石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(3/8-3/14)

2020-03-14 | 今週のエネルギー関連新聞発表

3/9 出光興産

シェルブランド潤滑油事業の譲渡に関する協議開始のお知らせ  

https://www.idss.co.jp/content/100030752.pdf

 

3/11 Saudi Aramco

Ministry of Energy directed Saudi Aramco to raise maximum capacity

https://www.saudiaramco.com/en/news-media/news/2020/aramco-to-raise-maximum-capacity

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石油と中東のニュース(3月12日)

2020-03-12 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(コロナウィルス関連ニュース)

・WHO、パンデミックを宣言

・トルコで初の感染者発生

・カタール感染者数238人、イラン、1日で過去最高の63人死亡。サウジG20関連会議2件も延期


(石油関連ニュース)

・米国業者の減産期待で石油価格反騰。Brent $38.48, WTI $35.27

・サウジ、最高原油生産能力を4月から1,300万B/Dに引き上げ。露米を抑えシェア競争突入。 *

UAEも4月から400万B/Dに増産。 **

*グラフ:サウジ/米/露の原油生産量推移(2017年1月~)

**グラフ:UAEの原油生産量(2017年1月~)


(中東関連ニュース)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サウジアラビアを危うくする二人の王子:皇太子と石油相 (上)

2020-03-11 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0498TwoSaudiPrinces.pdf 
 

(英語版)

(アラビア語版)

まえがき

 現在のサウジアラビアで華々しく活躍している王子と言えば、ムハンマド皇太子とアブドルアジズ石油相である。父親は共にサルマン国王だが、二人は母親の異なる異母兄弟である。1985年生まれのムハンマド(ムハンマド・ビン・サルマンの頭文字をとり通称MbSと呼ばれる)は1960年生まれのアブドルアジズより若いが、国王の寵愛を受け実質的な最高権力者として同国に君臨している。
(サルマン国王家々系図:http://menadabase.maeda1.jp/3-1-7.pdf 参照)  
二人は現在危険な賭けに手を染めている。ムハンマド皇太子の賭けは叔父と従兄弟の3人の王族を反逆罪で拘束し自らの強権体制をさらに強固にしようとしていることである。他方、アブドルアジズ石油相の賭けはこれまで維持してきたロシアとの協調減産体制を捨て、新型コロナウィルス問題で世界経済が悪化し石油消費の減退が明らかであるにもかかわらず、増産に転じ米国のシェールガス・オイル企業と市場シェアを競う不毛なチキンレースに飛び込んだことである。二人の賭けは極めて危険なものであり、万一舵取りを誤れば自らの地位が危ういばかりでなく、サウド家さらにはサウジアラビアそのものを窮地に追いやりかねない。

Part 1. ムハンマド皇太子の賭け

 2月6日、Wall Street Journal(WSJ), New York Times及びBloombergがサウド家王族の逮捕を相次いで報道した。3紙の報道を総合すると、逮捕されたのはサルマン国王の実弟アハマド王子、実兄故ナイフ内相の息子(つまり国王の甥)ムハンマド王子及びナワーフ王子の3名である。ムハンマド皇太子から見れば叔父と従兄弟たちということになる。サルマン、アハマド及びナイフはハッサ・スデイリ妃を母親とするスデイリ・セブン(スデイリ7兄弟)として有名である。因みに長兄ファハドは先々代国王、次兄スルタンは先代アブダッラー国王の時代に皇太子となり、また三番目のナイフもスルタン亡き後、皇太子になっている。7人兄弟のうちすでに5人は故人で、存命はサルマン現国王と今回逮捕されたアハマド王子の二人だけである。
(家系図「アブドルアジズ初代国王の王妃とその子息たち」参照)

 メディアは逮捕の理由は反逆罪(treason)、王子たちは自宅に軟禁されていると報じているが、続報はなく真相は闇の中である。しかし一連の逮捕劇の背後にムハンマド皇太子の強い意図が働いているとの見方では一致している。皇太子が現在サウジアラビアの事実上の支配者であることは衆目の一致するところであり、彼の強権的手法がサウジ国内に恐怖政治をもたらしていると言っても過言ではない。しかしイエメン内戦への介入とその泥沼化、あるいはワシントン・ポストのカショギ記者がイスタンブールのサウジ領事館で殺された事件(カショギ事件 )、さらには汚職摘発に名を借りた王族・有力財界人の大量逮捕事件などにより、国内外で皇太子の評判は地に落ちている。そして皇太子が旗を振るVision2030は停滞し 、アラムコの海外での上場見通しも立たず、石油価格の下落により国家財政の危機が取りざたされるなど経済の難問が山積している(石油問題については次項で詳しく触れる)。

