渋谷圭一郎著。
瑠璃ちゃんという女子高生が、大学院生の凪ちゃんに誘われて岩石の世界に足を踏み入れる物語です。
ネタバレには気をつけますが、ネタバレを好まない方は、ここから先はお読みにならないことをお勧めします。
日本は資源が乏しい国だから素材を輸入して製造して輸出する、学校ではそう学びます。
でも地学の授業では、ユーラシア、フィリピン、太平洋、北米の4つのプレートがひしめき合うので、日本は地震や火山が多い国と学びます。
これに対して私は、石油とか化石燃料はムリでも、火山が多ければ常に鉱物が地中にあるンじゃないの?と思っていたっけ。
長じて、足尾銅山、佐渡金山、石見銀山を訪れて、あれ?やっぱり国内でも採取できるじゃあないのとちょいと不満に思ったものです。
単に世界にはもっと効率よく採取できる鉱山があるだけで、日本に資源がないとの認識はちょいと違うのでは?と思いました。
タイトルに「宝石」がつくだけあって、いわゆる貴石もいくつか出てきます。
日本各地では貴石も採取できます。
そういえば私は、山梨県甲府市の山梨ジュエリーミュージアムに行ったことがありますが、国内(主に山梨県)で採取された貴石もたくさん展示されていました。
しかも入館料が無料なのに展示が充実していたなぁ、と思い出してしまいました。
ヒロインの瑠璃ちゃんの住まいは明記されていませんが、埼玉県あたりかな?と思いました。
ちょっと遠出して、長野県でガーネットの採取に挑戦しているからです。
また巻末のあとがきには、私も行ったことがある埼玉県立川の博物館が登場します。
私は旅行すると、いつも土の色の違いに驚きます。
私が住んでいる神奈川県は、関東ローム層に代表されるだいたい赤茶色か黒ぼく土で、湧き水は、透明よりはうっすらと黄色く色がついています。
でも西日本では、土が黄色だと感じてなりません。
これがプレートの違いなんだろうな、と感じる瞬間です。
物語はまだ始まったばかりです。
ついつい先を知りたくなります。
とくに埼玉県は、和同開珎の製造場所があったところ。
銅等の鉱山も紹介してほしいです。