石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

荒葉一也SF小説「イスラエル、イランを空爆す」(2)

2010-07-12 | 中東諸国の動向

飛行ルートの誤算

  当初ナタンズを爆撃するための飛行ルートは地中海上空からトルコを通過しイランに侵入する計画であった。飛行ルートの候補としてはそのほかにも今回のサウジアラビア・イラク国境線沿いのルート或いはシリア・イラクを通過する三つのルートが検討された。いずれにしてもトルコ、シリア、イラク及びサウジアラビアのいずれかの国の領空を侵犯することに変わりはない。場合によってはレバノン又はヨルダンの領空も侵犯することになるが、イスラエルにとってこの2カ国は最初から無視できる相手である。

  いずれの第三国の領空も侵さずにイランに至るルートが最も安全なのであるが、そのためにはアラビア半島沿いに紅海からオマーン湾、ペルシャ湾の公海上を飛ぶ大回りコースしかない。しかしこのルートは戦闘機の航続距離の制約があり問題外であった。空母さえあれば、と嘆く軍の幹部もいた。もし空母があればアラビア海から燃料補給なしで出撃できたからである。

  結局三つのルートが比較検討された。三つの案の中ではシリア・イラクルートが最短であり物理的なリスクは最も少ない。しかしこの案は最初に斥けられた。イスラエルとシリアの間では今もゴラン高原を巡る紛争が続いている。しかもシリアは地域の軍事大国であり、同国上空を通過すれば全面戦争に拡大する恐れがあった。

  残るトルコ上空通過案とサウジアラビア・イラク上空通過案のいずれを選択するか? その結論は明白であった。トルコ上空通過案である。イスラエルとトルコの間には緊密な軍事協力関係がある。トルコはイスラエルから最先端の兵器を買い付け、その見返りとしてイスラエルの軍用機が自国の上空を通過することを認めているのである。なぜ緊密な軍事関係が生まれたのかは複雑な外交的要素が絡み合い一言で説明するのは難しいが、単純化して言うなら、イスラエルもトルコも親米国であり、またイランはイスラエルにとって敵であると同時にトルコにとっても潜在的な脅威だと言うことである。つまりイスラエルの敵が同時にトルコの敵なら「敵の敵は味方」と言う訳である。

  さらに戦闘機への空中給油の点でもトルコルートは都合がよかった。どのルートも戦闘機の行動半径1,700キロメートルを超えており、任務終了の帰途どこかで給油しなければならない。トルコルートであればトルコ領空を越え地中海の公海上に達した時に給油すれば何ら問題は発生しない。しかしサウジアラビア-イラク・ルートであればアラビア半島の上空で給油しなければならずリスクが高い。こうしてイスラエルはトルコルートを選択したのである。イスラエルはイランに最も近いトルコ領内の米軍基地に戦闘機とパイロットを派遣し、秘かにナタンズ爆撃の模擬演習を重ねた。今朝飛び立った3人のパイロットもこの秘密訓練を受けたのである。こうしてナタンズ爆撃の準備は着々と進んだ。

  そのようなときに突然予期せぬ事件が発生した。ガザ地区のパレスチナ人のための救援物資を積み地中海を南下中のトルコ船籍の小型船がガザ沖合でイスラエルの臨検を受けた。その時イスラエル側の発砲により9人のトルコ人が死亡したのである。トルコ船が積んでいた物資は食料、医薬品、衣料などあくまでも人道的な支援物資であった。しかしイスラエルは武器弾薬があるに違いないと邪推し臨検を行ったことから悲劇が発生した。

  イスラエルは国内ではパレスチナ過激派ハマスのゲリラ活動に脅かされ、国外では近隣アラブ諸国やイランからの外交的非難に晒され続けている。このためイスラエル政府と軍部強硬派は常に被害妄想に駆られているが、一方では四度の中東戦争の成功体験が自信過剰を生んでいる。かれらにはこのような矛盾した感情が奇妙に同居しているのである。彼らの心の中に矛盾した感情が少しずつ沈殿し、今では尋常な精神を失いつつある。そのことが今回の事件を引き起こしたと言えよう。

  トルコ国内ではイスラエル非難の声が猛然と高まった。イスラム政党が政権を握った数年前からトルコの世論はパレスチナ人を擁護しイスラエル政府を非難する論調が目立ち始めたが、今回それが一気に火を噴いたのである。実はこの事件の数か月前にトルコ国民の感情を逆なでするような或る小さな事件が発生していた。それはイスラエルがトルコ国内で放映されたテレビ番組にクレームをつけ公式な謝罪を求めた事件である。

