日曜日は、
私が暮らすマンションの定例清掃の日だった。
おはようございます。
とても寒い朝で、細かい雪が、ひらひら舞う中、
トレーナー1枚で向かった私に、
お婆ちゃん達は、騒然とした。
「おかっぱちゃん、寒くないの?」
「ダメよ、オーバーを羽織ってらっしゃい!」
「タオルを首に巻いてごらん、全然ちがうから。」
など、みなさん、心配して下さっていた。
そこへ、異国から来た青年が、短パン、裸足で現れたものだから、
お婆ちゃん達は、もう絶句だ。
そんな中、お婆ちゃん達が絞り出した言葉は、
「若いっていいわね」だ。
いやいや、私はもう、全然若くないですよぉ。
45ですもの~。
そう言うと、また、お婆ちゃん達は、絞り出す。
「45歳って、一番、いい歳よ~、これからよ~」と。
30歳を過ぎた頃だろうか。
この2つの言葉、よく聞くようになった気がする。
これは、ある意味、
微妙な年齢に差し掛かってゆく人への、
先輩からのエールなんだな。
そう感じながら、張り切った日曜の朝であった。
そして、月曜になり、
今が一番いい年齢の私へ、
なんと、元カレから電話があった。
「久しぶり、おかっぱちゃん。声が聞きたくなってさ。」
「相変わらず、声は可愛いね」
「ほんと、声は可愛いんだよな~」
「声はほんと、可愛い。声は・・・」
って、そろそろ、黙れ!
ってか、こんりんざい黙ってやる!
そういえば、当時も、
彼からの、この言葉、よく聞いた気がする。
これは、ある意味、
あいつ、ただの声フェチかよ!っと、
今更気付かされる、要らん電話なんだな。
そう思いながら、猫にカメラを向ける月曜の夕方であった。
電話してると、猫って、こんな顔するよね。
で、
盛んに、鳴き始めて
これみよがしに
アピールしてくるよね。
こっちは
無言の圧!
これって、ある意味、
心苦しいんだよな。