最近義父母がめっきり歳をとったと感じます。
仲睦まじく、茶の間でくつろいでいた2人が、今は離れ離れの生活を強いられています。
義父は膀胱癌を患い、入院、手術を経て1度は退院したのですが、その頃からめっきり体力が衰え、脚が思うように動かせない程に。
ベットにいる時間がどんどん増え、トイレにも
間に合わなくなり…
義母が作るご飯を残すようになり、尚、体力減退が顕著になりました。
義母が何とか義父の身体を起こし、トイレ介助や歩行の介助をしていましたが、義母も腰を傷めてしまい、老老介護の闇へ突入するのです。
夫は仕事帰りに実家に立ち寄り、両親の身の回りの細々した事を手伝ってから帰宅する毎日。
私も食べやすいおかずを作って届けたりしては
みたものの、2人の精神的苦痛は限界に近いと感じていました。そんなある日、ついに
施設に相談して欲しいと、義父から懇願されてしまいました。
最近はコロナ渦でどこの施設も簡単に入所を許可してはくれず、義父は口数も減り、義母は腰の爆弾のせいで毎日寝て過ごすように。
唯一、ヘルパーさんのサービスを受ける事が出来るようになり、義父母も夫も私も、少しだけほっとしたのです。
ですが、ヘルパーさんでは入浴介助は受けられず、やはり施設に頼るしかないと、躍起になっていたところへ、ようやく入所出来そうな施設から連絡が。
夫と見学に行き、納得の上で、ベッドが空き次第、義父のみ、入所をお願いすることが出来ました。勿論、義父母には、同居する選択肢もあると伝え、話し合いもしたんです。でも、やはり、義父が、私達夫婦に迷惑をかけたくないと譲らず、施設で、いつか義母と2人で穏やかな
終活をしたいと言うのです。
親とは、そうしたものでしょうか。
お腹を痛めた息子に、下の世話をされるなど、
死んでも嫌だと言うのです。
そうして父は希望の施設に入所するまで、
義母の負担を軽くするため、リハビリ病院へ入院しています。毎日脚のリハビリを頑張ってくれています。
コロナで面会も出来ず、アクリル板越しのほんの数分の会話のみが、今の義父には唯一の楽しみになってしまいました。
リハビリ室にスマホを持って行く為の、袋を買ってきて欲しいと言うので、編んで持って行きました。お揃いの糸で帽子も。
大喜びで、スマホを袋に入れて、笑う義父。
涙が止まらなくなります。
優しい優しい、そして、頑固な義父。
抱きしめたいのに、触ることすら出来ず、
いつも面会は、辛くて苦しくて、悲しい思いを
どっさり持って帰って来ます。
自宅で1人、ヘルパーさんの手を借りて頑張っている義母も、最近物忘れが気になります。
同じ話しを何度もするし、お薬を飲み忘れたり、今朝の朝食を思い出せません。
元々夫婦円満だった義父母。
義父は、義母の事ばかり心配し、義母は、
朝食は忘れるけど、義父が寒い思いをしていないかと、心配するのです。
神様がいるのなら、この2人を、早く、同じ部屋で、温もりを感じる距離に置いてあげて欲しいと切に願います。
私も、いずれ老いて、夫に世話をやいてもらう
日が来るでしょう。逆もしかりですが、義父母の姿を見ていると、こんなに美しい愛を育んだ人達は、老いて尚、人に優しく、尊ばれるべき存在だと思うのです。
私は、この素晴らしい両親を超える事など絶対に出来ないと思います。
超えたくもないですが、この広い世界中で、この人達の息子と出会えた私は、やっぱり世界一、いえ、宇宙一幸せだと思います。