スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、bp、TotalEnergies及びChevron)の4-6月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益、売上高利益率、設備投資、キャッシュフロー及び石油・天然ガス生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに過去2年間の各社四半期決算の推移を検証する。
なお過去の四半期業績及び2010年から2023年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html
http://mylibrary.maeda1.jp/oil.html
- 各社の業績概要
表1-D-4-22a「2024年4-6月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。
表1-D-4-22b「2024年4-6月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。
表1-D-4-22c「2024年4-6月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。
(利益は前年同期比17%増の92億ドル、石油・ガス生産量も前期比二桁増!)
- ExxonMobil
プレスリリース:
(1)売上・利益・利益率
ExxonMobilの2024年4-6月期は売上高931億ドル、利益92億ドルで売上高利益率は9.9%であった。前期(2024年1-3月期)との比較では、売上高、利益共に12%増であり、また前年同期(2023年4-6月期)比では売上は12%増、利益は17%増である。
売上高及び利益が共に大きく増加したのは原油及び天然ガスの生産量が増えたこと及び価格がアップしたことが要因である。ExxonMobilは昨年、米国独立系企業Pioneer Natural Resourcesを買収しており、またガイアナでの生産増強を行ったことにより、原油・天然ガスの生産が大幅にアップしている(下記参照)。原油価格についてはBrent原油は前年同期に比べ9%、前期に比べ2.2%アップしたことが売上及び利益を押し上げている。
(2)キャッシュフロー及び設備投資
今期の営業キャッシュフローは106億ドル、投資キャッシュフローは▲49億ドルであり、フリーキャッシュフローも49億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲126億ドルであり、この結果、6月末のキャッシュフロー残高は265億ドルとなっている。
ExxonMobilの4-6月期設備投資は70億ドルであった。
(3)原油・天然ガス生産量
ExxonMobilの4-6月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油298万B/D、天然ガス82億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は436万B/Dである。前期と比較すると原油は17%、天然ガスは12%増加しており、原油に換算した合計生産量も前期の378万B/Dから15%の大幅増加となっている。
(続く)
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