またまたお久しぶりなうえに、またまたおそれ多いお題を選んでしまいました
ポーランド・ワルシャワで開催されていた第17回ショパン国際ピアノコンクール。
審査結果が発表されました。
結果は以下の通りでした
第1位は、韓国のチョ・ソンジン。
1位(金メダル)Mr Seong-Jin Cho (South Korea)
2位(銀メダル)Mr Charles Richard-Hamelin (Canada)
3位(銅メダル)Ms Kate Liu (United States)
4位Mr Eric Lu (United States)
5位Mr Yike (Tony) Yang (Canada)
6位Mr Dmitry Shishkin (Russia)
特別賞
ポロネーズ賞Mr Seong-Jin Cho (South Korea)
マズルカ賞Ms Kate Liu (United States)
ソナタ賞Mr Charles Richard-Hamelin (Canada)
ショパン国際コンクールなんて、町のピアノ教室には程遠い世界で、みなさん、関係ないな~と思っていらっしゃるかもしれませんね。
ピアノ・・・ばかりではないのかも知れませんが、ピアノは小さなオーケストラと言われるほど多彩な表現が可能です。
他の楽器は、アンサンブル、、という形でみんなでそれを成し遂げるのですが、ピアノは一人でも可能ということ。
ピアニストから指揮者に転身する方も多いのは頷ける話ですね
そこから透かし見えてくるものもあるのではないかとちょっと思うわけです。
ついつい、ピアノを弾くということは指や手の問題だと考えがちですが、実は頭の問題が大いにあると思います。
しっかり考え抜いて、それを時間と空間の中で、どのように表現するか。
もちろん大きな筋肉から細かい屈筋伸筋、関節の引き締め方緩め方を音として紡ぎだすときにどう使うか。
フィジカルな面は重要ですが、具体的にどんな音が出したいのかという内的なプラン・思考が無ければ何一つ伝えることは出来ませんよね。
内的なもの(別な言い方なら脳内イメージ)を身体性に転化し、音として具現化しまたそれを耳で聴き内部とアクセスする、常に循環があるとも言えるかも知れません・・
目で見えるもの、として例えると、空間を彫刻しているような感じです。
ありありと頭の中にある世界を、物語って見せる。。ということ。
これは、演奏家は勿論そうですが、聴衆も感性や想像力が必要ですね。
前回の、耳が良い事・・で、ちょこっと書いてみましたが、ドレミが分かる耳は道具としては必要なのですが、本当の本当は人生の達人のような、多くの経験をされて“心が練れている”・・そういうことが大きな意味合いを持ちます。
ですから、必ずしも専門の勉強をしている人だけがそういうことが分かる・・とも言い切れないのですが、もちろん勉強すればするほど、また深い理解が出来てゆく世界でもある様に思います。
まだ20代そこそこの人や、10代の人もコンテスタントの中にいるピアノコンクールなのですが、やはり一言で言って、この年齢にして大人。
しっかりした考えを持ち、洞察力や理解力、自己批判力、、とでも言えるような、客観性も持ち合わせているように感じます。
人というものは・・と感じ考える深さを、既に備えているのかな。。
これは、音楽をする人ばかりでなく、科学の分野でも経済の分野でも、どの分野においても言えているのではないかと思います。
いつか勝手に自動的に優れた良い大人になる訳ではなく、今をどう生きるか・・それがその人自身をまさに作り上げている訳で、言われた通りのことしかできない、何でもやってもらうことが当たり前になっていては、自立した人になれない・・そういう風に感じます。
想像力、判断力、自己批判力(これが出来てこその自己肯定感なのでは・・とも思います)etc.・・・
小林秀雄の言葉が、とても胸に降りてきます。
「自己と戦え」
「分かるということと苦労するということは同じ意味です」
自己と戦っているのは“芸術家”だと言い切っています。
