私が乳がん告知された頃・・・・・と言っても、ほんの2年前だが。
その時(09年2月)発売されていた08年11月発行の本、
(つまりその時点で最新の本)には、
再建の術式について、自家組織法については穿通枝皮弁については書かれていなかった。
僅か2年前のその当時の再建の術式として紹介されていたのは、大きく分け、
まず
①インプラント法
②自家組織法
であった。
①インプラントは、ようするにはシリコンを入れるというもので、
まだ保険適用ではないが、身体によけいなキズを増やしたり、
犠牲にすことなくできる方法として、選択する人も多い。
問題は②の自家組織法(保険適応)
広背筋、腹直筋いずれにしても、筋肉を犠牲にする方法しか掲載されてませんでした。
自家組織を使う場合、皮膚や皮下脂肪を移植する際、血流を保たなければ壊死してしまいます。
それを防ぐために、筋肉についている太い血管を利用するために、筋肉ごと移植します。
僅か2年前の医学ではそれが当たり前として書かれていたのです!
この方法では、筋肉を取るため、それによる後遺症で腰痛に苦しんだり、
腹筋がなくなる(弱くなる)というような、生活レベルがさがったりすることもあり、
そこまでしての再建というのも抵抗を感じる、という思いは
きっと私だけではなかったのではないでしょうか。
これが、2年前までの自家組織再建法の主流だったのです。
今でも、まだ主流の座にはいるのかもしれません。
しかし・・・・・
そのころ、既に、一部の病院では、穿通枝皮弁(センツウシヒベン)をしていました。
穿通枝皮弁とは・・・・
筋肉の中から穿通枝という細い血管だけを採取して、これにより
皮膚と脂肪の血流を保ち、壊死しないように保って移植する方法です。
筋肉組織を傷つけることがないので(正確には、血管を取り分けるときには筋肉組織にもメスを入れるのでここは慎重さと高い技術がいるようです)、身体にとても優しい方法です。
(もっとも、穿通枝皮弁の移植でつなぐ血管は通常、深下腹壁動脈という長く太い血管を使用するようです。血管を穿通枝だけの状態にしたものを、東大の光嶋先生は「真の穿通枝皮弁」と呼んでいるそうです)
私は、この穿通枝皮弁を知ったからこそ、この方法だからこその前提で、
再建を決めました。
(「放射線のリスクと向きう」という記事でもかきましたが、
私にはインプラントを選択できる状態ではなかったのです。)
もし、自家組織法が腹直筋を犠牲にする方法しかなかったら諦めていたでしょう。
ただ、
この穿通枝皮弁はとえも高度な技術と設備がいるため、
そんなに多くの医師もいなく、病院も少ないのが今の現状でしょうか。
私は、筋皮弁から穿通枝皮弁への過渡期にちょうど乳がん治療をしていた感じです。
そんな訳で、限りある資源のドクター探し、
そのためなら日本中どこの病院でもかけつけるさ~~
の気持ちで、これができる先生と病院を探しました。
(もちろん、いろんな方の情報や協力を得て)
で、
これは以外と簡単でしたね
それだけ、少ないということなのです。
インプラントも含め、いろんな方法が可能な方よりは、
その点では苦労しなかったし悩まなかったですね
この先生とめぼしを決めた先生何人かの、講演会に行き、
その先生のまずは生理的な相性みたいなものをチャック
それから、再建に対する考え方、患者との向き合い方など、
講演の中でも皆それぞれに個性を出し、以外と解るものです。
声や話し方なども、性格の一部として、こういう場合私は気にしますね。
なんせ、自分のこの身をゆだね任せ、色々チェック(きゃっ )されるんですからね~
共通していることは、
どの先生も「綺麗に治してこそ医者」という乳がん治療そのものに対する思いの深さ、
情熱は皆共通でした。
こういう風に、任せるドクターを密かに(ってストーカーみたいなわけではないが)
生でチェックして予約をするので、
初受診は、もうそこですることが前提という感じで受けてこれました。
そして、そのとおり、初受診の先生・病院で無事決定
22年12月22日私の再建は、あっけなく、その日で決まった。
23年3月4日入院
23年3月7日手術
です。
PS
再建の費用や取り巻く事情について、リコちゃんのワンポイント
現在、
再建は、①インプラント(人工物を使うもの)は、保険適応では無いのですが、
②自己組織(自分の身体の一部の移植)は保険が利きます。
しかし、この自家組織方法だと、回復までに時間もかかるし、結果、職場復帰への時間など、かかる経済的負担は大きなものです。
(また、身体に新たなキズを作ることにもなります。なので、保険が適応であってもその面でも悩む人が多いのです。)
結局、費用面に関していえば、、再建費用は多きいという事にかわりはありません。
もし、インプラントが保険適応になれば、もっと気楽に(自由に)再建が広まると思います。
こうした、制度や、身体への負担のバランスもまだまだ再建の難しさ、悩みどころなのです。
ただ、反面、多くの患者の自由な選択、まさにオーダーメイドに応えるバックボーンが出来てきていると、前向きにも考えられるのです。
たまたま、私の場合は放射線を掛けていることによって、こうした選択の余地もなく、
自家組織法による再建に限られていたというのが現実です。