みゆきな日々

チワワのチェリー女の子&私・年金暮らしのジッちゃんに絶賛親孝行活躍中

続・死神は宇宙人

2009年11月06日 | インポート

             冬です             

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         いや全く【 死 】と言う事の恐怖が無い

        恐怖が無いというより【死】と言う実感がない

            生に執着している訳でもない

              何も考えていないのだ

                   だから

                 死ぬ訳がない

                食欲が出てきた

              人間は時としてもろい

       恐らく私は相当、強靭な生命力があったらしい

          そう思うと死と言う言葉に負けたくない

            病院食を必死に残さず食べた

         食事中は酸素マスクを外さなくてはならない

         しかし空気を必要とするより食べる事に執着

              食事の時間が楽しみになった

              そんな時に嫌われナースが

           『苦しいのに無理して食べちゃ駄目よ

            今日から食事を半分に減らします』

              私には最初から子供量分

              それを更に減らすだと?

1

      食事を摂る為には酸素マスクを外さなければならないが

             苦しそうだから食事を減らす?

 他のナースは食欲が出てきたのは回復の兆しと言ってくれてたのに

                   何故?

                 しかし従った

              トイレにも行けない私

               尿管が入ったまま

             オムツをされて屈辱の日々

2

     自分でも呼吸が楽になってきたなと思う程に回復した頃

             自分の足でトイレに行きたい

           入院して1番、大変なのは排泄だ

     人の手を借りるのが嫌だと泣いていた隣の末期癌の女性

  私が回復していくと同時に自分でトイレに行きたいと哀願していた

    しかし彼女の足元に時々だがたたずむ黒服の不気味な男

                彼女から離れない

  だが奇跡的に彼女は不自由になってた手が動くようになったのだ

   肺癌から転移した脳腫瘍による圧迫で手足が動かない彼女

                 医者も驚いた

      その頃からムンクの叫びの男の姿が見えなくなった

  念願かなって車椅子でトイレに行く事を許可されて喜んだ彼女

                私は調子よろしく

         病室で知り合った誰とも仲良しになった

     ムンクの叫びの男がみんなのベットに居た事も忘れ

3

     私の食事の量が極端に少ない事に気づいたドクター

                    誰の指示?

                  『 〇〇ナース 』

              『またアイツか担当を外すね』

        あら意外と独断で行動してるナースだったのね

          そうして意地悪ナースは病室を変えられた

   時々だが、意地悪ナースに罵声を浴びせる患者の声が聞こえる

               自己中心な意地悪ナース

             『また患者さんに怒鳴られてるよ』

                    誰かが言った

4

       一挙に重症の患者が居ると思えない病室になった

         私の事を『みっちゃん』そう呼ぶ同室の人達

                笑いが耐えない病室

           他の病室からも遊びにくる入院患者

                   それでも

           みんな自分の運命を知ってるのだろう

             今年の桜の花は見れるかな?

               時々洩らす言葉と溜息

       『何言ってるの、こんなに良くなってきてるじゃない』

           励ましの言葉を言ったつもりだった

              が、私は知らなかったのだ

            皆、余命いくばくも無いと言う事を

            そして暫くたって無事に退院した

               去年の3月ちょっと前だ

30_2

     退院時に『奇跡の生還おめでとう』とドクターに言われた

         その後1度だけみんなのお見舞いに行った

     すると私が退院した翌日に隣のベットの人は転院したと

            数日後、彼女はお悔やみに載った

                 そして続けざまに

        私を除いて同室だった人は全員逝ってしまった

          あんなに笑いの耐えない病室だったのに

       ベットの側に居た薄っぺらなムンク叫びのような男

              灰色の顔をしたヒョロヒョロ男

                   あれは死神

           私の顔を覗いたムンクの叫びのような男

   この女は、まだ死なないと思ったからベットから離れたに違いない

                 私は本当に見たのだ

           死神が顔を見下げていたのを覚えている

               他の人には見えなかったの?

33

        私に姿が見えたのは幻覚だったのだろうか?

         いまでも皆の明るい笑い声を覚えている

 

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