パンドラの箱を開けてしまった人間・・つまり知恵を身に付けてしまった人間は、それをどう手なずけて、平和を維持して生きてゆくことが出来るのかを、絶えず考え続けながら生きてゆかなければ、どういうことになるか・・それは、今の世界の状況を見ればすぐに分かることです。
国際ピアノコンクール・・・何だか素敵なエンターテイメントの世界・・・と思われがちかもしれませんが(そういう捉え方も全く否定はできないのかも知れませんが)、全能力を掛けての華麗なる戦いでもある様に思います。
様々な見方もあるでしょうが、聴衆も審査員も、そしてファイナルでは指揮者やオーケストラの人も、若いコンテスタントたちの心情も充分過ぎるぐらい分かっているから、心から応援している・・愛があったように感じました
優れた音楽家の方たちも、コメントや文章を寄せられているようで、ちょこちょこ見ていました。
(正直いって全部聴くのはとても無理だったので、まだ今もネット配信させているものを聴いているような状況ですが…)
優れたピアニストであり教授であるダン・タイソン門下から、ファイナルに進んだコンテスタントが3名いらしたそうですが、指導者の“刻印”が無い。と書かれていて、とても印象に残ります。
つまり先生が、このように弾く!と指示して弾き方や解釈を彼らに要求していない。
どのように指導されていたのか詳しくは分かりませんが、もっと根本的なところを開発しアプローチしていたのかも知れません。
ピアノの話だと難しく感じられるかもしれませんが、いま日本の教育も、「自ら気付き考え行動する」と言われていますが、その根本的な力そのものを与えてあげる指導、とも言い換えられるかもしれませんね。
“霊界との交信”と、あだ名されていた(笑)ケイトさん。シンガポール生まれの現在アメリカ在住の方。
唯一女性で3位入賞、マズルカ賞受賞されましたが、彼女の演奏をちょこっと見せながら、「この人がTシャツ着てその辺歩いていても、こんなすごい才能を内に秘めているなんて全く分からない、普通の人に見えるだろうね~」なーんて話していました。
ホントにほそーい人で、どこからこのパワーが出るんだろうと驚くべきケイトさんです
演奏を終えれば、普通のかわいらしい笑顔でした。
1位の方は完璧なまでの演奏。
2位のカナダの方はまだよく聞いておらず(汗)。
4位の方も繊細な素敵な演奏でした。
日本人唯一のファイナリスト小林愛実さんも情熱的な心のこもった演奏でした。
残念ながら受賞とまではいきませんでしたが、これからも研鑽を積まれることでしょう。
期待の方だと思います。
全くもって全体をくまなく聴いているわけだはなく、ちょこっと聞きかじって感じたことを書いているだけですので、これから専門の方たちが感想などネットや書籍などで文章を寄せられるでしょうから、詳しく全体を知りたい方は是非おススメいたします。
私が書いたものは、世界的なピアノコンクールから、一般人である私たちが普段の生活にどうたぐり寄せて考えてみることが出来るのか・・・というレベルです。
3位のケイトさんの演奏は、とても音が美しく、しなやかで、しかももの凄いリズム感の良い演奏で、これはシェアして何度も演奏に聴き入ってしまっています。彼女の中から出てくる自然体の音楽なのだと思います。
個人的好みですが・・・
なーーにを田舎のピアノ教師が上から目線で言ってんの~と一括されそうな今日のblogでしたが、全くもって、独断と偏見ですので、ご容赦くださいませ
最後に・・・
先日、池田塾・・というのに行ってまいりました。
池田雅延さんという、長年小林秀雄の著書編集担当者として仕事を続けられた方で、茂木健一郎さんもいらっしゃっての講演会でした。(たぶん茂木さんが塾の発起人のような??違っていたらごめんなさい💧)
小林秀雄の言葉から・・
“成功は、遂行された計画ではない。何かが熟して実を結ぶことだ。其れには、どうしても円熟という言葉で表されなければならぬものがある。何かが熟して生まれて来なければ、人間は何も生むことは出来ない。”
私たちが何を目印にこれから歩いてゆくのか・・そういうことを国際ピアノコンクールからも、小林秀雄の言葉からも聴き取ることが出来るんじゃないかな・・・そんな譫言のような今日のblogでした
決して難しい事を言っているのではないと思うんです。。