 ムハンマド皇太子が身内の王族を逮捕するのは今回が初めてではない。2017年の汚職摘発事件では世界的大富豪として有名なアル・ワリード王子及びアブダッラー前国王の子息ミッテーブ王子(当時国家警備隊相)が逮捕されている。アル・ワリード王子は保釈金60億ドルで釈放されたと伝えられ 、ミッテーブ王子は国家警備隊相を解任された。王子二人を含む大物財界人はいずれも裁判前に釈放されており、政府と何らかの取引があったことは間違いない。アブダッラー前国王の親衛隊とも言える国家警備隊は国防相を兼務するムハンマド皇太子の正規軍に吸収され、軍事面においてもムハンマドは実権を掌握している。

 今回逮捕された3人の王族の顔触れを見ると、アハマド王子は2012年まで実兄のナイフ内相(今回逮捕されたムハンマド及びナワーフ王子の父親)の下で副大臣を務めている。その後は政界の表面に出ることはなかったが、数年前に休暇でロンドン滞在中、西欧メディアに出演し自国のイエメン内戦介入を批判した。これがサルマン国王及びムハンマド皇太子の逆鱗に触れ帰国が危うくなった。釈明により帰国は許されたが、その後は逼塞している。故ナイフの息子ムハンマドは2015年から2017年までサルマン国王の下で皇太子を務めたが2017年6月に皇太子を解任され、サルマン国王の息子ムハンマドと交替させられている。

 2017年と今回の王族逮捕には一つの大きく異なる点がある。サウド王家の家系図(上記)を見てもわかる通り、2017年の逮捕劇は異母兄弟(タラール王子及びアブダッラー前国王)の子息が対象であった。即ちムハンマド皇太子にとって祖母の異なる従兄弟たちである。これに対して今回は祖母ハッサ・スデイリを同じくする叔父と従兄弟たちである。ムハンマド皇太子に自分(及び父親のサルマン国王)の地位を脅かすサウド家王族は血の濃淡に関係なく断罪すると言う冷酷な意思が感じられる。政敵排除に聖域なし、とする恐怖政治が深まったと見るべきであろう。

(続く)


本件に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
荒葉一也
Arehakazuya1@gmail.com 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石油と中東のニュース(3月10日)

2020-03-10 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(石油関連ニュース)

・サウジ/ロシア協議決裂とコロナウィルスで原油価格30%暴落。Brent $35.61, WTI $32.45

・サウジアラビア、顧客に4-8ドル/バレルの値下げを通告

・サウジアラビア、シェア重視で4月生産量1千万B/D超目指す。 

 

*サウジ/米国/ロシア原油生産量の推移(2017.1-2019.12月)グラフ参照。

http://menadabase.maeda1.jp/2-D-2-25.pdf 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石油と中東のニュース(3月8日)

2020-03-08 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(コロナウィルス関連ニュース)

・閑散としたマッカ・カーバ神殿。中東各地で金曜礼拝中止

(石油関連ニュース)

・コロナウィルス、OPEC・ロシア減産決裂重なり原油価格急落。Brent $50.76, WTI $46.64

・OPEC臨時総会、12月末までの150万B/D減産を決議。但しロシアなど非OPECの賛成が条件。 *

*「OPEC+(プラス)の減産強化は持続可能な路線か?」(2019年12月)参照。


(中東関連ニュース)

・サウジ国王の実弟及び故ナイフ内相の子息王子2名をクーデタ容疑で拘束:WSTなど米国メディア報道。 *

・レバノン首相、ユーロ債返済不能のデフォルト宣言

 

*サウド家家系図参照。

アブドルアジズ初代国王の王妃とその子息たち

ナイフ元皇太子家々系図

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

JXTG/出光興産と五大国際石油企業の2019年10-12月期業績比較 (下)

2020-03-07 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

mylibrary.maeda1.jp/0497MajorJxtgIdemitsuOctDec.pdf 

 

(利益水準が低い日系2社、各社の戦略で明暗分かれたメジャー5社の上流部門!)
4.上流・下流部門の業績比較
 JXTG及び出光は元来石油精製事業を専業とし市場も日本国内にとどまっていた。その後、吸収合併を重ね或は事業の多角化を進めた結果、例えばJXTGは日本鉱業の吸収合併により非鉄金属事業が同社の事業の一翼を占めている。また出光は豪州石炭事業或は高機能材などに手を広げている。

 これに比べメジャーズは創業当初から石油・天然ガスの開発生産に取り組み、また世界を相手に事業展開を行うエネルギー専業企業としての長い歴史を有している。JXTG、出光両社も石油天然ガスの開発に取り組んでいるが、メジャーズなど世界のエネルギー企業に比べて大きく出遅れている。

