昨日、蘆山寺で開催された「追儺式鬼法楽」を見てきました。通称鬼踊りと呼ばれ、これに登場する鬼は人間のもつ三毒(貪欲・怒り・愚痴)を表しています。この三毒を、季節の変わり目である節分に追い払い、新しい節目を迎えようとする京都の節分を代表する行事です。
廬山寺は比叡山天台18世座主の元三大師(がんざんだいし)良源によって天慶年時代(938年~947年)に船岡山の南に創建されたのが始まりの天台宗のお寺です。後に、現在の京都御苑の東側に移りました。この地は、源氏物語を執筆した紫式部の曽祖父から続く邸宅跡です。廬山寺がこの地に移ったのは紫式部の時代から500年ほど後です。以前、境内など詳しくご紹介しています。【前ぶろぐ】
鬼踊りは午後3時からです。私が訪ねたのは2時20分ごろでした。境内にはたくさん人でした。鬼踊りの舞台正面は人がぎっしりでした。大師堂前では「鬼のお加持」が行われていました。鬼のお加持(かじ)とは、邪気払いされた鬼によって体の悪いところを加持してもらい病気平癒、身体健全をはかるものです。*列に並んで志納で行われます。整理券などはありません。昨日は2時~2時45分、4時20分~と2回行われていました。
3時になると楽人を先頭に、三鬼、追儺師、蓬莱師、降摩面持者、独鈷三鈷持者、福娘、年男などの行列が大師堂へ入ります。この時点では、鬼も、行列に加わりおとなしく入場します。悪さしたりはしないですが、その姿のみで泣き出す子もいました・・・。
また、寺の秘仏である元三大師が鬼を退治したと云われる『独鈷・三鈷』ならびに、大師が宮中で使用したと伝わる『降魔面』がこの日のみ特別開帳され、行列に加わります。なお、元三大師は、おみくじの形式を考え出した人といわれ、比叡山に住居跡があります。以前ご紹介しています。【前ぶろぐ】
そして舞台を経由して大師堂に入り法要が行われます。その後(3時20分頃から)太鼓と法螺貝の音を合図に、松明と宝剣を持った赤鬼、大斧を持った青鬼、大槌を持った黒鬼が大師堂前の特設舞台に出現します。
にぎやかな踊りではないですが、足拍子、太鼓、法螺の音が、ずし~んと、お腹の底に響くような迫力の踊りです。舞台正面で見なくても堂内を回るのでちゃんと見ることができます。
その後、追儺師が東・西・南・北・中央の5箇所に向い矢を射て、悪鬼、邪霊を降伏させます。
やがて、鬼は降参し、舞台から境内へ降り、帰っていきます。帰りの鬼はなんだか和やかムード・・・頭をなでてくれたり、写真を撮らせてくれたりします。(^^)
ちなみに、鬼の足元は藁のスリッパをはいています。舞台の下には揃えたスリッパが・・・。
鬼が退散した後、境内では餅まきと豆まきが行われます。(4時過ぎ)豆も餅も包装なしでそのまま投げられます。餅のサイズは一口大ぐらいで福と焼き印が押されたものをゲットすると、降魔矢(魔よけの矢のお守り)と交換してくれます。私は豆はとることができましたが、餅は残念ながらとれず・・・。
売店で販売しているものを買ってきました。紅白の蓬莱豆(面入り400円、三角のもの100円(約七粒入))、福餅(2個入り150円)です。豆は紅白2粒食べると6年寿命が延びるそうです。
廬山寺 http://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/ 参拝自由 拝観:大人500円 小中400円 拝観所要時間:30分~ *節分会は見学無料です。
廬山寺は、以前、特別展【前ぶろぐ】街かど古典カフェでの「源氏物語と紫式部」の講座もご紹介しています。1回目は、紫式部が「源氏物語を書くようになった背景」【前ぶろぐ】2回目は「光源氏と紫式部の闇―その身」【前ぶろぐ】、3回目は「光源氏紫式部の闇―その心」【前ぶろぐ】4回目は「宇治十帖」【前ぶろぐ】です。
コミカルでもあり、カラフルでもあり、興味深いリポートでした。(笑)
ま、鬼は人の心の中にいるらしいから(^^;)
とっても楽しい行事でした。
機会があればぜひ~。
鬼のパンツ・・・
この前日のぶろぐに書いています。
http://blog.goo.ne.jp/majikunmama/e/64895695334608a5af304ecceadbe70f
でも、結局なぜなのか?
やっぱ、裸じゃまずかしいからかな(^^;)