変わって
江戸時代の植物画の展示。
現代に通じる図鑑的なものから
屏風や掛け軸に描かれる
芸術的なものまで
これだけまとめて見ることができると
圧巻というか、
今まで日本画と一括りにしていたけど
画風もテクニックも色々あることが
美術に疎い私でもよ~くわかりました。
ちょっと吹き出してしまったのは
気の毒な話なんだけど
オランダを通じて入ってきた図鑑を
翻訳して写本して写本して写本して…
と繰り返しているうちに
元の植物が謎の物体に変身。
で、絵に添えられている文字は
蒲公英
たんぽぽってこんなのでしたっけ?
見たこともない
植物が誕生してました
色々見ていくうち、
パッと見てゴーヤーとわかる絵があり
ゴーヤーってどう表現したんだろう…
えぇ、マジぼけです。
苦瓜ですから
面白かったのは
江戸時代にも
植物の栽培ブームがあったみたいで
椿や朝顔が代表的なもので
図鑑的に花の絵を絵巻にしていたり
屏風にしていたり…
現代ならきっと多肉植物の屏風
オシャレだなと思ったのが
庭の梅の木の風景画に
梅を詠んだ句の短冊の絵が
添えられている巻物。
あとは四季の花の絵をどんどん描き連ねて
何連かの屏風に…←豪邸専用
色彩が鮮やかできれいだなと思ったり、
植物学者顔負けの殿様がいたり…
ある意味平和な時代、
色んな人がいたんだなぁと
ほっこりしてみたり
西洋から図鑑が入ってくると
それと同じような絵を描く人が現れたり…
日本人って器用というか
さっと違う文化を取り入れる
懐の深さみたいなものがあったんだなぁ
と感心したり…
こちらも見応えがありました
常設展も工夫が凝らしてあり
京都関係の歴史や文化にまつわる展示が
興味深く…というか
十王図に目が釘付け
皆さま、十王ってご存知でしょうか?
閻魔さまがそのうちの1人と
言えばピンときますか?
仏教でいうところの
亡くなったら7日ごとに審判を下す
神さま方の総称です。
え、四十九日で仏さんに
なれるんじゃないの?
なんで7人じゃないの?
ちなみに閻魔さまは
三十五日での審判を下す神さまです
ラスボスじゃなかったんだ
四十九日のあと、
百か日、一周忌、三回忌…
審議が続く模様です。
極楽への道は遠かったのね
お義母さん、
無事ですか?
怖すぎて思わず3回ぐらい
10枚の掛け軸の前を
行ったり来たりしてしまいましたよ
京都のお祭りコーナーでは
祇園祭でお馴染みの山鉾の1つ、
月鉾を取り上げた展示の解説がわかりやすく
あまり山鉾をじっくり見たことがなかったので
非常に勉強になりました。
山鉾の1つである月鉾には
↑ 32種あるそう
太陽を意味する八咫烏(三本足のカラス)と
月を意味する兎(左甚五郎作?らしいです)の
飾りがついていて素晴らしかったです。
京都の大学に通う娘曰く
祇園祭期間中は駅やあちらこちらで
祇園祭は延々1か月続く…
お囃子の音が流されるので
大阪に戻ってくると
『静かでええわ…』となるそうです。
と、祇園祭の展示を見ながら
せっかくだから水無月を買って帰ろう!
と思い立ち、帰り道の大丸で
どれにしようかな…と迷いましたが、
あろうことか、阿闍梨餅の誘惑に負けて
今回は阿闍梨餅にしました。
娘、授業の一環で
水無月を食べたって言ってたし…
ベース部分が3種類あったから
娘とシェアして食べたかったけど
今日も明日もバイトで帰り遅いし…
などなど、日持ち部分で負けました
水無月の野望は来年に続く
お買い上げの品々~
会場にて図録と絵葉書
下のおみやげ屋さんでお菓子
スティック状の麩菓子が入ってます
豆入りの甘いおせんべい←好き
そして大丸にて阿闍梨餅
今回は5個入りを買いました
大丸では遅くなったお昼ご飯も食べ…
何を食べようか散々迷った挙句
選びに選んで讃岐うどん。
汗をかいて
体が
塩分不足をアピールした模様。
最近テレビで
讃岐うどんの職人さんが
身分を隠してメキシコの
ナンチャッテ讃岐うどんの店に潜入、
とんでもない讃岐うどんの作り方を修業して
最後に美味しい讃岐うどんを作って振舞い…
という番組を見たせいもあるかも
表のサンプルに並んでいた
衣笠丼定食を食べようかと思ったけど
ケンミンSHOWでたびたび
お見かけするもので
ご飯をガッツリ食べる元気はなく
讃岐うどんに小さい天丼のセットにしてみました。
京都で讃岐うどんなんて…
と自虐気味でしたが
運ばれてきて大正解
大阪だとたぶんネギとかまぼこが
トッピングされてきそうな素うどん。
ところが、湯葉とお麩、
それに柚子に三つ葉
ザ・京都な讃岐うどんでした
それとミニ天丼に乗っていた
ナスの天ぷらが肉厚で
非常に美味しかったです
娘へのおみやげ(左)と
自分へのおみやげ(右)
ガーゼのハンカチは広げると…
京都の通り名になってます
夜、バイトから帰宅した娘に
戦利品の数々を見せると
『普通の観光客になってるやん』
物珍しくてキョロキョロ…
完全なお上りさんになってました
阪急利用で片道400円
途中新幹線と並行している部分があるので
700系のぞみとの競争あり
距離はあるけど得した気分
昨日の京都は大雨のあとにもかかわらず
蒸し暑くなく過ごしやすい気候でしたが
さすがに博物館のあとに
どこかに行こうという気力はなく
通り道の錦市場を横目で見ながら
すごすごと退散したのでした。
錦市場は伊藤若冲が暮らした町ということで
盛り上がってましたよ
本日も長々とお付き合い
ありがとうございました
ありがとうございます
さすがdekochinさん、落語と結びつきましたね。
地獄で色々やらかす演目ですよね
京都まで400円…
でもなかなか行かないんですよね…
冬は寒いし、これからの季節は暑すぎるし、
ちょうどいい季節は観光客で混んでるし…
って私も観光客だけど
年に数回はウロウロできるといいんですけど。
また用事をみつけて
気ままに行こうと思います
なんとも羨ましいお話です
キューって旧かと思いこみながら
読み進めていた無知な私をお許しください
mariさんのブログはいつも勉強になるわ~
法要にもそんな意味があるのですね。
極楽への道は険しいのか...
地獄八景亡者戯の落語を思い出しました
お土産も可愛らしくて素敵ね