とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

御池岳・鈴北岳登山

2011-06-05 20:59:31 | 山登り
6月になって最初の土曜日は、なんとか晴れそうだということで久しぶりに山に行くことにした。友達を誘って何とか4名集まり早朝5時に浜松を出発する。途中高速のサービスエリアで朝食をとり、御池岳の登山口駐車場についたのは8時20分くらいだった。鞍掛トンネル手前にある駐車場には、すでに多くの車が止まっていたがまだ数台の空きスペースがありなんとか車を滑り込ませた。


まずは、山の支度をするのであるがこの山は「山ヒル」が多いことで知られているので、山ヒル防御対策をしっかりしていくことにする。何にも対策してないと、登山靴の隙間から進入して吸血されること間違いない。そこで、スパッツを装着して、スパッツと靴の隙間をテープでぐるぐる巻きにした。その後、靴やスパッツにスキンガードをスプレーする。また、上から落ちてくることも考えられるのでカーボーイハットにして首筋にはタオルを巻き同じようにスキンガードをスプレーした。他の仲間も、それぞれに対策をして出発する。他のパーティを見ると長靴を履き、隙間は同じようにテープでグルグル巻きにしていた。みんな対策は万全のようだ。ただ、我々の後に来た若者のパーティが、足元の対策を何にもしてないようだったので気がかりだった。


まずは、鞍掛トンネル入口広場から車道をしばらく歩いてコグルミ谷登山口に向かう。車道では数箇所で工事が行なわれており、工事車両の間を抜けて15分ほど下に下る。工事箇所の隙間からコグルミ谷の入口に入る。いよいよここからが登山道である。


コグルミ谷は、小さな沢が流れ木陰が続いており、ジメジメとした場所である。今回のコースではここが山ヒルと遭遇する可能性の高い場所である。どんな形で遭遇するのかドキドキしながら進んだ。


登山道に入って数分後である。最後尾の友人が早速山ヒルを発見する。怖い物見たさに、急いで写真を撮るが、焦っていたのかピンボケになってしまった。見ただけでも気持ちが悪い。尺取虫のように体を伸び縮みさせながら蠢いていた。


別の場所でも見かけたので、写真を撮る。でも、じっとしてると靴にくっつかれそうなので長居はできない。


その後も、何度か見かけるがみんな足元を注意しながら慎重に進んだ。あまり景色を楽しむゆとりはない。山ヒルは通常落葉の下などに潜伏してじっとしているが、大型動物が接近すると活動を始めるという。動物の接近は二酸化炭素や振動、熱などによって感知するらしい。人間の場合は、目が粗い靴下の隙間から入り込んで吸血するといい、気温が25℃以上で雨の日などは最も活動が活発になるという。樹上に登って枝葉の先からぶら下がり、上から落ちてくることもあるそうだ。本当に恐ろしい生物である。しかも、吸われていても気付かれる事はなく、痛みもない。靴下を脱いで足を見るとくっついていて驚くというパターンが多いのである。しかも、吸われた後は血が止まらず、血だらけになっているはずだ。昔、雨の日に山を走った時、山ヒルに襲撃された経験があるので、今回は何としてもその事態だけは避けたかった。

コグルミ谷の山ヒル危険地帯を30分ほどで通過する。後で聞いた話だが、後続の若者のパーティの女性がやはり山ヒルの被害にあったらしい。この山域に山ヒルがいることを知らなかったらしい。さて、最後の沢を横切り、急坂を登る。道筋がはっきりしないが、先に行く熟練者らしい男性たちの後を追って喘ぎながら進んだ。


急坂を登りきると、六合目の標識のあるカタクリ峠に出る。4月はカタクリの花が咲き乱れている場所であるが、残念ながら今回は咲いている花はほとんどない。


以後、七合目、八合目を通過する。



コケむした岩場を抜けるとバイケイソウの群落が見えてきた。すごいバイケイソウの群落である。まだ花の時期ではないが、これだけのバイケイソウに花が咲いたら見事だろうと思った。ただ、バイケイソウは毎年花が咲くわけではなく、当たり年がこればいいが来なければ葉っぱだけで終わってしまうこともある。今年がどうなるかは今後のお楽しみだろう。



九合目を通過する。


ついに御池岳山頂である。標高1247mの山頂はゴロゴロした岩と木々に囲まれ展望はない。鈴鹿山系の最高峰というが、景色もよく見えないので証拠写真だけ撮って先に進む。


山頂から北西に下っていく。しばらくすると、広い草原の広場に出る。昼食している登山者もいて明るく開放的な場所である。

更に先には、コケで覆われた場所がいたる所で見られるようになってきた。


広大な草原には、カレンフェルトと呼ばれるカルスト地形特有の白い石塔が飛び出しているのが見えてくる。


ドリーネと呼ばれるすり鉢状の窪みに雨水が溜まってできた池。この山が御池岳と呼ばれるのは、この景観によるものだ。


苔むした広大な草原はまるで自然にできた庭園の趣がある。この辺り一体は日本庭園と呼ばれ、他の山では見ることができない光景である。不思議な景観に一同おおいに感動する。




緩やかな道を上りつめると鈴北岳1182mである。この山には高い木がなく360°の大展望である。だがこの時期は、遠くの景色はかすんでよく見えない。寒い時期なら素晴らしい景色が期待できる場所だ。



鈴北岳で昼食とする。今回は、網を持って行ったのでトウモロコシやソーセージを焼いたりした。


ゆっくり昼食を楽しんだ後、ササ原の急坂を下っていく。


途中で、一本のレンゲツツジの木を見つける。丁度満開である。離れたところにも数本のレンゲツツジの木が花を咲かせていた。今回は、花があまりなかったがレンゲツツジを見られて良かった。


その後もしばらくは開放的な草原地帯を抜け、気持ちいい尾根歩きが続く。



鈴北岳から1時間弱ほどで鞍掛峠に到着する。858年(天安2年)惟喬親王が藤原良房の追討を逃れ都から逃れる際、ここで馬の鞍を外して休憩をとらせたことに因んで名付けられた峠である。


残り僅かであるが、鞍掛峠で最後の休憩をして、わざわざ持ってきたメロンをほうばる。

鞍掛峠からは一気に下る。乾いた道であり、ここからは山ヒルの心配はまったくない。


15分ほどで、登山届提出用のポストの場所に出る。この目の前が、今朝車を止めた駐車場である。


時間は14時15分くらいだった。まだ時間も早く、丁度いい時間に下山できた。御池岳、鈴北岳ともいい山である。鈴鹿山系の山々はあまり登ってなかったが、山ヒルを除けばいい山が結構あるようだ。山ヒルがいない時期を狙って他の山も登ってみたくなった。

追記:下山後、帰り道にある阿下喜温泉に寄る。女湯では、山から下山した登山者の衣類に山ヒルがくっついていたのが見つかり更衣室で大騒ぎだったそうだ。やはり、山ヒルは恐ろしい生き物である。幸い我々はお風呂で全身をしっかりチェックしたが山ヒルの被害はなく安心した。本当に無事でよかった。