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(目次)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(12)
第三章 パイロットのもう一つの敵 (3/3)
イスラエル国内に戦闘機部隊を無用の長物とみなす意見が拡がった。さらにイスラエル空軍パイロットを脅かす別の兆候がイスラエル国内にもあった。無人爆撃機の開発である。IT産業の発達したイスラエルではIT技術を軍需産業に応用する研究も盛んである。その一つとしてパイロットを必要としない低コストの無人爆撃機の開発が進められ、既に実用段階に達しつつあった。
戦闘機による有人爆撃は限定的なものとなりつつあった。中東戦争で活躍し今は指導教官となっている先輩パイロットはもとより現役パイロット達の焦りの色は濃くなり、戦闘機部隊の存在感をアピールする必要があった。今回のイラン空爆は焦燥に駆られた空軍のごり押しとも言える作戦計画の結果であった。幹部の中には今回のイラン作戦が最期の有人爆撃になるかもしれないと覚悟した者もいたのである。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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