まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その30

2014-04-05 21:29:00 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
ども、週末ですね、お今晩は。

桜、楽しんでますか?

明日は少し寒くなるらしいので、お出かけの方は、
どうぞお気をつけて、桜をご鑑賞下さい。

当店の桜はお家でご鑑賞頂けますので、ゆっくりと・・・


では、続きでーす。


2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その30

  さすれば と声は一転して囁いた
  その声は 柔らかく甘く
  分かっていると 言っていた
  自分だけはお前の味方だという甘い声
  汝は永遠に 父親の影から脱するのだ・・・

<つづき>

その言葉は ナヲキさんの
身の裡に じんと響いた
そう それが欲しかったもの
究極の願い 金や名声などじゃなく・・・
俺は とナヲキさんは口を開いた

アンタの助けは 借りない
一瞬のためらいの後 きっぱりと言った
ナヲキさんは 夜空を占める
雄大な黒雲を 見上げた
それじゃダメなんだ また同じだろ

ナヲキさんは足を踏ん張り 雲を見た
雲は緋い月光を背負って 美しかった
俺は親父が嫌いだよ とはっきり言った
今だって思い出すと 死ねって思う
もう死んでるのにな・・・

ナヲキさんは うつむいた
胸の痛みを抑えて また雲を見た
これがアンタの言う 父親の影か?
アンタがこれを 殺してくれるのか
でも と服の胸元を握って言った

そしたら アンタが俺を支配するだろ
俺はアンタの言うまま また右往左往して
ナヲキさんは ぎゅっと目をつぶった
俺が俺である時なんて どこにもない
だったら俺はそんな人生 要らない

だけどさ とナヲキさんは目を開けた
月光を背負った竜雲は やはり美しかった
なんでかな俺 アンタが何だか判るよ
ナヲキさんは はかなく笑った
アンタは 俺がすがってた“夢”なんだ

<つづく>

人気ブログランキング ※本作品の内容・名称は全て個人の創作・フィクションであり、 実在の個人・法人・企業等とは、全く一切関係ありません。

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