 ここではJXTGについては決算書が示すセグメント別業績の内、エネルギー事業(いわゆる石油下流部門)と石油・天然ガス開発事業(いわゆる上流部門)の営業利益を取り上げ、また出光もセグメント別営業利益の燃料油部門と資源部門をそれぞれ下流あるいは上流部門とみなしてメジャー5社と比較する。

4-1上流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-13.pdf 参照)
日系2社の上流部門の利益はJXTGが768億円(7億ドル)、出光は80億円(7,400万ドル)であった。これに対してメジャー5社の上流部門の利益はExxonMobilが61億ドルと圧倒的に多く、これに次ぐのがBP27億ドル、Total20億ドルである。Shell及びChevronは共に赤字であり、その額は前者が▲8億ドル、後者が▲67億ドルであった。

メジャーズのうちChevronは今期、シェールガス・石油鉱区を積極的に除却し、またShellも天然ガスへの移行を促進するなど上流事業の再構築を行っている。このような戦略の違いが上流部門の今期利益に反映していると考えられる。

4-2下流部門の利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-14.pdf 参照)
日系2社の下流部門の利益は、JXTGが90億円(8,300万ドル)の欠損、出光は213億円(2億ドル)の利益であり明暗を分けている。一方メジャーで下流部門の利益が最も多いのはBPの14億ドル、続いてShell の10億ドルであった。その他3社はいずれも10億ドル未満であり、それぞれExxonMobil9億ドル、Chevron 6.7億ドル、Total 5.8億ドルであった。メジャーズ5社の利益はいずれも出光を上回っており、BPは出光の7倍である。

なお各社の上流部門と下流部門の利益を比較すると、ExxonMobil、BP、Totalのメジャーズ3社とJXTGは上流部門が下流部門の利益を上回っており、Shell、Chevron及び出光は下流部門の利益が上流部門を上回っている。

以上

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

見果てぬ平和 - 中東の戦後70年(27)

2020-03-07 | その他

(英語版)

(アラビア語版)

第3章:アラーの恵みー石油ブームの到来

荒葉 一也
E-mail: areha_kazuya@jcom.home.ne.jp

5.第四次中東戦争と第一次オイルショック(1) 智将サダトの登場
 1967年の第三次中東戦争(6日間戦争)でイスラエルに敗れたナセルが失意のうちに現職大統領のまま心臓発作で亡くなったのは1970年のことで、後を継いだのは副大統領のアンワール・サダトであった。サダトはエジプトの王制を打倒した自由将校団の一員でありでナセルの盟友であった。しかしナセルがカリスマ的指導者としてエジプト国民のみならずアラブ諸国から英雄と称えられたのに比べ、サダトはその陰に隠れて目立たない存在であった。したがってナセルを継いで副大統領から昇格した彼に対する人々の目は厳しく、いずれ他の誰かが大統領に選ばれるまでのショート・リリーフとしか見られていなかった。しかし彼が深慮遠謀の優れた軍事戦略家であり、同時に現実的な政治家でもあることが明らかになる時代が来る。

 第三次中東戦争のあと共通の目標を見失ったアラブ諸国は内部紛争に明け暮れる。戦争直後、ソ連の後ろ盾により南イエメンに共産主義政権が成立(1967年11月)と翌年イラクで無血クーデタが、さらに次の年にはリビアの王制が倒れカダフィ大佐が政権を握った。そしてナセルが死亡した1970年にはヨルダンでPLOとヨルダン政府が激しく対立(「黒い9月」事件)、PLOはレバノンのベイルートに落ち延びていった。さらにシリアでもクーデタが発生、翌年1月にはアサドが大統領に就任する。

 このような中でエジプトのサダト大統領はイスラエルに対する報復の機会を虎視眈々と狙いつつ体制固めを図り、まずソ連軍事顧問団の追い出しにかかった。ナセルの時代にエジプトに深く食い込んだソ連はアラブ諸国への社会主義革命の輸出を画策し、それは南イエメン独立という形で実現した。しかしソ連型社会主義イデオロギーはアラブ諸国に定着しなかった。アラブ世界では生まれて物心が付く前に、すでに部族或いは民族という生まれながらの「血」の絆と幼心に刷り込まれたイスラームという「心(信)」の絆にからめとられている。成長してから学習によって習得する「智(主義思想、イデオロギー)」が入り込む余地はほとんどない。社会主義イデオロギーを「輸入」するなどとはアラブ人たちには及びもつかないことだったようである。

