私は、ずいぶんと、
弱気になったものだ。
おはようございます。
きくが居なくなって、3年になるだろうか。
私は、ずいぶんと弱気になった気がする。
きくと過ごした15年間、
私の人生も、きくとの関係も、決して平坦ではなかった。
気難しくて神経質はきくは、
それでも15年間、目立った病気もしなければ、
最後の最後まで、粗相さえ一度もしなかった。
そして、具合が悪くなったかと思ったら、あっという間に死んだ。
手の掛かる狂犬(猫だけど)が居なくなって、
さぞや、気が楽になるだろうと思っていたのに、
私は、すっかり落ち込んで、ずいぶんと弱気になった。
ただでさえ神経質なきくは、猫が大嫌いな猫で、
だけど私は、どういう訳か、たまに猫を拾ってしまう。
それに加え、2度も引っ越しをした。
環境が変わる度、きくの苦悩は増して行ったに違いない。
手の掛かる気難しい猫になったのは、私のせいだった。
きくを見送った後、
私は、もう決して、猫は拾わないと誓った。
心底、怖くなったんだ。
私じゃ、猫を幸せになどしてやれない。
幸い、残った4匹は、穏やかに暮らしていたから、
せめて、この子達だけは守り抜こうと思った。
そして、私は誓った通り、猫は拾わなかった。
ただ、猫が、人を介して運ばれてくるシステムに替わっていた。
きくが居なくなって3年で、5匹運ばれてきた。
うち、2匹は我が家に・・・いる。
きく「ばーかめ!」
ごめん。
また、騒がしい我が家に戻っている。
きく「ばかばか、かーばめ!」
かばは、やめて~。
そして、
どうして、こんなに弱気になったのか、やっと分かった。
私は、きくという猫を、
最後まで守り抜けるか自信がなくて、
だから強くなっていたのではなく、
きくに守られていたから、強くなれたんだ。
きくが居ないから、弱気になっているという事が、やっと分かったんだよ。
決して折れない、断じて曲げない、猫が大っ嫌いな猫は、
15年間、自分を失わず、最期まであっぱれだった。
私を、最期まで信じ、信じさせてくれた猫だった。
きく、あたし、頑張るよ。
あんたに、笑われないように、頑張るよ。
きく「あぁぁ、極楽では、とっくに皆で爆笑してるけどな!」
なんだとーーー!