石油と中東

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(102)

2024-01-12 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第4章:中東の戦争と平和(16)

 

102 アフガン戦争勃発:呉越同舟の米国とアラブ(2/5)

 この内戦で反政府勢力の中心となったのが「ムジャヒディン」である。「ムジャヒディン」とはイスラームのジハード(聖戦)戦士を意味する現地語である。イスラーム・ジハードを掲げるムジャヒディンにとって無神論を唱える共産主義は「悪の権化」とも言える存在である。ムスリム(イスラム教徒)にとって共産主義はキリスト教やユダヤ教よりも認めがたい。

 

ムスリムたちは「キリスト教のGodもユダヤ教のエホヴァも自分たちが信ずるアッラーと同じ唯一の存在(神)である」と信じている。三大一神教最後発のイスラームにとって「唯一神のアッラーはGodやエホヴァと同じ。なぜなら神は唯一の存在だから」である。

 

ついでに言うならムスリムは旧約聖書に出てくる預言者が最初の預言者であり、キリストは最後から二番目の預言者、そしてムハンマドが最後の預言者であると考える。キリスト教ではキリストは神の子であるが、イスラームでは神が子供を生むことは無く、キリストはあくまでも預言者の一人ということになる。そして一神教徒すべてがそうであるように彼らは複数の神は認めない。従って彼らにとって古代ギリシャの多神教は邪教であり、日本古来の「八百万の神」などは野蛮人の信仰と映る。それでも少なくとも「神」の存在を前提としている点で彼ら一神教徒はかろうじて多神教徒を理解或いは容認できるのである。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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