基本的な構想は「アンネの日記」みたいに不自由な環境に匿われているユダヤ人の話で、画面がグルーミーに暗く、その中で主人公ふたりがチャップリンをきっかけにスクリーンプロセスをアレンジしたみたいな映像効果で輝かしいニューヨークを空想する場面が秀逸。
匿われていたのはひとりだけではないのを知る展開が希望につながる。
今のイスラエルがやっていることを見ていると、単純にコンパスの針をまわしたみたいに被害者側が加害者側になったわけではないのはわかっているつもりだが、ある程度憮然となるのは避けられない。
ヘレン・ミレンが自分の若い時のナチス時代を語る形式で、ヘレンは1945年生まれだから10年がたズレているのだがあまり気にはならない。