市場にて。店先に「無注水牛肉供応店」とわざわざペンキで書いてあるのも珍しい。
【水増し肉】
よく摘発されるのが「水増し肉」。少しでも肉に重さを加えてお金を稼ごうと、肉の切り身に水を注射したり、肉に水を加えて重くしたりするらしい。見分け方は針の穴を捜す、変色の具合を確かめるなど。市場には「無注水肉です」などと大書きした店を見かけることもあるほどポピュラーな手口だ。色素を加える場合もある。
加工食品として使用する場合は古い肉を新しく見せかけるよう発色剤(ミョウバンなど)を使用したり、完全に腐臭を発した肉には苛性ソーダを加えたりする。肉の脂肪分からとれるラードは、回収されては何度も薬で再生されるそうで(もちろん違法)、昆明に料理店を持つ日本人からは「実態知ったら、こわくて外のモン、食べられへんでー」と冗談っぽく聴かされたこともある(ラードは炒め物や、こってり系麺類の多い外食ではかかせない)。
注水肉かどうかの見極めは、調理すればテキメン。焼くと、肉から通常以上に水が出る。
ちなみに私が通っていた市場では、そのようなごまかされた肉はなかったように思う。というのも、日本で食べた肉よりはるかに味が深く、おいしかったからだ。これだけ中国の食品の安全性が疑問視されるなかで運がよかったのだろうか。
そこで、昆明の市場を見て回ったところ、注水肉が出回るのは昆明中心区と郊外部の境界線上の市場に集中しているようだった。新規につくられた高級分譲マンションに囲われ周囲から切り取られたような、昔ながらの農村(昆明では「城中村」と呼んでいた)に、雑然とした、安いけど、ちょっときたないものも売られている市場がデンと構えている。そこには昔から住んでいた農民と、街の建設のために近年、流入した出稼ぎ労働者が通う。高級マンションの住民は外資系スーパーに行くので、治安の悪い市場にくることはほとんどない。
このような市場では、水滸伝ってほんとの話だったの? と思ってしまうような、肉がらみの「暴力」事件が多発していた。それについては後の後の章で。
【水増し肉】
よく摘発されるのが「水増し肉」。少しでも肉に重さを加えてお金を稼ごうと、肉の切り身に水を注射したり、肉に水を加えて重くしたりするらしい。見分け方は針の穴を捜す、変色の具合を確かめるなど。市場には「無注水肉です」などと大書きした店を見かけることもあるほどポピュラーな手口だ。色素を加える場合もある。
加工食品として使用する場合は古い肉を新しく見せかけるよう発色剤(ミョウバンなど)を使用したり、完全に腐臭を発した肉には苛性ソーダを加えたりする。肉の脂肪分からとれるラードは、回収されては何度も薬で再生されるそうで(もちろん違法)、昆明に料理店を持つ日本人からは「実態知ったら、こわくて外のモン、食べられへんでー」と冗談っぽく聴かされたこともある(ラードは炒め物や、こってり系麺類の多い外食ではかかせない)。
注水肉かどうかの見極めは、調理すればテキメン。焼くと、肉から通常以上に水が出る。
ちなみに私が通っていた市場では、そのようなごまかされた肉はなかったように思う。というのも、日本で食べた肉よりはるかに味が深く、おいしかったからだ。これだけ中国の食品の安全性が疑問視されるなかで運がよかったのだろうか。
そこで、昆明の市場を見て回ったところ、注水肉が出回るのは昆明中心区と郊外部の境界線上の市場に集中しているようだった。新規につくられた高級分譲マンションに囲われ周囲から切り取られたような、昔ながらの農村(昆明では「城中村」と呼んでいた)に、雑然とした、安いけど、ちょっときたないものも売られている市場がデンと構えている。そこには昔から住んでいた農民と、街の建設のために近年、流入した出稼ぎ労働者が通う。高級マンションの住民は外資系スーパーに行くので、治安の悪い市場にくることはほとんどない。
このような市場では、水滸伝ってほんとの話だったの? と思ってしまうような、肉がらみの「暴力」事件が多発していた。それについては後の後の章で。
本当にやわらかくて食べやすい牛肉、というのは、ただの厚切りとなると、じつは、結構、不自然なものなのか、またはとてもデリケートな育て方が求められる高級品なのかもしれませんね。
紀元前の中国の古代書の『周礼』や『儀礼』なんかをみると、宮廷での牛肉の料理法は、煮込みか、細切りのなます料理でした。厚切りの焼き肉はありませんね。
考えてみれば中華料理の牛肉は、小さく切って料理するものがほとんどですね。固い肉をおいしく食べる知恵なんでしょうかね。
牛脂を注入も、あるのですか? 知りませんでした。相当、危ないですね。脂関係は中国では危険すぎますから。あちらでは水の方が油よりもはるかに安く、技術もいらないので「注水肉」が模造としても主流のようです。
ちなみに霜降り肉をこよなく愛するのは、まだまだ一般的には日本人だけ。こちらの牛肉は、スープのだしにはいいけれど、あごが外れるほど固いものばかりです。日本では霜降り神戸牛が100グラム1400元(2万円以上)で販売されると、驚きをもって中国では報道されていました。