たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

野沢の火祭り 別名を喧嘩祭りと言うそうな

2016年01月22日 | 
続き

江戸中期には既に行われていたと言う野沢の道祖神火祭り

この祭は平成5年、日本の三大火祭りとして重要無形民俗文化財に指定されました




温泉街で一暴れした松明が火祭り会場へと運ばれてきますと

先ずは灯篭が組み立てられます

この灯篭は前の年に子供を出産した家では感謝の意と我が子の成長を祈願し奉納する決まりなのだそうです




高さにして9メートルの灯篭が3基、真っ暗な夜空に浮かび上がりました

相当アルコールが入っている男衆はそれでもなお酒を酌み交わし、そして唄います


夜を徹して建てられた社殿の屋根の上には42歳の厄年の男衆

社殿の前には25歳の厄年の男衆

これから始まる攻防戦を前に挑発の雄叫びを上げ既に敵を迎え撃つ準備態勢に入っておりました




セレモニーが始まる迄の一時

「これが日本のお祭りよ! 凄いね」とアチコチで記念撮影

その内、社殿の近くが人だかりとなり

係員の「これ以上前に出ないで下さい」の指示通り真面目に構えていた私はは何時の間にかカヤの外

「ここが最前列だと思ったのに、そんなぁ

その時です

「ちょっとゴメンよ」と言いながら人垣を掻き分け掻き分け私を最前列まで引っ張ってくれた祭関係者

これをラッキーと言わずして何と言いましょうか

「ありがとう」の言葉が届いたかどうか振り向けばもうその人の姿は何処にも有りませんでした










盛大に花火が打ち上げられ勇壮な道祖神太鼓が夜空を切り裂きました

深く重い響きです

離れてしまった雄さんは何処にいるのかしら、太鼓が見える位置に居るのかしら

「さぁ皆さん、いよいよ火祭りが始まりまーす

 危険ですから、もう少しお下がり下さーい」

必死に叫び出ようとする観客を押し戻す係員






しかしその声も空しく観客は下がるどころか増々前へ前へと押して来ます

観客席は右に左に波打ち前にロープが無ければ、そのまま倒されてしまいそうな勢いです

何時の間にか私は前に居る頑丈そうな係員にしがみ付いていました






赤々と燃えた松明が次々と社殿に向かってきます




社殿に火を点けようと振りかざして迫る村の男衆

それを阻止しようとする厄年の若集

飛び散る火の粉

荒っぽい攻防戦が始まりました






激しいのは彼らだけでは有りません

観客席も凄まじい押し合いへし合いの攻防が続きます

ジックリカメラを向ける余裕などなく自分の体を守るのに必死な1時間半でした

これ以上、ここに居ては危険かもしれない・・・

そう判断し係員にロープを持ち上げて貰いどうにか脱出

取り囲む観客の後ろを通り高台へと移動する事にいたしました

運の良い事に此処で雄さんとバッタリ

「寒いのでもしかして“たか”が旅館に戻ったかもしれないと旅館に引き返した」と雄さん

私の方は寒いどころじゃ有りませんって

押される体を守るのに精一杯でむしろ熱いくらい




高台に設けられた警察官の待避所にいきますと

ここでも運よく一人の警察官が邪魔にならない所ならば入っても良いと言って下さったので

遠慮なくそのお言葉に甘える事にしました

さぁいよいよ今日のクライマックス

社殿に火が放たれました




そして火が高々と夜空を焦がし火祭りは最高潮に達します

灯篭が徐々に飲み込まれるように進み全てを燃やして幕は閉じられたのでした

 命有るなら来年も

    また来年も 命有るなら来年も


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コメント (18)
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