チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

琉球絣

2012年09月10日 | きもの

曇り、26度、82%

 9月に入っても、断続的に雨の降る日が続いていました。考えてみると、この夏は、ただの一度も着物に袖を通さずじまいでした。暦は9月、一重の着物に衣替えです。私の着物は、普段着ばかりです。家で着るのも、億劫なくらいジットとまつわりつくような、香港の湿度です。

 盛夏の着物は、芭蕉布とこの琉球絣が施された上布の2枚しか持ちません。2枚とも暑い沖縄の着物です。黒の地色が、光の具合では、深い紺にも見えるこの着物、着ると透け具合も着物の軽さも、なんとも涼し気です。糸一本一本の張りが、いい具合に体との間に空間を作って、空気の逃げ道を作ってくれているようです。

  絣の模様にも、ひとつひとつ名前があります。沖縄の言葉で名付けられたその名前を、なかなか覚えることが出来ません。盛夏の着物が、沖縄のものなのは、暑い地方の着物などで理にかなっているようです。本土の、越後上布の艶とは、また違った沖縄の上布です。

 合わせる帯は、 ざっくりと織られた麻の帯。普段の着物ですから、家で着ればいいのに、今も思っていますが、考えてみれば、この格好で、モモさんの散歩には行けませんね。モモさんのことも、着物を着なかったことの逃げ口上です。

 麻や絽で作った下着は、着なくても夏を越すと黄ばむように思います。今日も、湿度が低い日になりそうです。さっと洗って、来年を待ってもらいましょう。

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芭蕉布 着物

2012年07月09日 | きもの

晴れ、27度、84%

 香港、昨日の昼間は晴れ上がり、やや湿度も低めになりました。先月から気になっていた、着物の入れ替え。数少ない枚数ですが、年に2、3度は、点検していないとカビが心配です。着物専用のタンスもありませんので、畳紙紙に包んで、洋服ダンスの一番下においてあります。

 夏物の着物は、たった3枚。この暑さ、湿度の高い香港では、着物を着ようと思うのに、まずヨイショ。実際に着るのに、またヨイショ。後片付けで、もう一つヨイショ。着物専門のクリーニング屋さんもありません。

 盛夏用の着物のひとつが、沖縄の芭蕉布です。 イトバショウの繊維から作られる、芭蕉布。一時は、生産が途絶えたこともあったそうです。今では、国の重要無形文化財です。

 とても腰が強く、なかなか体に馴染みません。しかも、滅多に着ませんしね。着れば、風通しよく軽やかでいられるのは、解っているのですが。しわも気になります。どんなにお行儀よく座っていても、立つと後ろ姿は、惨めになっています。

 この芭蕉布の着物、私の贅沢品のひとつです。昔は、働く人の労働着だったそうです。暑い、沖縄の照りつける太陽の下、芭蕉布は風をはらんで、着心地が良かったはずです。

 この芭蕉布には、 赤い、羅の帯を合わせます。インカの鳥が織り込まれた羅の帯も 軽く涼しげです。

 芭蕉布、最近は琉球藍で染めた、優しいブルーもあります。この生成りの色と全く違う趣です。着物を手にすると、日本人で良かったとつくづく思います。木を育て、カイコを育て、糸をより、織物を作る。そうした、ひとつひとつの手仕事が、いとおしく感じられるのも、私の年齢のおかげです。

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インドで着物

2011年10月28日 | きもの

 曇り、23度、79%

 明日からインドニューデリーに行きます。今回の目的は、家人の会社の取引先の方のお嬢さんの、インド古典舞踊の初舞台にお招きです。今までもインドは、必ず何かの式典などに出席することが多く、旅の荷物が少ない私にしては珍しく、大荷物になります。気候が一番いい今の時期のデリー、家人の要望もあって着物を着ることにしました。

 ハイヒールを履くのもしんどいけど、着物も面倒だわ、と内心思っています。気温が高めですが、合わせを持って行きます。きっと日本人は私たち二人だけだろう、と家人。何も略例の着物とまでいかなくても好いだろうと、紬の着物の中で一番明るい着物にしました。