  他国の放映番組で自国が侮辱されたとして相手国の大使に講義を申し入れることは珍しくない。この時もイスラエルに駐在するトルコ大使は外務副大臣に呼び出され彼の執務室を訪れた。部屋に入ると既にイスラエルの報道陣が控えており、またテーブルの上にはイスラエルの国旗だけが置かれていた。このような場では報道陣は写真を撮ると直ぐに退席するのが普通であり、またテーブルには両国の国旗を飾るのが外交儀礼である。

  大使は一瞬いぶかしく思ったが、さほど気にも留めず低くゆったりしたソファーに身を沈めた。副大臣は背の高い事務椅子に傲然と座り、低いソファーのトルコ大使を見下ろすポーズを取りながら居並ぶ報道陣にヘブライ語で滔々と演説をはじめた。ヘブライ語を理解できないトルコ大使は穏やかな外交スマイルで副大臣の話が終わるのを待っていた。彼は副大臣が報道陣にとんでもない説明をしていることを知る由もなかった。もしトルコ大使が多少ともヘブライ語を理解することができ、或いはイスラエル外務省の副大臣が英語でしゃべっていれば大使は間違いなく憤然と席を立って抗議の意思を示したであろう。

  副大臣はトルコ大使に人差し指を突き出しながらヘブライ語で、「トルコは自国で放映された反ユダヤの番組を深く恥じ、このように謝罪に訪れたのである。」と居丈高に言い放ったのである。翌朝このニュースがテレビで報道され副大臣の発言内容が明らかになるとトルコ世論は激高し、副大臣発言は両国間の外交問題に発展した。さすがのイスラエルも副大臣の非礼を認めて謝罪した。こうして問題は表面上鎮静化したが、トルコ国民にイスラエルに対する強い反感を残したのである。

  外務副大臣の放言事件とガザ救済船によるトルコ人殺害事件。この二つの事件によりイスラエルとトルコの関係は修復しがたい状況になった。イスラエルはトルコ上空通過によるイラン爆撃をあきらめ、リスクの高いサウジアラビア・イラク上空通過ルートに変更せざるを得なくなったのである。

(続く)

(この物語はフィクションです。)

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BPエネルギー統計2010年版解説シリーズ:天然ガス篇(3)

2010-07-12 | その他

(注)本シリーズ1~6は「マイライブラリー」に一括掲載されています。

BPが毎年恒例の「BP Statistical Report of World Energy 2009」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量等のデータを抜粋して解説したものである。

3.世界の天然ガスの消費量

(1) 地域別・国別消費量

 2009年の世界の天然ガス消費量は2兆9,404億立方メートル(以下㎥)であった。前年の消費量はBP統計史上初めて3兆㎥を突破したが、09年は前年比1.7%減少し再び2兆㎥台に逆戻りした。地域別では欧州・ユーラシアが1兆586億㎥と最も多く全体の36%を占めている。これに次ぐのが北米(8,109億㎥、28%)であり、これら2地域だけで世界の天然ガスのほぼ3分の2を消費している。3番目に多いのがアジア・大洋州4,966㎥(17%)で、その他の地域は中東3,456億㎥、中南米1,347億㎥、アフリカ940億㎥であった。アフリカの天然ガス消費量は世界全体の3%で、欧州・ユーラシアの12分の1に過ぎない。(図「2009年地域別天然ガス消費量」http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-3-95aGasConsumptionByRe.gif  参照)

  次に国別に見ると、最大の天然ガス消費国は米国であり、同国の2009年の消費量は6,470億㎥であった。これは全世界の22%に相当する。第2位はロシア(3,900億㎥、13%)、これに続くのがイラン(1,320億㎥)、カナダ(950億㎥)、中国(890億㎥)である。6位以下には日本(870億㎥)、英国(870億㎥)、ドイツ(780億㎥)、サウジアラビア(770億㎥)、イタリア(720億㎥)が名を連ねている。(表「国別天然ガス消費量ベスト20(2009年)」http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/1-D-3-95bGasConsumptionByCountry2009.xps 参照)  

(2)天然ガス消費量の推移

 1970年に9,868億㎥であった天然ガスの消費量は、2008年まで常に前年を上回って増加している。1971年には1兆㎥、1991年に2兆㎥を超え、2008年にはついに3兆㎥の大台を超えた(但し2009年は3兆㎥を割り込んだー上述)。

  石油の場合は第二次オイルショック後の1980年から急激に消費量が減った例があり、価格が高騰すれば需要が減退すると言う市場商品としての現象が見られる。しかし天然ガスの場合は輸送方式がパイプライン或いはLNGの形であり、生産国と消費国が直結している点が石油とは異なっている。そしてこれら輸送施設を整備するために多くの時間とコストを必要とする反面、一旦設備が稼動すると長期かつ安定的に需要が伸びる傾向がある。天然ガスの消費量が2008年まで一貫して増加しているのはこのような天然ガスの特性によるものと考えられる。

  上図「地域別天然ガス消費量の推移(1970~2009年)」は、全世界及び欧州・ユーラシア、北米、アジア・大洋州をはじめとする6地域の消費量の推移を見たものである(拡大図はhttp://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-3-95cGasConsumptionByRe.gif)。地域毎の生産量の推移にはいくつかの大きな特徴が見られる。1970年の世界の天然ガス消費量のうち65%は北米、29%を欧州・ユーラシアが占めており、その他アジア・大洋州、中南米、中東及びアフリカを合わせてもわずか6%にすぎなかった。その後、北米の消費量の伸びが小幅にとどまったのに対して、欧州・ユーラシア地域は急速に消費が拡大し、1981年には北米を追い抜いている。そして1980年半ばから1990年初めまでは世界全体の消費の50%を同地域が占めていた。同地域の消費量は2001年に1兆㎥を超えたがその後は横ばい状態である。これに対してアジア・大洋州の消費量は急速に伸びているため、欧州・ユーラシア地域の世界全体に占める割合は徐々に低下し2009年は36%となっている。

  アジア・大洋州の1970年の消費量は146億㎥であり中南米(181億㎥)、中東(162億㎥)より少なかったが、1980年頃から増加傾向が顕著となり特に90年以降は消費が急激に増大している。同地域の2000年の消費量は2,926億㎥であり世界全体の12%を占めた。そして2009年には他の地域が軒並み前年より減少した中で、アジア・大洋州は唯一消費が伸びており(4,966億㎥)、シェアも17%に達している。

  北米、欧州・ユーラシア及びアジア・大洋州の地域の違いは先に述べた輸送設備の拡充が消費の増大をもたらすことの証しであると言えよう。即ち北米では1970年以前に既に主要なパイプラインが完成していたのに対し、欧州・ユーラシアでは旺盛な需要に対応して1970年以降ロシア方面から西ヨーロッパ向けのパイプラインの能力が増強されている。この場合、パイプラインの増設が西ヨーロッパの更なる需要増加を招く一方、ロシア及び中央アジア諸国などの天然ガス生産国では新たなガス田の開発が促進され、相互に呼応して地域全体の生産と消費を押し上げる相乗効果もあったと考えられる。そしてアジア・大洋州の場合は、日本が先陣を切ったLNGの利用が、韓国、台湾などに普及し、また中国もLNG輸入を開始したことにより地域における天然ガスの消費が拡大している。

(3)日本、中国及びインドの消費量の推移(1965~2009年)

(図「日中印の天然ガス消費量の推移(1965~2009年)」http://menadatabase.hp.infoseek.co.jp/2-D-3-95dGasConsumpInJapanC.gif参照)

  1965年の日本、中国及びインドの天然ガスの消費量はそれぞれ17億㎥、11億㎥、2億㎥と欧米に比べ非常に少なかった。1970年代に入り日本と中国はほぼ同じ様なペースで増加したのに対し、インドの消費量は1980年初めまで低調に推移した。日本の場合は1977年以降急激に増え1979年には200億㎥を突破、更に1988年に400億㎥、1996年に600億㎥、2006年には800億㎥とほぼ10年で200億㎥ずつ増加した。

  一方中国は1980~90年代は年間200億㎥以下で推移し、90年代後半には一時インドにも追い抜かれた。しかし2000年以降は毎年驚異的に増加し、2000年の245億㎥から2005年にはほぼ2倍の468億㎥となった。さらに2009年には887億㎥に達し消費が伸び悩んだ日本(874億㎥)を追い抜いた。インドの消費量も1980年以降は順調に伸び、2009年には500億㎥を突破、日本、中国の6割強にまで成長している。

  天然ガスは石油に比べて炭酸ガスや有害物質の排出量が少ない「環境に優しいエネルギー」として今後ますます需要が拡大することは間違いない。世界的にも新しいパイプラインやLNGの搬出・運搬・受入設備が増強されている。また石油の可採年数が46年に対して天然ガスのそれは63年であり(本シリーズ石油篇及び天然ガス篇第1回参照)、天然ガスの開発と生産拡大の余地は大きく、今後消費拡大のペースは続くものと思われる。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(7月12日)

2010-07-12 | 今日のニュース

・アブダビ、BPの救済投資に消極的姿勢

 

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荒葉一也SF小説「イスラエル、イランを空爆す」(1)

2010-07-12 | 中東諸国の動向

未明の出撃

 2010年某月某日未明、イスラエルの空軍基地から3機のF16I戦闘機が東に向けて飛び立った。通常の訓練飛行或いは作戦訓練であれば西の地中海上空に向かうはずである。東へ向かえば数十分で隣国ヨルダンの国境を越え、さらにはサウジアラビア或いはイラク上空に達する。それは明らかな領空侵犯である。

  しかし3機は離陸後ぐんぐん上昇し、高度1万メートルに達すると水平飛行に移り迷うことなく進路を真東にとった。高々度で巡航し目標地点が近くなれば低高度で侵入、任務終了後再び高々度に上昇して基地に帰還する予定である。作戦用語でいわゆる「Hi-Lo-Lo-Hi(ハイ・ロー・ロー・ハイ)攻撃」と呼ばれるものである。機内の全地球測位システム(GPS)と機体に装着したレーザー誘導爆弾(LGB)「バンカーバスター」にセットされた攻撃目標はイランの首都テヘランの南200マイルにあるナタンズ。目標までの距離は約2,000KM。ナタンズの地下十数メートルの壕には数千基の遠心分離機によって濃縮ウランが製造されている。イランの核開発施設の中で最も需要な施設の一つである。

  イランの核関連施設にはナタンズの他にウラン遠心分離に必要な六フッ化ウランを生産する施設がイスファハンにあり、またアラクに重水プラント及びプルトニウム生産炉がある。これら三つの施設が総合的に結びつけば、イランは米英仏露中の五大国及びインド、パキスタン、北朝鮮に次ぐ世界9番目の核兵器保有国となることができる。否、イスラエルが核兵器を保有していることは公然の秘密であるから、イランは10番目の核保有国となる。イスラエル自身は核兵器を保有していることを否定も肯定もしない。思わせぶりな態度を取ることがむしろ周辺アラブ・イスラム諸国に対する無形の圧力となっている。イランの核開発を座視すればイスラエルは自国の優位性を失うことになる。

  そのようなことはイスラエル軍部、そして「イスラエル我が祖国」に代表される右翼国粋主義者達にとって耐えられないことである。彼らはユダヤ人が人類史上最も優秀な民族であると固く信じている。欧米の白人には一目置くもののアラブ人などは劣等民族としか考えていない。数次にわたる中東戦争で彼らを完膚なきまでに叩きのめしたことでそのことは証明済である。ペルシャ人やトルコ人とてもアラブ人と五十歩百歩なのであり、イランごときが自分たちと同じ立場に立つのは我慢ならないのである。

  イスラエル軍部は焦っている。黒人系のオバマが米国大統領に選ばれた前後からパレスチナ和平問題に対する風向きの変化を思い知らされている。「イスラエルロビーとアメリカの外交政策」と題する本がベストセラーになった。かつてならこのようなイスラエル批判本を出版することなど考えられなかった。もしそのような動きを察知すればイスラエルロビーはすぐに米国内の全てのメディアに圧力をかけて出版を水際で差し止め、さらに著者を社会的に抹殺した。言論弾圧とか人権侵害などと言わせぬ巧妙な手段でメディア操作をしたのである。しかし今や彼らの力は目に見えて衰えつつある。ただ一つ今も有効なのは議員に対する圧力だけと言える。選挙区の評判を気にする議員にとって結束力と行動力に秀でたユダヤ人団体は何よりも強い味方である一方、敵に回すと落選の憂き目を見る恐ろしい相手である。

  イスラエルが焦っている理由は米国の国内事情だけではない。世界のあらゆる政府の目が中東和平と言う国際政治問題から遠のき、景気の回復、金融システムの安定と言った国際経済問題に移っている。今や中東和平問題は世界の地域問題の一つに過ぎないことがはっきりしてきたのである。客観的に見れば現代の中東和平問題はイスラエル政府によるパレスチナ人弾圧問題であり、世界中どこにでもある国内少数民族問題と同程度の問題なのである。他の地域の少数民族問題と異なるのは米国というスーパーパワーが常にイスラエル政府を背後で支えていることであり、一方ではそのような米国に反発する勢力がこの問題を利用していることである。その勢力とはかつてはソ連をバックとするアラブ民族主義運動であり、現代ではイスラム主義運動である。

  しかしナタンズ爆撃に向かうイスラエル空軍パイロットにとってはそのような政治や経済の問題など無関係である。今彼らの心は高ぶっている。何しろイスラエル空軍が他国に出撃するのは久しくなかったことである。最近で言えばイラクの核疑惑施設空爆とレバノン南部のヒズボラーキャンプ攻撃があるが、いずれも近距離の隣国であり、本格的な長距離爆撃は1973年の第四次中東戦争以来である。

(続く)

(この物語はフィクションです。)

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