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国産のコロナワクチン治験中、開発急ピッチ、塩野義製薬(1)

 塩野義製薬が国立感染症研究所などと開発している新型コロナウイルスのワクチン。
 国内勢は遅れている。政府は開発などに補助金を出して後押しするが、いまだ実用化のめどは立っていない。

 昨年12月上旬、塩野義製薬のワクチン製造を受託した「ユニジェン」の岐阜工場(池田町)。真新しい金属製のタンクや配管の搬入作業を進めていた。
 塩野義は年末までに3千万人分の生産体制を構築する方針で、製造を受け持つユニジェン岐阜工場の整備に昨年8月着手した。今春の完成を目指す。

 塩野義の広報担当者は「開発と並行して生産の整備を進めるのは異例だ」と話す。昨年12月、塩野義は200人以上を対象に治験を始めた。

 国内で先頭を走るのは、大阪大などと共同で開発のアンジェスだ。3月までに国内の治験で500人に接種する計画だ。その後海外を視野に数万人規模の最終治験を予定する。

 国内の製薬会社で治験に入ったのは、この2社のみ。どちらも実用化の時期は公表していない。
 承認申請に必要な数万人規模の最終段階の治験が実施しにくくなる。海外実施が視野に入るが、欧米大手と比べてワクチンの海外治験に関する経験やノウハウは乏しい。すでに国内で治験を進めている塩野義、アンジェスも最終段階を始めるメドは立っていないと。
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