 サダトがソ連の影を薄めようとしたのはもう一つの理由があった。米国製兵器でエジプト軍の装備を近代化することであった。ソ連製の兵器ではイスラエルに到底太刀打ちできない。サダトはソ連の軍事顧問団を追い出すことで米国への接近を図った。戦争に勝つことが最大の使命である軍人は非軍人以上に合理的な思考をするものである。

 サダトは合理的かつ緻密な手法でイスラエルに「一泡吹かせる」戦略を考えた。その戦略とは敵の裏をかいて短期間で戦果を挙げることであった。周囲を敵に囲まれたイスラエルは常に油断を怠らない。さらに実際に戦端を開きそれが長期化するとアラブ側に全く勝ち目が無いことはこれまでの中東戦争で明らかであった。

 そこでサダトはまずイスラエルを油断させる陽動作戦をしかけた。エジプトが攻撃の素振りを見せるとイスラエルは直ちに全国民に動員令を敷いた。これは全くの見せかけでイスラエルは無駄足を踏まされた。この作戦は二度実施され、さすがにイスラエル国内には厭戦気分が生まれた。さらにこれまでの中東戦争で連戦連勝であったイスラエル国民には慢心と油断があった。

 1973年、サダトは隠密裏にシリアにも働きかけ10月6日を期して奇襲攻撃を行うことにした。10月6日には宗教上の大きな意味が二つあった。一つはこの日がユダヤ歴で最も神聖な「ヨム・キプール(贖罪の日)」であったこと、そしてもう一つはイスラーム教徒にとっても神聖な「ラマダン(断食)月」だったのである。世界に名をとどろかせるイスラエル諜報機関すら全く予想だにしないことであった。

 10月6日、エジプトとシリアの二正面作戦により戦いが始まった。この戦争は通常第四次中東戦争と呼ばれているが、アラブ側は「ラマダン戦争」、イスラエル側では「ヨム・キプール戦争」と呼ぶ。イスラム教とユダヤ教の宗教戦争であることを示している。これまでの中東戦争は1948年の第一次中東戦争が「イスラエル独立戦争」、1956年の第二次中東戦争が「スエズ(運河)戦争」、そして1967年の第三次中東戦争は「6日戦争」と呼ばれた。宗教色を明確に持ち出したのは第4次中東戦争が初めてである。アラブ側もイスラエル側もそれぞれの国民に宗教すなわち「心(信仰)」の絆を思い起こさせることが重要だったに違いない。特に奇襲攻撃を受けたイスラエル側は「ヨム・キプール」の日に奇襲を受けたことは国民を鼓舞するに十分だったと思われる。太平洋戦争のハワイ真珠湾攻撃を米国は宣戦布告のない奇襲とし「リメンバー・パールハーバー」を合言葉に米国民の戦意を駆り立てたのと似た構図である。

 奇襲攻撃緒戦のエジプト・シリア合同軍は破竹の勢いであった。しかしサダトはアラブ側の優勢が長続きしないことを覚悟していた。そのため彼はもう一つの作戦を立てた。アラブ産油国を巻き込み石油を武器に欧米やアジアの石油消費国をアラブの味方につけること、それが無理としても少なくともイスラエルと欧米の間に楔を打ち込むことであった。
 (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石油と中東のニュース(3月6日)

2020-03-06 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil
(コロナウィルス関連ニュース)

・サウジ、マッカとマディナのモスクを夜間閉鎖

・イラン、全土で金曜礼拝を禁止

(石油関連ニュース)

・OPEC、4-6月150万B/D追加減産を決議、難色示すロシアと今日合同協議

・追加減産報道で原油価格上昇。Brent $52.77, WTI $48.21


(中東関連ニュース)

・ロシアとトルコ、シリア北部停戦で合意。幅12KMの安全地帯設置、15日から共同パトロール

・ギリシャ、トルコからの越境難民35,000人の入国を阻止、強制送還

・イラク首都グリーンゾーンにカチューシャロケット砲3発着弾

・金融危機のレバノン、銀行20行の資産を凍結。ユーロ債12億ドル償還、9日に迫る

・サウジ、経済相を更迭、財務相が兼務。 *

 

*「サウジアラビア閣僚名簿」参照。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

JXTG/出光興産と五大国際石油企業の2019年10-12月期業績比較 (中)

2020-03-05 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0497MajorJxtgIdemitsuOctDec.pdf


(Shellの売上高はJXTGの4倍、出光の6倍!)
1.売上高 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-10.pdf 参照)
2019年10-12月期のJXTGの売上高は2兆5,441億円、出光は1兆5,606億円である。これをJXTGは1ドル=109円、出光は1ドル=108.7円で換算すると(換算レートは各社の決算説明資料から引用、以下同様)、JXTGは233億ドル、出光は144億ドルとなる。

