Don JonはDon Juan=ドン・ファンにひっかけているのだろうけれど、今風にずいぶんひねってある。
顔も身体も抜群でナンパに苦労しないのに、生きている生身の女よりポルノ映像の方に欲情してしまうという主人公の設定がおもしろい。
オタクとは違って三次元の相手でもモテるのだし、性的能力も十分。それでも生身よりポルノ映像の方に走ってしまう不思議なりに説得力がある。スカーレット・ヨハンソンみたいにやたらセクシーな女性が相手でも、ベッドを抜け出してPCにかじりついてしまう。
ただ、設定段階で止まってしまって後半十分発展しない。つきあっている相手が自分より二次元を好きなのを知って怒るだけでそれ以上の展開はあまりないし、二人の女性の登場も団子の串刺し式に描かれるだけで、互いに関わることはない。いろいろ展開のさせ方があろうと思うと思うのだが。
女優さんの撮り方も、やや通りいっぺん。
製作費は600万ドルとかなり抑えてある。あからさまにデジタル撮影であることがわかり、画面に陰影とか美的センスとかは乏しい。
オープニングでいきなり「初体験 リッジモンド・ハイ」のフィービー・ケイツの映像が出てくる。上映前の「ラストベガス」の予告編で旦那のケビン・クライン(1989年に結婚)がかなり老けた姿で出ているのを見せられたので、ちょっとどんな近況なのかと思って調べたが、1990年のAnnversary partyで旦那と共演したのを最後に映画・テレビの出演はなし。
(☆☆☆)
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映画『ドン・ジョン』 - シネマトゥデイ