CDを聴くのは楽しい事ですよね。
私も、ソファーにごろ寝してCDかけながら、い~気分で知らぬ間に夢の中~~
なーんてこともよくあります。
お客様がいらっしゃった時だって、かけるCDで雰囲気も変わったりしますよね。
ブランデンブルグなんてかけたら、王室の晩餐会??っていう雰囲気にもなります
そして楽譜を見ながら・・・ってこともありますね。
これもいい事だとは思います。
特にスコア譜を見ながら聴く事はお勧めです。
ただ、ここで注意
今どきは、とても便利な時代で、弾いている曲の音源が簡単に手に入ります。
何だか少し変わった弾き方をしているので、
「なんでそんな弾き方しているの?」と聞くと、
「ユーチューブで聴いた」
しばしばそういう答えを聞きます。
ファストファッションみたいに簡単に手に入るので、何の考えもなしに真似してしまう・・・そんな状況です。
その結果、楽譜をちゃんと読む事が出来ない。。。という事も起こりかねない。
音源がないと思えば、一生懸命頭を使って楽譜を読みます。
音符ばかりでなく、そこに書いてある色々な事・・・
そしてそこから感じる色々な事・・・
そんな楽譜の読み方が出来たら・・・と、私自身も思っています。
じっくり読んだり、時間をかけて読んでいるうちに、それまで見えていなかった色々な事に気付く事もあります。
もちろん聴く事はいいことだし、便利になったのだって悪い事じゃない。
あるピアニストの方が、とても個性のあるピアニストに影響を受けた演奏をしている学生に、
「彼のうわべの真似をするのではなく、精神を学びなさい」と言ったそうです。
また、画家の安野光雅さんが、
「現場でスケッチした絵をトレースして、もう一度上手に書いたつもりでもそれは抜け殻なんです。」
と、おっしゃっていた事があり、「なるほど~」とうなってしまいました。
余談ですが、「画家の骨格が違うと、スケッチのタッチも変わるんです。」とおっしゃっていて、
画家もタッチが変わるんだ!と、とても印象に残った事があります。
さて、演奏をただうわべだけ真似すると、意味も分からず表面上の真似をしているので、
まさに、「抜け殻」 の状態になるのではないでしょうか?
たとえば、ベートーヴェンのソナタを弾く時に、ベートーヴェンの交響曲などを聴いていると、
どんな音を出したいか、音の質について想像力が働き、考える事が出来ます。
こういう聴き方なら、積極的にお勧めします。
自分が弾く曲を聴くのも、もちろんいい事です。。。が、出来るだけ複数の演奏を聴く事をお勧めします。
そして、ただ早く弾いている、遅く弾いている、強く弱く、、、テンポを揺らしている。。。
という事を、簡単にまねしないでくださいね。
あるピアニストの先生がおっしゃっていたのですが、
「子供のころ自分の演奏を録音して、ピアニストの演奏(複数)と聞き比べ、自分の演奏に何が足りないか、
一生懸命聴いた。」
聴くという深さが違うんですね。
そして自分の演奏も、客観的に聴く・・・ということですかね。。。
便利なものがある事は、決して悪いことではありません。
きっとベートーヴェンやモーツュアルトが今生きていたら、そんな道具や機械も使ったでしょう。
でも、楽譜や音に心静かに向かい、対話することこそが喜びであり、楽しみであるのではないか。。。
そんな風に思う、今日この頃です。
ちなみに、先日お勧めしたペライアのCDやっぱり素晴らしいです!
心で感じ取って、楽しんで下さい~
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