これに対してメジャーズ5社の同期の売上高は最も多いShellが851億ドル、ついでBP 711億ドル、ExxonMobil 672億ドル、Total 493億ドル、Chevron 364億ドルである。JXTGはメジャーズ最大のShellの4分の1であり、出光は6分の1にとどまっている。メジャーズの中で最も売上高が少ないChevronと比べてもJXTGは6割強、出光は4割弱である。売り上げ規模で見れば日本企業と欧米企業の差は大きい。

(ExxonMobil、Totalに比べ大きく見劣りする日系2社の利益!)
2.純利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-11.pdf 参照)
 JXTGの10-12月期の純利益は535億円(4.9億ドル)であり、出光の純利益は196億円(1.8億ドル)であった。一方メジャーの同期間の利益はExxonMobilが57億ドル、Total 26億ドル、Shell 10億ドル、BP1,900万ドルであり、Chevronは66憶ドルの大幅欠損であった。

 JXTG及び出光はメジャーズのBPあるいはChevronを上回り堅実である。但しExxonMobil、TotalあるいはShellと比較するとその利益水準は見劣りがする。

(JXTG、出光の利益率はメジャーズと遜色なし!)
3.売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-12.pdf 参照)
 売上高利益率を比べてみると、最も高いのはExxonMobilの8.5%であり、これに次ぐのがTotal 5.3%、続いてJXTG2.1%、出光1.3%と日系企業であり、4位以下はShell1.1%、BP 0.0%、Chevron▲18.2%である。ExxonMobil及びTotal2社は他社に比べ売上高利益率が突出して高い。日系2社を含むその他の5社はいずれも2%以下であるが、JXTG及び出光の利益率はShell、BP、Chevronのメジャー3社を上回っており遜色はない。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界と中東主要国の「腐敗認識指数」(下)

2020-03-04 | その他

(世界ランクシリーズ その6 2019年版)

(日本とUAEが20位、21位で競り合う!)
2.2019年の世界ランク及び2018年との比較
(表http://rank.maeda1.jp/6-T01.pdf 参照)
 2019年の腐敗認識指数世界ランクのトップ(即ち清潔度が世界一の国)はデンマークとニュージーランドであり、両国のスコアは87である。これに続く3位はフィンランド(スコア86)、4位にはスコア85でシンガポール、スウェーデン及びスイスの3カ国が並んでいる。昨年の世界ランクと比較するとデンマークが2年連続で1位を獲得、ニュージーランドが世界2位であった。フィンランド、シンガポール、スウェーデン及びスイスは世界3位で並んでいる。

 日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、日本は世界20位であり前年の18位より少し落ちている。米国は日本よりわずかに低い世界23位であり、昨年(同22位)とほぼ変わらない。韓国は世界39位、中国及びインドは同じ41位であり、日本より劣るものの世界180カ国の中では上位グループである。これら3か国に共通しているのはいずれも前年よりランクが上昇していることであり、韓国は45位→39位に上がっている。特にインド(78位→41位)と中国(87位→41位)は大きくランクを上げている。これに対してロシアは昨年、今年といずれも130位台後半にとどまっており腐敗度の改善が見られない。

 中東の主要国では、UAEが世界21位と中東では最も高く、日本(20位)に次ぐ高い評価を受けている。イスラエルは世界35位でほぼ韓国並みである。またサウジアラビアは世界51位であるが昨年の58位から7ランク上がっている。

 トルコ、エジプト、イランの中東三大国はいずれもランクが低く、トルコは世界91位、エジプト106位であり、イランは世界180カ国中の146位にとどまっている。因みに世界最下位はソマリアである。

3.日本と中東主要国の腐敗指数の推移(2015~2019年)
(図http://rank.maeda1.jp/6-G01.pdf 参照)
日本と中東6カ国(UAE、サウジアラビア、トルコ、エジプト及びイラン)の2015年から2019年までの5年間の腐敗認識指数の推移を見ると、2015年の指数は日本が75、UAE70、サウジアラビア52、トルコ42、エジプト36、イラン27であった。
その後、各国とも変化は小さいが、5年間を通して見ると日本は指数が下がる(即ち腐敗度が上がる)傾向が見られる。UAE及びサウジアラビアの湾岸君主国は2016年に若干指数が下がった後、最近では改善傾向が見られる。エジプトも2017年まで下落し、その後上昇している。これに対してトルコとイランは2019年の指数が5年前の指数を下回っており、腐敗度が進行しているようである。

以上

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする