石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(11月12日)

2019-11-12 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・イラン、埋蔵量530憶バレルの巨大油田発見:大統領が明かす。 *

*「BPエネルギー統計2019年版解説シリーズ石油篇」参照。

(中東関連ニュース)

・トルコ、収監中のIS戦闘員本国送還手続き開始。米国人1名は送還済み、英独仏人は問題含み

・オマーン国王、サウジ国防副大臣と会談

・ヨルダン、イスラエルからリース土地取り戻す。国王が視察

・サウジアラムコ、幹部・社員の報奨用に10億ドルの株買戻し。IPO目前に異例の対応

・サウジ、73人のプレミアム居住ビザ発行。一時金80万リアルで永久ビザ取得可

・サウジ首都のライブ舞台に刃物の男が乱入、4人刺される。SNSに生々しい投稿

・ドバイ:ブルジュ・ハリーファ経営の大手不動産Emaar、7-9月期の利益3.62憶ドルに

 

 

 

 

 

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生産量は増えても売上・利益は減少:五大国際石油企業2019年7-9月期決算速報(4)

2019-11-12 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0483OilMajor2019-3rdQtr.pdf

 

 

2.2018年第3四半期以降の四半期別業績の推移

五社の売上高、利益(全体、上流部門および下流部門)、設備投資、原油・天然ガス生産量に関する2018年7-9月期以降今期までの四半期ごとの業績推移は以下の通りである。

 

(1) 売上高の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)

 2018年第3四半期から2019年第3四半期に至る四半期ベースの売上高の推移は、この間の原油価格の変動と密接に関連している。ブレント原油の価格は2018年第3四半期の平均で1バレル75.16ドルであった。しかし第4四半期は68.81ドルに急落、今年第1四半期も63.13ドルに下落、下落幅は2期連続して8%以上を記録した。第2四半期は68.86ドルに回復したが、第3四半期には再び62.00ドルに下落、過去1年間で最低の水準に落ち込んでいる。

 

 ExxonMobil、BP及びChevronの売上高は上記の価格変動をそのまま反映しており、Shellは昨年第4四半期は油価の下落にもかかわらずわずかながら増収となったが、しかしそれ以降は油価の動きと軌を一にしている。Totalだけは過去1年間を通じて油価の変動に関係なく連続して売上が減少している。

 

各社の四半期ごとの推移を見ると売上高が最も多いShellは1,002億ドル(’18 3rd Qtr)→1,022億ドル(4th Qtr)→857億ドル(’19 1st Qtr)→918億ドル(2nd Qtr)→895億ドル(3rd Qtr)であり他の四社を大きく引き離してトップを維持している。ExxonMobilとBPは全期を通じて殆ど差が無く、BPは795億ドル(’18 3rd Qtr)→757億ドル(4th Qtr)→663億ドル(’19 1st Qtr)→727億ドル(2nd Qtr) →683億ドル(3rd Qtr)、またExxonMobilは766億ドル(’18 3rd Qtr)→719億ドル(4th Qtr)→636億ドル(’19 1st Qtr)→691億ドル(2nd Qtr) →650億ドル(3rd Qtr)であった。売上高4位のTotalは547億ドル(’18 3rd Qtr)→525億ドル(4th Qtr)→512億ドル(’19 1st Qtr)→512億ドル(2nd Qtr) →486億ドル(3rd Qtr)と毎期減少しており、今期は昨年同期に比し1割の減収であった。売上高が最も少ないChevronは440億ドル(’18 3rd Qtr)→424億ドル(4th Qtr)→352億ドル(’19 1st Qtr)→389億ドル(2nd Qtr)→361億ドル(3rd Qtr)であり、昨年は400億ドル台を維持したものの、今年は300億ドル台に転落している。

 

(2)利益の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)

 過去1年間の四半期ごとの利益水準は各社によって異なりChevron以外の各社は期毎に利益の振れ幅が大きい。

 

5社の中ではShellは58億ドル(’18 3rd Qtr)→56億ドル(4th Qtr)→60億ドル(’19 1st Qtr)と昨年年初から今年初めまでコンスタントに60億ドル前後の利益を計上している。前期は利益が30億ドルに半減、今期はV字回復を遂げて59億ドルであった。同社は前期以外は60億ドル弱の利益を確保しており、5社の中では安定した高い利益水準を維持している。ExxonMobilの昨年第3四半期及び第4四半期は62億ドル、60億ドルと5社で最も高い利益を誇っていたが、今年第1四半期は一転して24億ドルに急減、その後前期、今期と30億ドル強の利益にとどまっている。

 

BPとTotalは今年の第1四半期までは同じような利益変動の曲線を描いていたが、Totalが今年に入り3期連続で30億ドル前後の安定した利益を計上しているのに対し、BPは今年第1四半期以降利益が急激に低下し、今期はついに7億ドルの欠損になっている。Chevronは40億ドル(’18 3rd Qtr)→37億ドル(4th Qtr)→26億ドル(’19 1st Qtr)→43億ドル(2nd Qtr) →26億ドル(3rd Qtr)と5社の中では比較的安定している。

 

(3)売上高利益率の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)

 1年前の昨年第3四半期の五社の利益率はChevronが9.2%と最も高く、次いでExxonMobil 8.1%、Total 7.2%、Shell 5.8%と続き、BPは最も低い4.2%にとどまっている。Chevronの利益率はその後も8.8%(4th Qtr)→7.5%(’19 1st Qtr) →11.1%(2nd Qtr) →7.1%(3rd Qtr)と高い水準を維持して常に5社のトップである。

 

 一方5社の中で利益率が最も低いのはBPであり、昨年第3四半期以降も4.2%(’18 3rd Qtr)→1.0%(4th Qtr)→4.4%(’19 1st Qtr) →2.5%(2nd Qtr)にとどまり、今期は5社中で唯一マイナス1.1%を記録している。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

 

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