題:スポーツの秋(A)
1位 中田喜子 名人5段 しぶき上げ復活の秋ひとりじめ
2位 森口瑤子 名人初段 座り込むアンカーの目に秋夕焼
添削 くずおれるアンカー秋夕焼赫し
3位 岩永徹也 1級 軸足のギプスの寄せ書き山粧ふ
添削 軸足のギプスに金秋の寄せ書き
4位 春風亭昇吉 5級 負けても勝っても母秋刀魚焼く
添削 試合如何に子の好物の秋刀魚焼く
5位 パックン 2級 天高しアーチ描くホットドッグ
添削 天高し売り子の放るホットドッグ
題:食欲の秋(B)
1位 藤本敏史(FUJIWARA) 名人10段 魚群探知機朝寒のがなり声
2位 立川志らく 名人4段 《首つりの家》には林檎は無いのか
3位 三遊亭円楽 名人初段 病院の脂の抜けた蒸し秋刀魚
添削 病院や脂の抜けた蒸し秋刀魚
4位 筒井真理子 3級 中心に記憶の螺旋黒葡萄
添削 黒葡萄に種吾に記憶の螺旋
5位 向井慧(パンサー) 5級 秋刀魚の目勧める母の目に力
添削 秋刀魚の目勧める母の目の静か
決勝戦に進んだのは、
予選A中田喜子…補欠森口瑤子
予選B藤本敏史(FUJIWARA)…補欠立川志らく
名人戦ともなると、その力量が試される
A・Bとも順当な結果となった
今回は、立川志らくの句に焦点をあててみよう
◆《首つりの家》には林檎は無いのか
首つりの家には / リンゴは / 無いのか
問いかけの句となっている
なぜ 首つりの家? なぜ 林檎?
~~~~~
◆≪首つりの家≫は、後期印象派の巨匠ポール・セザンヌ初期の、
最も重要な作品のひとつで、
『オーヴェール=シュル=オワーズの首吊りの家』が正式な名称
その名称の由来は現在も不明である
~~~~~
セザンヌと林檎
~~~~~
◆「親友ゾラとの出会いと友情のリンゴ」
13歳のセザンヌは、ブルボン中学校に入学し、1歳下のゾラと仲良くなる
ゾラはパリ生まれで親を亡くし、エクスではよそ者で、いじめの的だった
彼は、後に小説家として有名になるエミール・ゾラ
セザンヌは、いじめられていたゾラに話しかけたことによって、
いじめっ子たちにボボコにされる。次の日ゾラが、
友情のしるしとしてカゴいっぱいのリンゴをセザンヌにプレゼントをした。
そのときから2人は親友に。
~~~~~~
志らくは、この二つの物語を組み合わせて句にしたのである
一見して何を言っているのか分からない人も、なるほどと思うだろう
しかし、俳句の多くの発表の場では、こうした説明は無い
従って、理解できる人とできない人と評価が分かれる
このように、たちまちに読み手を絵画の世界に引き込んでしまう句は、
かってなかった。オルセー美術館に誘われた様な気がする
花鳥諷詠を詠むのか、自分の思いのままに問題作を作って行くのか…
プレバトは戦国時代のようになってきた
ただ一つ言えることは、今回の作はセザンヌの手柄なのだ
この句はセザンヌの力を借りたものなのだ
借り物をしないで、自分の力で句が作れるようになったら本物だろう
1位 中田喜子 名人5段 しぶき上げ復活の秋ひとりじめ
2位 森口瑤子 名人初段 座り込むアンカーの目に秋夕焼
添削 くずおれるアンカー秋夕焼赫し
3位 岩永徹也 1級 軸足のギプスの寄せ書き山粧ふ
添削 軸足のギプスに金秋の寄せ書き
4位 春風亭昇吉 5級 負けても勝っても母秋刀魚焼く
添削 試合如何に子の好物の秋刀魚焼く
5位 パックン 2級 天高しアーチ描くホットドッグ
添削 天高し売り子の放るホットドッグ
題:食欲の秋(B)
1位 藤本敏史(FUJIWARA) 名人10段 魚群探知機朝寒のがなり声
2位 立川志らく 名人4段 《首つりの家》には林檎は無いのか
3位 三遊亭円楽 名人初段 病院の脂の抜けた蒸し秋刀魚
添削 病院や脂の抜けた蒸し秋刀魚
4位 筒井真理子 3級 中心に記憶の螺旋黒葡萄
添削 黒葡萄に種吾に記憶の螺旋
5位 向井慧(パンサー) 5級 秋刀魚の目勧める母の目に力
添削 秋刀魚の目勧める母の目の静か
決勝戦に進んだのは、
予選A中田喜子…補欠森口瑤子
予選B藤本敏史(FUJIWARA)…補欠立川志らく
名人戦ともなると、その力量が試される
A・Bとも順当な結果となった
今回は、立川志らくの句に焦点をあててみよう
◆《首つりの家》には林檎は無いのか
首つりの家には / リンゴは / 無いのか
問いかけの句となっている
なぜ 首つりの家? なぜ 林檎?
~~~~~
◆≪首つりの家≫は、後期印象派の巨匠ポール・セザンヌ初期の、
最も重要な作品のひとつで、
『オーヴェール=シュル=オワーズの首吊りの家』が正式な名称
その名称の由来は現在も不明である
~~~~~
セザンヌと林檎
~~~~~
◆「親友ゾラとの出会いと友情のリンゴ」
13歳のセザンヌは、ブルボン中学校に入学し、1歳下のゾラと仲良くなる
ゾラはパリ生まれで親を亡くし、エクスではよそ者で、いじめの的だった
彼は、後に小説家として有名になるエミール・ゾラ
セザンヌは、いじめられていたゾラに話しかけたことによって、
いじめっ子たちにボボコにされる。次の日ゾラが、
友情のしるしとしてカゴいっぱいのリンゴをセザンヌにプレゼントをした。
そのときから2人は親友に。
~~~~~~
志らくは、この二つの物語を組み合わせて句にしたのである
一見して何を言っているのか分からない人も、なるほどと思うだろう
しかし、俳句の多くの発表の場では、こうした説明は無い
従って、理解できる人とできない人と評価が分かれる
このように、たちまちに読み手を絵画の世界に引き込んでしまう句は、
かってなかった。オルセー美術館に誘われた様な気がする
花鳥諷詠を詠むのか、自分の思いのままに問題作を作って行くのか…
プレバトは戦国時代のようになってきた
ただ一つ言えることは、今回の作はセザンヌの手柄なのだ
この句はセザンヌの力を借りたものなのだ
借り物をしないで、自分の力で句が作れるようになったら本物だろう