今回で、10回目の開催となる「まあるい食卓」。
ここでは去年6月の初回から、毎回、「おにぎりをみんなで作って、みんなで食べる」をいう事を続けています。
初めておにぎり握る人、ぶきっちょだったり、とても上手だったり、それぞれです。
そこで今回は、初めての試み。「おにぎりレクチャー」の時間をもうけることにしました!
ポイントは3つ。
1. 手水をうまくつけることができたか。
2. ご飯粒をひとつも落とさなかったか。
3. ありがとうの気持ちで残さず食べられたか。
この3つをクリアできたらスタンプを押してもらいます。
スタンプが3つたまったら、晴れておにぎりマスターになることができるという試み。
その結果、どうなったでしょうか?
これまでは、おにぎりが上手に握れなかったり、ご飯粒がたくさんこぼれていたりしていたのが、今回は、ご飯粒がほとんどこぼれず、食べ残しもなくなったのです!
そして、それを嬉しそうに報告してくれる子どもさんも!
目標を設定したら、意識がそこに向いて、きちんとがんばってくれるんですね。
これはちょっと、感動的なできごとでした。
また、この「おにぎりレクチャー」の様子を写真に撮って、その場でフローチャートを作ってもらいました。
ここにもたくさんの工夫が凝らされていて、このチャートがあれば、また来月から初めての方が来られても、一緒に楽しく参加してもらえそうです。
チャート作りをたのしくがんばってくれた皆さん、本当にありがとう^^
上手におにぎりが握れたら、次はお楽しみのおかずコーナーに。
今月は、季節感たっぷり。春のご馳走がならびました。
メニューも書ききれないくらい!
いつもご協力いただく
オーガニッククロッシングさん
テルってる畑さん
蓮輝(れんこん)農園さん
ありがとうございます。
今回も、大切に使わせて頂きました。
イベント終了後のスタッフミーティングで、調理する前の食材を、参加される方、とくに子どもさん達に紹介しようというアイデアが出されました。ツクシやキクイモなど、お料理の前はどんな姿をしているかを見てもらうことでもっと、「食べること」「食べ物のこと」に関心を持ってもらえそうです。
さらにミーティングでは、この「まあるい食卓」のコンセプトを表現する言葉があればいいのでは、という案も。
たしかに、「みんなでご飯を食べる場」というだけでは、他の方をお誘いするにしても説明しにくそうです。
そこで考えてみるのですが、やはり的確にひと言で伝えるのは難しくて、あらためて、ここは丁寧に言葉を費やして、活動のコンセプトや、スタッフの想いを繰り返し伝えていくのが良いのではないかと思われるのです。
もともとは、「6人に1人の子どもが充分にご飯を食べられていない」ということにショックを受けたことが、このプロジェクトを始めるきっかけだったのですが、スタッフ間で話し合いを重ねるうちに、子どものしんどさは子どもだけのものでは無い。周りの大人がしんどかったら、やはり子どももしんどい。それから、ご飯を食べられていない子どもにだけ焦点を当てるのが不自然な気がして、「誰でも」、家で1人でご飯食べてる子にも、時間がたっぷりあるお年寄りにも、子どもに時間をかけられない忙しいお母さんにも。みんなに来てもらうのが、自然な気がして現在の形になっています。
このようにお伝えすると、「この条件に当てはまらないのだけど、参加してもいいのですか?」とのご質問を頂くことがあります。もちろん!どんな方にも、この丸くて大きな食卓を囲む一員になって頂きたいです。そして、この場の空気を感じて頂いて、居心地よさそうだったら、いつかは近くで一人でご飯食べてる人がいたら、声かけてもらえたらと思います。
この「まあるい食卓」で大切にしている価値観を、あらためて並べてみると、
「お互いさまの関係であること」・・・今ちょっとしんどかったり、寂しかったりする人がいたら、今ちょっと余裕のある人が支える。そんなお互いさまの関係が当たり前であれば、関わる人すべてにとっての安心感にも繋がると思うのです。
「子どもが大切にされること」・・・自分たちの小さい頃を振り返ると、親以外にも近所の人や通りすがりの人や、たくさんの人に気にかけてもらって育ってきたことが思い出されます。親切にされること、大切に扱われること。この経験は、大人になってもずっと気持ちを温め続けます。そして、丁寧に扱われた経験があれば、他の人にも同じように丁寧に接することができるのだから、やはり大切なこと。
これは、子どもさんを喜ばせるというのとは少し違っていて、例えば、食べ残しをそのままにしていたら、大人が見ていて注意されること。上手できたら褒められることなども含みます。
「食べることを大切にすること」・・・上とも重なりますが、子どもさんの食べるものにも注意を払って、できるだけ安全な食材を、顔の見える関係のサポーターから提供して頂いて、スタッフが丁寧に調理したものを食べてもらっています。子どもの食の安全を守りたいという想いもありますが、こうすることで、食べることの大切さに気づいてもらったり、関心を持ってゆくゆくはお料理にも関わってもらえたら、生きる力にも直結するのではないか、との想いもあります。
関わるスタッフ、ボランティアの方、参加してくださる方、それぞれのお考えもゆっくりお聞きしてみたいと思います。
そして、ここで過ごす時間は一ヶ月にたった数時間ですが、ここでの経験が記憶のなかに蓄積されて、なにか温かいものになっていけばと願っています。
また来月からも第3日曜日に、楽しく過ごせる場を皆さんと作っていきたいと思います。
(文責 金岩日佐美)
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