ポーランド・ワルシャワで開催されていた第17回ショパン国際ピアノコンクール。
審査結果が発表されました。
結果は以下の通りでした
第1位は、韓国のチョ・ソンジン。
1位(金メダル)Mr Seong-Jin Cho (South Korea)
2位(銀メダル)Mr Charles Richard-Hamelin (Canada)
3位(銅メダル)Ms Kate Liu (United States)
4位Mr Eric Lu (United States)
5位Mr Yike (Tony) Yang (Canada)
6位Mr Dmitry Shishkin (Russia)
特別賞
ポロネーズ賞Mr Seong-Jin Cho (South Korea)
マズルカ賞Ms Kate Liu (United States)
ソナタ賞Mr Charles Richard-Hamelin (Canada)
ショパン国際コンクールなんて、町のピアノ教室には程遠い世界で、みなさん、関係ないな~と思っていらっしゃるかもしれませんね。
ピアノ・・・ばかりではないのかも知れませんが、ピアノは小さなオーケストラと言われるほど多彩な表現が可能です。
他の楽器は、アンサンブル、、という形でみんなでそれを成し遂げるのですが、ピアノは一人でも可能ということ。
ピアニストから指揮者に転身する方も多いのは頷ける話ですね
そこから透かし見えてくるものもあるのではないかとちょっと思うわけです。
ついつい、ピアノを弾くということは指や手の問題だと考えがちですが、実は頭の問題が大いにあると思います。
しっかり考え抜いて、それを時間と空間の中で、どのように表現するか。
もちろん大きな筋肉から細かい屈筋伸筋、関節の引き締め方緩め方を音として紡ぎだすときにどう使うか。
フィジカルな面は重要ですが、具体的にどんな音が出したいのかという内的なプラン・思考が無ければ何一つ伝えることは出来ませんよね。
内的なもの(別な言い方なら脳内イメージ)を身体性に転化し、音として具現化しまたそれを耳で聴き内部とアクセスする、常に循環があるとも言えるかも知れません・・
目で見えるもの、として例えると、空間を彫刻しているような感じです。
ありありと頭の中にある世界を、物語って見せる。。ということ。
これは、演奏家は勿論そうですが、聴衆も感性や想像力が必要ですね。
前回の、耳が良い事・・で、ちょこっと書いてみましたが、ドレミが分かる耳は道具としては必要なのですが、本当の本当は人生の達人のような、多くの経験をされて“心が練れている”・・そういうことが大きな意味合いを持ちます。
ですから、必ずしも専門の勉強をしている人だけがそういうことが分かる・・とも言い切れないのですが、もちろん勉強すればするほど、また深い理解が出来てゆく世界でもある様に思います。
まだ20代そこそこの人や、10代の人もコンテスタントの中にいるピアノコンクールなのですが、やはり一言で言って、この年齢にして大人。
しっかりした考えを持ち、洞察力や理解力、自己批判力、、とでも言えるような、客観性も持ち合わせているように感じます。
人というものは・・と感じ考える深さを、既に備えているのかな。。
これは、音楽をする人ばかりでなく、科学の分野でも経済の分野でも、どの分野においても言えているのではないかと思います。
いつか勝手に自動的に優れた良い大人になる訳ではなく、今をどう生きるか・・それがその人自身をまさに作り上げている訳で、言われた通りのことしかできない、何でもやってもらうことが当たり前になっていては、自立した人になれない・・そういう風に感じます。
想像力、判断力、自己批判力(これが出来てこその自己肯定感なのでは・・とも思います)etc.・・・
小林秀雄の言葉が、とても胸に降りてきます。
「自己と戦え」
「分かるということと苦労するということは同じ意味です」
自己と戦っているのは“芸術家”だと言い切っています。
パンドラの箱を開けてしまった人間・・つまり知恵を身に付けてしまった人間は、それをどう手なずけて、平和を維持して生きてゆくことが出来るのかを、絶えず考え続けながら生きてゆかなければ、どういうことになるか・・それは、今の世界の状況を見ればすぐに分かることです。
