写真は雲南のクルミ。(蒙自にて)。魯甸産のクルミは、一般にはわざわざ地名を表示されることは少ない。小ぶりだが、皮が薄く、実がつまっている、といわれている。
【回族の特産?】
紀元前の『楚辞』の時代より、前政権の栄華をしのぶ象徴、それはともすると現政権を批判するアイテムともなった、お菓子・絲窩糖。
いまでも人々に慕われ、愛されるお菓子であることは、スーパーマーケットに行ってもわかりますが、伝統的なお菓子として認定した地域が雲南にあります。
今から2年前の2015年12月14日、雲南の北方にある昭通市で魯甸特色小喫として絲窩糖が「昭通市の十大風味小喫」の一つに選定されました。
魯甸県は2014年8月4日に地震があり、600名近くが家屋の倒壊などで死亡し、日本でも大きく報道されたことでご記憶の方もいるかもしれません。ここは貧困県ということもあって、地震の規模はそれほどでもなかったのに、家屋がゆれにあまりにも弱かったためでもありました。いまでは復興資金によってコンクリート家屋が均一に建ち並ぶ地域となっています。
ここの特産品の中に変わったものがありました。いぼたろうむしです。中国語では白蝋虫。カイガラムシの一種で白い蝋を作り出します。日本でも会津ロウという和蠟燭の原料として用いられていたそうです。パラフィンを使い出すまでは家具の塗装などにも使われていました。魯甸県はその主産地なのです。今でも家具の塗料などとして使います。
(ちなみに中国語でクレヨンは「蝋筆」、さらに余談でクレヨンしんちゃんは「蝋筆小新」と書く。中国でも大人気のアニメとなっている。)
近年ではクルミも有名です。緑色食品という、農薬や化学肥料をあまり使わず、遺伝子組み換えのない作物などに与える国家認定基準である、とアピールして生産しています。緑色食品については流通過程でニセモノが多数出ていますが、生産者に指導するほうは真剣です。ちなみにクルミで有名なのは大理です。この話はまた章を改めましょう。他にたばこ、羊毛などが生産されています。
この地域は回族、苗族、彝族などの少数民族が多く暮らしています。その中で、絲窩糖は回族の伝統菓子として「昭通市の十大風味小喫」に選ばれたのでした。いったいどういうことなのでしょうか?
(つづく)
※次回、更新は少しずれこむかもしれません。確定申告の時期になりました。私は毎回、がんばって記入してはいるのですが、どうも頭の中は難破船になってしまいます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます