昨日、京都文化博物館で開催中の「いつだって猫展」を見てきました。展示は猫をモチーフとした江戸時代の様々な版画、歌舞伎役者絵、土人形、おもちゃなど200点を超えています。富山出身の私が一番注目したのは、歌川国芳の山海愛度図会(さんかいめでたいずえ)の越中滑川大蛸です。猫に顔を舐められて痛がっている女性の背景に滑川(なめりかわ)の大蛸漁が描かれた版画です。
なんで猫で滑川?と申しますと・・・山海愛度図会は、タイトルを全て「~たい」という語尾で統一し、浮世絵を通じて全国の名産品を紹介する全62枚のシリーズもので、その七が「ヲゝいたい 越中滑川大蛸」なんです。つまり、いたいは、猫のじょりっとした舌に舐められて痛い、舐めるは滑川って事なんですね。(^^;)そして、滑川といえばホタルイカで有名なのですが、その昔はタコの産地として知られていたそうです。へぇ・・・。ちなみにそのあたりは滑川市立博物館のサイト【こちら】をご覧ください。*サイト内で版画の紹介がありますが収蔵品ではないです。
館内には、看板をはじめ、展示スペース以外にも顔出しパネルなどSNS発信のための設えがたくさんあります。展示の最後は自宅の猫を自慢するパネルなどもあります。(ここのみ撮影OK)
実際に、江戸時代の猫の着せ替え人形でも遊べます。現代風にマグネットシートで作ってあるので写真も撮りやすいです。昭和にはナメ猫ブームがありました。猫に服を着せるって斬新!って思っていましたが、すでに江戸時代にあったんですね~。すごい!
京都文化博物館 http://www.bunpaku.or.jp/
いつだって猫展詳細は【こちら】6月11日(日)まで開催。2F総合展示室で開催中の「京都(うち)だって猫展」も楽しめます。
【おまけ】5月14日まで開催中の「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017」の展示会場の一つ、元新風館へ行ってきました。
知人から吉田亮人さんの写真を紹介されたので見てきました。写真家を志した時から撮っていた自身の従兄弟と祖母の2人暮らしの写真展示です。
80歳を超えた祖母を懸命に介護する孫(従兄弟)…しかし、ある日突然、孫は家を出て1年後に森の中で遺体で見つかります。孫の帰りを待ち続けた祖母も、遺体発見1年後に亡くなります。
祖母をひとり残して、23歳の若さで命を絶った孫…哀しい実話ですが、写真には生き生きとした二人の姿が映し出されています。私もおばあちゃん子だったので、いろいろと考えさせられた展示でした。
京都国際写真祭2017 http://www.kyotographie.jp/