文化的歴史あるまち日本と世界
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都市計画変革の方向性
・歴史性の回復
しかし都市計画はどのような方向に向かうべきなのだろうか。それは都市計画の内部からだけ見ていては見えてくるものではあるまい。その変革の方向性を見極めるために、歴史的・空間的などの諸条件の変化に注目した。
都市化時代には、都市計画の役割は計画的な市街地の形成にあり、市街地形態に関心を寄せた。しかし、その関心は外縁部をどこに定めてスプロールを防止するのかというところに集中し、内部の空間形態にはあまり注意が払われてはいないようだ。地方都市の市街地は専ら網状都市システムで作られた。それわ従来の単一中心システムとは異なり、自動車交通で支えられ、中心を持たず、居住機能と働く機能とがどこでも同じように混合しているシステムである。
また、市街地は簡単に変化するものではなく、歴史てな蓄積をつくりながら新たなシステムをその上に重ねゆくようにも見える。実際、地方都市の中心市街地とその周りには、前時代の単一中心システムの名残が核にでき、今日の都市は、単一中心システムと網状都市システムのハイブリッドな構造を持つといった方が適切である。