ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「きみはいい子」、学級崩壊、家庭内暴力、認知症、今話題のテーマを救いで描く

2015-07-13 16:26:31 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

2013年本屋大賞で第4位にも選ばれた中脇初枝の同名短編小説集から3話を借りて作り上げた愛の物語。

学級崩壊、家庭内暴力、認知症、いまもっとも旬な話題をテーマに、愛を取り戻そうとする感動ドラマになっている。

前半は、それぞれの悩みが爆発する、ちょっと痛い展開だが、後半、愛を感じてからは、怒涛のごとく問題が解決していく。一つを除いては。

高良健吾ふんする新米家庭教師、子供たちに適当にいびられ、学校の規則とモンスターペアレンツて自信を失っていく。

高層マンションに住む子持ちの主婦(尾野真知子)。夫は外国へ出張中。自分の不満を子供にぶつけて家庭内暴力。ママ友の中で、同じマンションに住む主婦のおおらかさに助けられる。

独居老人あきこは、発達障害の男の子と挨拶を交わすのが楽しみ。子供の母親は、障害を持つ子供で悩んでいた。

この三つの話が、すれ違うでもなく、近くでおこることで、話はまとまる。

呉監督の目線は的確で、愛へと収斂されていく腕前は確か。

はぐをするという行為は、日本人ではなかなか抵抗があるのだが、この映画のようにうまくいくといいね。

「そこのみにて光輝く」より幅の広がった展開だ。







コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ニューヨークの巴里夫(パリジャン)」、フランスの小説家が、ニューヨークで繰り広げる中年ラプソディー

2015-07-12 17:46:25 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

フランス・アメリカ・ベルギー合作

主人公の青年グザヴィエの人生と恋愛を描いた「スパニッシュ・アパートメント」(2001)、「ロシアン・ドールズ」(05)に続く、セドリック・クラピッシュ監督による青春3部作の完結編。

前作未見だが、特に困ることはない。ただ、前作から10年,主役のロマン・デュリスは40歳になったグザヴィエを演じている。

パリ在住の小説家、女友達に頼まれて精子提供、子供が生まれる。

これを見て、妻は離婚、子供を連れて新しい夫のいるニュークへ。

グザヴィエは、子供を追ってニューヨークへ行くが、住むところなく、精子提供した友人のところへ。彼女のレズ友達の紹介で、安家賃の中華街へ。

就職をしたり、滞在ビザのため、中国人と結婚したり、そこへ、昔の恋人が訪れてきたり。それぞれの子供が合体。

そこへ移民局の査察があったりと問題だらけ。

グザヴィエを演じるロマンデュリスの軽いノリが適当に難関を乗り切り、ラストは、落ち着くところへ落ち着く。

邦題にちょっと抵抗があるが、まあ、パリジャンのニューヨーク奮戦記(異文化交流)と見れば結構面白い。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「プリズンオフィサー」 小日向文世主演の死刑囚収容刑務所刑務官の物語

2015-07-12 10:46:53 | テレビ
おススメ度 ☆☆

今年2月、動画配信サービス「dビデオ」で配信されたオリジナルドラマ。

1話完結のドラマを4話収録。

脇役でいい演技をしている小日向文世(現在の朝ドラのケーキ店のシェフ)が、主役で、

4話それぞれに、主役を配したもの。

小日向の演じる平凡太を中心に4話は絡んでいる。

4話の主役は、第1話 小沢征悦 凡太の妹の旦那で、生命保険をかけて殺人。

第2話は、荒井浩文、父に野球をしごかれた青年で、中野通り魔殺人事件

第3話は、石黒賢、暴力団組員で社長らを無差別殺人。

第4話は、伊武雅刀、暴力団組長

普段おとなしい、平凡太だが、40年前に死亡した“極道の神さま”が乗り移るという特殊な設定で、豹変する。

第4話は、姪っ子を誘拐される事件も起き、はらはらさせる。

極道映画とは、また違った雰囲気の映画で、よい作品が生まれることを期待したい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ラブ&ピース」、園子温のラブ&ファンタジーです

