『 夕方の磐梯山 』 2014画 水彩画―(21)
今日は79年目の敗戦記念日だ。という事は私はあの時6才だったわけだ。
あの日も暑かったが今日も暑い。毎年この日になると思い出したり目に浮かぶ光景がある。
青い空、白い入道雲、ラジオの雑音、流れる汗、煙るような蝉の合唱、正座した足のしびれ、
母の神妙な顔、近所のおじさんの涙顔と背中に括りつけた鉄兜、そして何故か飛び交う蛍の灯
などがあるが、何だか暑くてもの悲しいあの日の思い出だ。
さてパリでの祭典も終わって、次々と競技ごとに選手たちが帰って来て飛行場で花束の歓迎を
受けていた。皆が屈託のない笑顔で明るかった。
メダルのなかった人は何処にいるのだろうと一寸心配になった。
レスリングの活躍、馬術やスケボー,ブレイキンと言った意外な種目の活躍も目立った。
昔から日本人はテンション民族と言われ、あがり症で緊張型、過度の責任感というタイプが多く、
人前が苦手で話が下手でシャイな人が多いのが特徴と言われてきた。勿論昔から例外はあるだろうけれど…。
それが大きく変わったと実感させられる場面が今回は特に多かった。
勝った瞬間のあの所作や言動、物おじしない態度、少なくとも国を背負っての悲壮感や責任感に
よる重圧は感じられなくなった。
今は、技術的なコーチや肉体的なトレーナーだけでなく、心のケア、精神的な面倒を見る専門家が
付いているというから良い方向に進歩しすっかり変わったものだ。
もし私に強靭な肉体と技術が備わっていて、何かの代表になったとしたら(オリンピックのような
大きなものでなくても、学校対抗とか町内会対抗でも)緊張といわゆる上がり症で青ざめて力も出せ
ないだろう。万が一、周りが皆転んでしまって1等賞になったりしたら優勝のガッツポーズも勝利の
コメントも出来ず陰に隠れるか逃げてしまうかも知れない。
こんな私ほどには極端ではないかも知れないが、こうした傾向は多くの日本人に見られたと思う。
これからの日本人からはシャイ、デリカシー、話下手、あがり症、緊張不安症などと言った昔懐かしい
習性や特徴は消えてしまうのだろう。
来年は終戦80年だが、そろそろ全く新しい日本人が始まるのだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます