石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(3月11日)

2015-03-11 | 今日のニュース

・サウジアラビア、2月の原油輸出量676万B/Dの高水準。アジア向けが58%

・OPEC、6月総会でも生産枠堅持の方針:クウェイト代表談

・アッティヤ・カタール元石油相:油価年末には60ドルに。70ドル回復には数年かかる

 

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五大国際石油企業2014年度業績速報シリーズ(10) 7カ年売上比較

2015-03-11 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポート1~13回は「マイライブラリー(前田高行論考集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0337OilMajors2014.pdf

 

 

III. 7カ年(2008-2014年)業績推移の比較
 ここでは2008年から2014年までの過去8年間の5社の業績の推移を比較検討する。因みに2008年は年央にBrent原油の価格が史上最高の147ドル(バレル当たり)を記録、また年間平均価格も97ドルに達して石油5社が過去最高の業績を示した年である。

1.売上高
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-06.pdf 参照)
 2008年の売上高トップはExxonMobilの4,774億ドルでありShellが僅差の4,709億ドルの第2位であった。そして売上高第3位はBP(3,611億ドル)で、ChevronとTotalは2,730億ドル及び2,647億ドルであった。5社の順位は2008年から2012年までの5年間はExxonMobilがトップであったが、その後2013年および2014年はShellの売り上げがExxonMobilを上回っている。ただし両社の差は小さくBP、ChevronおよびTotalの3社とはかなりの差がある。7年間を通じてBPはExxonMobil、Shellの8割前後であり、Chevron、Total2社はトップ2社の5割強の水準で推移している。

 年毎に見ると2009年は各社とも前年比で大きく落ち込んでいる。これは2008年に原油価格が史上最高値となったが、同年9月にリーマン・ショックが発生、世界景気が一気に冷え込んだためである。2009年の原油平均価格は前年比で4割近く下落、販売量も落ち込んだため各社の売上高はExxonMobil35%減、Shell40%減、BP34%減など軒並み30%以上の大幅な減収となった。

 2010年以降は原油価格が持ち直し各社とも売り上げは回復、2011年には年間平均価格が100ドル(Brent)を超えたためExxonMobil、Shell、BPの3社は2008年をしのぐ売上高となり、Total、Chevronもほぼ元に戻っている。2012年から2013年にかけてはBP、Totalは横ばいで、その他3社は5~10%程度の減収となった。しかし2014年には全社ともに前年比7%前後の減収となっている。これは2014年後半から石油価格が急激に下落したことが大きな要因である。

2008年の売上高を100とした場合、2014年の各社の売上高はExxonMobil86、Shell92、BP98、Total89、Chevron78といずれも2008年の水準を下回っている。現在石油価格は2014年前半の半値以下となり価格回復の足取りも鈍いため2015年の各社売上高がさらに落ち込むことは避けられないであろう。

(続く)

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 前田 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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