今日は午後から京都国立近代美術館で開催の「皇室の名品~近代日本美術の粋~」を見てきました。代々の皇室に引き継がれてきた美術品群が国に寄贈されたことを受け、平成5年(1993)開館した宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する美術工芸品の中から、選りすぐった近代以降の作品約180点が展示されています。
本年が、天皇陛下が傘寿(さんじゅ:80歳)を迎えられる事、京都国立近代美術館の開館50周年、宮内庁三の丸尚蔵館の開館20周年が重なり、記念事業の一つとして、京都のみの開催です。
明治から平成にかけての名品、内国勧業博覧会や万博への出品作、御成婚や御即位を祝して制作された作品など、皇室ゆかりの名品が一堂に会しています。横山大観、富岡鉄斎、高村光雲、河井寛次郎・・・など、名の知れた作家の品もたくさん展示されています。
また、以前ご紹介した【前ぶろぐ】七宝の並河靖之の作品、京都生まれの作家の作品もたくさん展示されています。向かいの京都市美術館で展示会開催中【前ぶろぐ】の竹内栖鳳の虎の大屏風、堂本印象の鶴の屏風、高橋由一の明治天皇の肖像画・・・明治からのものなので状態もとてもよいです。
私は、作家のものはもちろん、高島屋呉服店制作の刺繍の屏風に感動しました。他国の刺繍屏風などと比べると驚くほどの仕上がりです。こんなに細い糸で、こんなに細かく「日本の職人ってすごいなぁ・・・」って、しみじみ思いました。他に蒔絵の棚もすごかった。(2点とも前期のみ展示)
会場は全部で6章に体系化、3階と4階分かれています。第1章では、展示品も天井も壁も・・・華やかな明治の宮殿装飾が会場ごと再現されています。京都だけの開催というのがもったいないくらい・・・。
会場内では音声ガイドがあります。(500円)各展示品には詳しい説明がなく、作家名、作品名、制作年ぐらいしか表記されていませんので、音声ガイドがあった方が楽しめます。皇室の名品展を見た後は、4階の同じフロアで所蔵展も行われており、土田麦僊(つちだばくせん)の芥子のスケッチが展示されています。おそらく、これがもとになったと思われる作品「罌粟(けし)」が、皇室の名品展(前期)に展示されていて、興味深いです。
館内では、素敵な景色が楽しめます。3階から見下ろす京都府立図書館、平安神宮あたりの紅葉もきれいです。1階(展示会チケットなしで入れます)の休憩スペースも落ち着けます。ショップでは名品展にちなんで、京都のお土産もたくさんありました。
京都国立近代美術館 http://www.momak.go.jp/
皇室の名品展は2014年1月13日まで開催(後期は12月11日から)所要時間:40分~
*京都市美術館で開催中の竹内栖鳳展の半券で団体料金で入館できます。(皇室の名品展の半券でも竹内栖鳳展が団体料金で入館できます)
京都国立近代美術館は、以前バックヤードツアーをご紹介しています。【前ぶろぐ】