髪をバッサリ切った。
おはようございます。
「短く切っちゃってください。」
そう伝えると美容師は、
「いいの?ショートカットにするって感じですか?」
と心配そうに言ったから、私は照れ笑いしながら、
「失恋しちゃったんですよぉ。失恋。だからバッサリ行っちゃってください。」
と言った。
それを聞いた美容師は、腑に落ちた風に、
「だったら、勢いよく行っちゃいますよ!」
と微笑んだ。
私は、恋する相手を失った。
けれど、それがオス猫だなんて、とても言えなかった。
チャー坊が逝った月曜日から、4回目の月曜日。
以前から予約していた美容院へ出かけた。
髪を短く切るつもりは無かった。
予約時間より早く到着してしまい、しばらく車内で待っていると、
服に、茶色の汚れがへばり付いていた。
指でつまんでみると、それは汚れではなく埃だった。
「まさか。あれから3週間も経っているのに・・・」
親指と人差し指の感触で、埃の正体を探る。
慎重に探る。
「これは、チャー坊だ。」
衣服にへばり付いていた埃は、チャー坊の抜け毛だった。
私は、それをティッシュに包んでバッグに入れた。
その時流れてきた曲の歌詞に、私は吹っ切れた気持ちになって、
「よし!」
と、勢いよく車を飛び出した。
『 帰り道 アスファルト 立ち尽くす男 「私は私だ」と言いたいのは俺
ハードボイルドな猫 ここじゃないどこかへ旅に出たのでしょう
どうか どうか元気で
永遠について考えるのはいつも 永遠に続かないものに気づく時だけ
偉いはずの神様も王様も姿を変えていくなら
運命も奇跡もいつだってこの手の中
Be-Bop-A-Lura 永遠ってなんだ そりゃ言葉でしかないんだろうね
Be-Bop-A-Lura 愛しいものがある時は ただそれだけでいいから
Be-Bop-A-Lura 一瞬でいいんだ 一瞬のために生きてゆける
Be-Bop-A-Lura 儚い幻の永遠よ
お前の指図は受けない 馬鹿でいいもんね ルララララ
もういない君に教わった 大袈裟かな 二度と会えないのだろうか 永遠に
いや きっといつかどこかで 今はバイバイ
引用: The cat is Hrd-boiled by-aflood of circle 』
私の恋は、まだ続く。