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べてるとは、もともと旧約聖書で神の家という意味だった。それはまた、ナチス・ドイツから障害者を守り抜いたことで有名なドイツの一地方のコミュニティの名前でもあったことから、いささかなりともその意志に学びたいとの願いをこめた命名でもあった。
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彼らは人間が人間であるがゆえにかかえる問題を精神障害に代弁させることなく、自らに引き受けようとしたのであり、問題だらけであることをやめようとしなかったがために、そこに浮かび上がる人間の姿をたいせつにしようとしたのである。
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「『よくなったら、なにやりたい?』むていわれて…勉強したいっていったら、『よくなって、なんでもできるようになったら、なにもしたくなくなるよ』っていわへて」