(英語版)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(40)
第16章 「国境の南」作戦(3)サウジ空軍の出撃(1/3)
「最初に我々が見逃した3機はどうなるのでしょう。」
誰しも薄々わかっているはずのドラマの結末を聞きたがった。
「イスラエル空軍はイラン空軍より格段に優れている。戦闘機もパイロットもだ。だから彼らは目標を爆撃しイランの領空を無事脱出するだろう。」
「しかしその時彼らは親鳥が迎えに来られないことを知る。彼らには帰投するだけの燃料は無い。燃料が底をつき次第に弱る仔鳥たちの運命がどうなるのか。それはアラーのみがご存じであろう。インシャッラー。」
司令官の言葉に笑う者は誰もいなかった。イスラエルが自分たちの作戦の罠にはまったことに快哉を叫びたい気持だった。しかしその一方で敵とは言え彼らも自分たちと同じパイロットである。任務を遂行したにもかかわらず燃料切れで帰投できず、アラビア上空をさまよった挙句、砂漠か海に不時着することは間違いない。それを想像すると笑ってすますことなどできなかった。パイロットとしての奇妙な仲間意識とでも言うのであろう。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
(アラビア語版)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(40)
第16章 「国境の南」作戦(3)サウジ空軍の出撃(1/3)
「最初に我々が見逃した3機はどうなるのでしょう。」
誰しも薄々わかっているはずのドラマの結末を聞きたがった。
「イスラエル空軍はイラン空軍より格段に優れている。戦闘機もパイロットもだ。だから彼らは目標を爆撃しイランの領空を無事脱出するだろう。」
「しかしその時彼らは親鳥が迎えに来られないことを知る。彼らには帰投するだけの燃料は無い。燃料が底をつき次第に弱る仔鳥たちの運命がどうなるのか。それはアラーのみがご存じであろう。インシャッラー。」
司令官の言葉に笑う者は誰もいなかった。イスラエルが自分たちの作戦の罠にはまったことに快哉を叫びたい気持だった。しかしその一方で敵とは言え彼らも自分たちと同じパイロットである。任務を遂行したにもかかわらず燃料切れで帰投できず、アラビア上空をさまよった挙句、砂漠か海に不時着することは間違いない。それを想像すると笑ってすますことなどできなかった。パイロットとしての奇妙な仲間意識とでも言うのであろう。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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