prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マッチポイント」

2008年05月18日 | 映画
作家というのは年をとるとふっと作風が突然変わるみたいだが、克明な犯行の描写のうちに、え、いいのかと思わせる展開が混ざってくる手際は、今までのアレン作品になかったノワール的なタッチ。
ただ舞台がロンドンに移ったのでずいぶん意匠は変わっても、考えてみると結末のつけ方は「重罪と軽罪」の変奏。

新しい環境とともに、若い娘(スカーレット・ヨハンソン)から回春のモトをもらっている。
オープニングのテニスのボールがどっちに落ちるか、という映像が象徴的なのと同時に優雅。
(☆☆☆★)