国際ピアノコンクール・・・何だか素敵なエンターテイメントの世界・・・と思われがちかもしれませんが(そういう捉え方も全く否定はできないのかも知れませんが)、全能力を掛けての華麗なる戦いでもある様に思います。
様々な見方もあるでしょうが、聴衆も審査員も、そしてファイナルでは指揮者やオーケストラの人も、若いコンテスタントたちの心情も充分過ぎるぐらい分かっているから、心から応援している・・愛があったように感じました
優れた音楽家の方たちも、コメントや文章を寄せられているようで、ちょこちょこ見ていました。
(正直いって全部聴くのはとても無理だったので、まだ今もネット配信させているものを聴いているような状況ですが…)
優れたピアニストであり教授であるダン・タイソン門下から、ファイナルに進んだコンテスタントが3名いらしたそうですが、指導者の“刻印”が無い。と書かれていて、とても印象に残ります。
つまり先生が、このように弾く!と指示して弾き方や解釈を彼らに要求していない。
どのように指導されていたのか詳しくは分かりませんが、もっと根本的なところを開発しアプローチしていたのかも知れません。
ピアノの話だと難しく感じられるかもしれませんが、いま日本の教育も、「自ら気付き考え行動する」と言われていますが、その根本的な力そのものを与えてあげる指導、とも言い換えられるかもしれませんね。
“霊界との交信”と、あだ名されていた(笑)ケイトさん。シンガポール生まれの現在アメリカ在住の方。
唯一女性で3位入賞、マズルカ賞受賞されましたが、彼女の演奏をちょこっと見せながら、「この人がTシャツ着てその辺歩いていても、こんなすごい才能を内に秘めているなんて全く分からない、普通の人に見えるだろうね~」なーんて話していました。
ホントにほそーい人で、どこからこのパワーが出るんだろうと驚くべきケイトさんです
演奏を終えれば、普通のかわいらしい笑顔でした。
1位の方は完璧なまでの演奏。
2位のカナダの方はまだよく聞いておらず(汗)。
4位の方も繊細な素敵な演奏でした。
日本人唯一のファイナリスト小林愛実さんも情熱的な心のこもった演奏でした。
残念ながら受賞とまではいきませんでしたが、これからも研鑽を積まれることでしょう。
期待の方だと思います。
全くもって全体をくまなく聴いているわけだはなく、ちょこっと聞きかじって感じたことを書いているだけですので、これから専門の方たちが感想などネットや書籍などで文章を寄せられるでしょうから、詳しく全体を知りたい方は是非おススメいたします。
私が書いたものは、世界的なピアノコンクールから、一般人である私たちが普段の生活にどうたぐり寄せて考えてみることが出来るのか・・・というレベルです。
3位のケイトさんの演奏は、とても音が美しく、しなやかで、しかももの凄いリズム感の良い演奏で、これはシェアして何度も演奏に聴き入ってしまっています。彼女の中から出てくる自然体の音楽なのだと思います。
個人的好みですが・・・
なーーにを田舎のピアノ教師が上から目線で言ってんの~と一括されそうな今日のblogでしたが、全くもって、独断と偏見ですので、ご容赦くださいませ
最後に・・・
先日、池田塾・・というのに行ってまいりました。
池田雅延さんという、長年小林秀雄の著書編集担当者として仕事を続けられた方で、茂木健一郎さんもいらっしゃっての講演会でした。(たぶん茂木さんが塾の発起人のような??違っていたらごめんなさい💧)
小林秀雄の言葉から・・
“成功は、遂行された計画ではない。何かが熟して実を結ぶことだ。其れには、どうしても円熟という言葉で表されなければならぬものがある。何かが熟して生まれて来なければ、人間は何も生むことは出来ない。”
私たちが何を目印にこれから歩いてゆくのか・・そういうことを国際ピアノコンクールからも、小林秀雄の言葉からも聴き取ることが出来るんじゃないかな・・・そんな譫言のような今日のblogでした
決して難しい事を言っているのではないと思うんです。。
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