2015-07-11 19:07:22 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

最近、園子温は多作です。

それも、以前撮りたかった作品を撮っているという我が道を行くです。

本作も、かなり前から温めていた作品で、劣等生が、カメに励まされてはじける成功物語です。

主演は、長谷川博巳ですが、前半、まったくだらしがない会社員をオーバーに演じています。

そしてミドリガメに出会ったことから、吹っ切れてバンドマンとして日の目を見る成功物語ですが、そこは、子温流、今回は地下水道のメルヘンチックなおもちゃの世界です。

そこに住みつく老人を西田敏行が演じ、実写版人形劇として、一つの物語を綴ります。

一方、カメは、日に日に成長、果ては怪獣にまで成長するというどでかい話です。

サラリーマンの出世物語と、カメの成長が組み合わさって、ラストへと流れ込みます。

ラブの方は、さえない女子社員への恋慕は、成功するのでしょうか。

園子温の多彩さを改めて実感する映画です。


ちなみに、北京映画祭で上映されました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」、マーベルコミック人気ヒーローの大集合

2015-07-10 19:20:05 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

マーベルコミック原作の人気作品から各ヒーローが集結し、世界的大ヒットを記録した「アベンジャーズ」(2012)の続編。

おかげで、冒頭からすさまじいアクションシーンの連続。

ウルトロンという「究極の平和」を実現するための装置が、逆に人間こそ平和を脅かすとして人間抹消に乗り出す。

これを阻止しようと立ち上がるアベンジャーズ。

前作からさらにヒートアップ。

さらに今回は、スカーレットヨハンソン扮するナターシャの恋物語もほの見えて、家族の物語も絡んでくる。

相変わらず、ロバート・ダウニー・Jr.トニースターク(アイアンマン)は健在で、要所を締める。

今回はハルクが大暴れし、変身前後が見ものだ。

地上から持ち上がっていく空中 都市のシーンは名作「天空の城ラピュタ」を彷彿(ほうふつ)とさせて圧巻だ。

続編が予定されており期待される。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「メビウス」、男性器切除から始まるどろどろ。キムギドク作品

2015-07-09 18:05:16 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆

キムギドク好き、性について考える人 ☆☆☆☆

R18+

韓国で上映禁止の処分。編集し直して制限付き公開

日本では、児童ポルノ法に触れるとして問題に、これも編集し直して日本版として公開。

なにしろ、撮影時15歳の少年の物語だ。

ここまでしてこだわり続ける性の監督キムギドク。その狂気に喝采を送りたくなる。

日本では、阿部定が有名だが、こちらの話は15歳の少年、すなわち息子を絡めてのペニス切断事件。

さらに、ギドク自身の兵隊時の経験から、自らの体を傷つけることにより、性欲の昂進が得られるというどこまでも、性にこだわるギドク。

そしてラストに開かされる仏像への昇華。

深い意味を秘めながら、描かれる映像は、世俗的。

一人の女優が正と悪を描き分け、ひいては近親相姦さえ思わせるメビウス。

全編せりふなし、うめき声と悲鳴と喘ぎ声。

これぞまさしく究極のギドク映画だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「K2 初登頂の真実」、イタリア登山隊の世界第二位もっとも難関なK2登山

