2023年4月法改正で企業が行うべき対応は以下のようになります。
労働時間の把握・可視化
割増賃金率の引き上げによって労務管理はより複雑化することが予想されます。そのため、企業は正確な労働時間の把握と可視化が必要です。
労働時間の管理については厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」でも示されており、労働時間を記録する方法は原則として「使用者が、自ら現認により確認し、適正に記録」もしくは「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録」とあります。
また、賃金台帳には「労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならない」とされています。引用:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省 効率的な労務管理を進めるとよいでしょう。
業務効率化
割増賃金率が引き上げられる目的は、長時間労働を是正するためです。よって、企業は時間外労働の削減に向けて労働環境の改善に勤怠管理をはじめとしたバックオフィス関連、情報共有、営業支援、ワークフローなどを活用し、企業全体で働き方改革を進めてみるのもよいでしょう。
代替休暇の検討
企業は引き上げ分の割増賃金を支払う代わりに、有給休暇(代替休暇)の付与についても検討が必要です。注意点として、代替休暇制度を導入する場合は事前に労使協定を締結しなければいけません。労使協定で定められる内容は以下の4つになるので、事前に確認を進めましょう。
1.代替休暇の時間数の具体的な算定方法
2.代替休暇の単位
3,代替休暇を与えることができる期間
4,代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日
引用:改正労働基準法のポイント|厚生労働省
就業規則の変更
割増賃金率だけではなく、休日・深夜残業、代替休暇などで就業規則の見直しが必要になるケースがあり,法務及び、労務担当者は就業規則の確認も進めておきましょう。
※ 36協定に違反すると懲役や罰金、社名の公表など、さまざまなリスクがあります。
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