家族と夕食をとりながらママりんがおもむろに
「かんぱーい!」
と言い出した。
続いておやじ殿が
「おぉ!そうじゃったー。かんぱーい。」
とグラスを差し出した。
もちろん、アタシの誕生日の乾杯。
って、おいおい!アタシの誕生日は明日だっつーの
娘の誕生日イヴを祝っちゃうのかい、アナタ達は…。
しかし今日の夕食はやけに豪華だなぁ。誕生日勘違いしてないか
ま、いいんだけどさ。祝ってくれる人がいるってことはありがたいものだ。
で、始ったのは30年前の思い出話。
ママりん:「ちょうど今頃陣痛でねー、苦しかったんよー。」
おやじ殿:「お寿司を買っていったんじゃけど、お母さんが食べられんでね。」
ママりん:「で、お父さんひとりで食べちゃったんよ。ひどいでしょー。」
おやじ殿:「美味しかったー(笑)」
なんて、次々と繰り広げられる思い出話を聞きながら
アタシはちょいとうれしかった。
本当は7月9日が予定日だったこと。
朝にならないと産まれないと看護婦さんに言われたけど
結局夜中に産まれちゃったこと。
赤ちゃんなのに指が細すぎて2人で思わず指の数を数えちゃったこと。
おやじ殿とママりんの話はなかなかアップテンポ。
子供が産まれるときの興奮はいつまでも忘れられないらしい。
そんな2人を見て、アタシはやっぱりうれしかった。ありがたいと思った。
29年もアタシを育ててくれたんあだなぁーと、あらためて両親に感謝。
ママりん:「あ、明日は誕生日ケーキ、自分で好きなの買っておいで~。
お父さんがおごってくれるよ、きっと。」
おいおい、本人にケーキ買わせる気かよぉ。
せっかくいい話だったのにぃ!
やはり我が家にはオチがあったか…(泣)
…間もなく誕生日。