  結城に友禅で茶屋辻が描かれています。花の赤色をとって、帯はえんじの無地と思っていると、横からもっと白っぽい色の帯にしなさい。と誰かが言います。そんなに帯だって持ってるわけじゃなし、買ってくれ!と心で思っていました。 

  私的には組み合わせが今ひとつですが、花輪の織の京袋帯を合わせることに。羽二重の長襦袢は暑そうなので、夏の長襦袢に羽二重の半襟をつけようと思っています。何せインドです。暑いより涼しげに超したことはありません。

 最後に帯締めだけが、どちらにするか迷っています。

  道明さんの冠組、赤白つるばみ。

  やはり道明さんの笹波組、三井寺。

 三井寺は、色の組み合わせが幾つかかありました。一番自分の着物に出番が多そうなものを選んだので、こればかり締めることになってしまいます。つるばみの色の柔らかさ、組み方が太目なので、優しい表情をくれます。ところが、三井寺を締めると、なんとキッリと大人の顔になります。

 帯締め一つで、なんでこんなに違うものかとあきれます。きっと、三井寺を荷物に入れそうです。

  お草履は、えんじにします。バックは、持って行かないつもり。袂にハンカチだけ。決して、こんな格好で外は歩きません。デリー、とにかくほこりっぽいのです。実質私がデリーに滞在するのは2日。昨晩届いた予定表によれば、あちらの奥様のアテンドで私は自由な時間が持てそうにもありません。着物を着るのも、あちら様への表敬です。そう考えると、着物って便利ですね。

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有識組紐 道明

2010年12月10日 | きもの

晴れ、18度、77%

 

 12月は、家のことでも忙しいのに、皆さんからお昼などいつも以上にお誘いががある。そんな合間を縫って、お正月も近いしと、着物を出してみる。

 洋服は、紺、黒、白、柄物をほとんど持たないわたしだが、着物は少し色が着く。出してみたからにはちょっと、羽織って帯合わせなどして遊んでみる。この、遊びがほんとに面白くてついついちょっとのつもりが長くなったりする。

 きものってワンピースより広い面積を同じ柄で包む。縦長な感じ。そこに、横の線として帯が入る。この二つの組み合わせ方でも、雰囲気がガラッと変わるから面白くなってしまう。

 その上、帯ほど目立たないのに帯締めの細い線で、やさしく見えたり、きりりと見えたり。

たくさんのものを持っているわけではないけど、いろいろ組合わせてみる。

 帯締めもたくさんは持っていない。でも、その質感や、しめる時の心地よさから、道明の帯締めしかもっていない。

 道明は、上野の池之端仲町通りにある。間口もさほど大きくなく暖簾も地味なので、うっかりすると見つけられない。でも、引き戸を開けるとまるで色とりどりの別世界。単色の帯締めから複雑な色合いのものまでずらりと、並べられている。

  冠組の単色のものが数は多い。

 冠組は夏場は?という向きもあるけれど、色の選び方で、夏らしく装うことが出来る。わたしは、一年中冠組。

    この微妙な色合いの帯締め

名前が「三井寺」組み方は笹浪組。草木染の、道明の帯締めは、決してでしゃばらないのに存在感がある。

   一つ一つに、組み方、色の名前がつけられてくる。

 ただ、道明はいまだにクレジットカードを扱っていない。いくときは、現金の用意を忘れないようにと言い聞かせる。、その、カードが使えないおかげ(?)で、あれもこれもと、はしたない買い方をしなくてすんできた。きもの地、帯地、など携えていくと、道明のお店の方、ほんとに親身に帯締め選びに付き合ってくださる。

 まだまだ、その帯締めは年齢的に早いですよ、そんな言葉をかけてくださる。

 経験の浅いきものの世界、人から教えていただくことたくさん。

 上野の駅から、道明のお店まで、なぜか少し早歩きになるわたしです。

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