「犬を散歩させる」というのは、日本語では動詞の使役形を使っていて日本語初心者には難しすぎるので、「犬と散歩する」という言い方をよくします。英語では "to walk the dog" だということを知り、なんでこんなシンプルなんだろうと不思議に思ったんですが、英語の "walk" は他動詞でもあり「散歩させる」という言い方になり得るんですね。でも考えてみたらスペイン語もそうでした。
ただスペイン語には「歩く:caminar/andar」のほかに「散歩する:pasear」という動詞もあるので、
犬を散歩させる:pasear al perro
…となります。直接目的語がペットのワンちゃんなので、前置詞 "a" を前につけ、定冠詞 "el" と合体させます。自分のワンちゃんと特記したいときは "a mi perro" でも良いんですよ。
前置詞の "a" には色々な意味・用途があり、間接目的語を導くときや直接目的語が「人」であるときには「~に/~を」みたいな感じでつけます。「物」が直接目的語の場合、通常 "a" は要りません。小学館の西和中辞典では「特定の人・動物」となっていますので、お散歩させるワンちゃんの前にも "a" をつけてOKですよ!
…というのは、英語交じりでスペイン語を教えているYouTubeビデオで、 "to walk the dog" を pasear el perro と説明しているのがあったんです。
調べてみたらコロンビアのスペイン語学校と称するグループが発信していました。ので、ひょっとしたら、コロンビアではペットのワンちゃんが「物」扱いなのかしらと思ってしまいました。
お散歩のスペイン語表現は他にもあります。
pasear con el perro:犬と散歩する
(el perroの前にconという別の前置詞があり、"a" の入る余地も必要もありません)
sacar al perro a pasear:犬を散歩に連れ出す
(sacarの直接目的語がワンちゃんなので、"a" が要ります)
以上、日本語教師が考えた『犬を散歩させる』でした。
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