prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱」

2024年12月11日 | 映画
グリア・ガーソン、ウォルター・ピジョン主演、マーヴィン・ルロイ監督による1943年の「キュリー夫人」と併せて見ると興味深い。ちなみにこれは戦後日本の洋画公開第一号。
ガーソン版はかなりストレートな伝記映画で、ラジウム発見までの苦心惨憺のプロセスがもっと描き込まれていて、きれいごとの偉人伝で済ませているのではないかという疑いもあったが、今見ても女性差別や外国人差別などの要素を外してはいない。
しかし戦時中の製作ということはもろに核兵器の開発と同時並行の製作だったわけで、こちらとすると複雑な気分にならざるを得ない。公開当時の日本の反応はどうだったのだろう。

一方このロザムンド・パイク主演版はキュリー夫人の最後の時から始まって、時間を遡りかなり大胆に時間空間を再構成する作りになっている。
明らかに時空を飛び越えて広島に原爆が投下されるところまで見せてしまう(もっともここは変な日本にみえてしまう)。
監督マルジャン・サトラピがイラン人でアニメ作家でもあるという抜擢もあって英米以外からの視点を入れようとしたと思しい。






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