2015-07-08 17:06:37 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆

イタリア映画好き、登山映画好き ☆☆☆

K2は、エベレストに次ぐ世界第二位(8611m)の山。パキスタンから登る。

第二次大戦から間もなくの1954年、イタリアが初登頂を試み成功した。それまでにも、イギリスやアメリカなども挑戦失敗している。

二番目の登頂は、1977年、日本が成功している。

この映画は、その初登頂の実話に基づいたフィクション。

この初登頂には因縁があって、長く裁判沙汰になり、登頂者の名前が明らかになったのは50年たった最近のことである。この映画は、その最新の事実に基づいている。

前半は、イタリアらしく、恋物語などが挟まれて、応募者の選定などが描かれ、登山は後半。

難関な登山だけに、途中からいろいろトラブル発生。

最後は、成功するのだけれど、その裏には、名誉欲も絡んで、熾烈な個人戦がある。

それだけにちょっと後味の悪い出来となった。

登山そのものは、美しい山の景色がすばらしい。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「悪党に粛清を」、デンマーク版西部劇です

2015-07-07 19:20:53 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

西部劇・デンマーク映画好き ☆☆☆☆

デンマークを代表する国際的俳優マッツ・ミケルセンが復讐をし、復讐される話です。

デンマーク・イギリス・南アフリカ合作。

原題は、なぜか「救済」、キリストになぞらえた映画のようですが。日本では復讐話。

舞台は、1870年代のアメリカ。

デンマークから移民してきた兄弟。弟ジョン(ミケルセン)がデンマークから妻と子を呼び寄せたが、妻と子は、駅馬車に乗り合わせたならず者に惨殺されます。

これに怒り狂ったジョンは、ならず者を殺してしまいます。

だが、そのならず者は、町を取り仕切っているデラルー大佐の弟でした。

怒り狂った大佐は、犯人を見つけるように要求、見つけられないと町民を即射殺。次々と生贄を要求。

町民は、ジョンを大佐に渡します。

ジョンは囚われ、磔に。

まあ、こんな風に分かりやすい復讐劇です。

撮影されたのは、南アフリカ。おかげで、アメリカと違った空気の西部劇です。

ジョンは、デンマークの元兵士。おかげで射撃の腕は抜群。

だが、悲劇は、多くの人を巻き込みます。

かっこいい、射撃と乗馬の裏で、殺される人々。

決して、スカッとする映画ではありません。

でも、ミケルセンのかっこよさと、舌を切られて話せない情婦を演じるエバグリーンが光っています。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アリスのままで」、若年認知症を患った大学教授の話です

2015-07-06 19:26:11 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

ジュリアンムーア好き ☆☆☆☆

ジュリアンムーアは、アカデミー賞とゴールデングローブ賞を得ています。

知的な女性の若年認知症の演技は、さすがどうに入ったものです。

ちなみに、この映画の監督は、ALS(筋委縮性側索硬化症)を患いこの映画の完成後亡くなっています。

認知症を、演技と映像で表現。観客も疑似体験をします。

まして、遺伝性と聞かされては、なお憂鬱です。

ただ、この映画、アルツハイマー学会での講義など、非常に前向きで、病気の映画でありながら、意外にあっけらかんとしています。

ラストも、希望はないがやさしさに満ち溢れて終わります。

知的な女性ゆえ、睡眠薬に手を出したりはしますが、あくまで冷静です。

その凛とした病気に向かう様がこの映画の真骨頂でしょう。

夫は頼りにならず、頼りなかった次女が看病してくれる皮肉も効いています。

85歳以上では、4人に一人が認知症の日本。他人事でない自身の問題としてとらえましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「滝を見に行く」、7人のおばちゃんが山で道に迷い、一夜を過ごす

2015-07-05 18:16:54 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

おばちゃん映画好き。 ☆☆☆☆

7人のおばちゃんが、滝見ツアーで山に迷い込み一夜を明かす。

ほとんどしろうとのおばさんが7人。

そのアンサンブルは?

妙高高原に映画に使われている滝はある。

丁度、紅葉の時期絶好のハイキング場所だ。

この映画を機に宣伝もしているらしい。

それにしても監督の沖田修一さん。

こういった、半しろうとでドラマを作るのがうまい。

素の人間関係が微妙に面白いのだ。

88分と短いのも救い。

まあおばちゃんたちと付き合うのも乙なものか。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする