曇り、26度、82%
9月に入っても、断続的に雨の降る日が続いていました。考えてみると、この夏は、ただの一度も着物に袖を通さずじまいでした。暦は9月、一重の着物に衣替えです。私の着物は、普段着ばかりです。家で着るのも、億劫なくらいジットとまつわりつくような、香港の湿度です。
盛夏の着物は、芭蕉布とこの琉球絣が施された上布の2枚しか持ちません。2枚とも暑い沖縄の着物です。黒の地色が、光の具合では、深い紺にも見えるこの着物、着ると透け具合も着物の軽さも、なんとも涼し気です。糸一本一本の張りが、いい具合に体との間に空間を作って、空気の逃げ道を作ってくれているようです。
絣の模様にも、ひとつひとつ名前があります。沖縄の言葉で名付けられたその名前を、なかなか覚えることが出来ません。盛夏の着物が、沖縄のものなのは、暑い地方の着物などで理にかなっているようです。本土の、越後上布の艶とは、また違った沖縄の上布です。
合わせる帯は、 ざっくりと織られた麻の帯。普段の着物ですから、家で着ればいいのに、今も思っていますが、考えてみれば、この格好で、モモさんの散歩には行けませんね。モモさんのことも、着物を着なかったことの逃げ口上です。
麻や絽で作った下着は、着なくても夏を越すと黄ばむように思います。今日も、湿度が低い日になりそうです。さっと洗って、来年を待ってもらいましょう。