(長くなります。私の備忘録)
12月に入っての突然の出来事。
私の風邪(だと思っている)のことは以前少し書いた。
今朝になると、ようやく痰がらみの咳もわずかになって楽になってきた。
後は食欲が戻ってくるのを待つのみ。
で、その間夫はどうしていたかというと。
変わりなく生活していたが2日、俺も咳が出る、うつったかななんて言って。熱は36度。
ふたりして夕飯も食べたくないから、7時前には早々に布団に入って寝るわ寝るわ。
翌3日私は熱も平常に戻ったが家籠り生活。夫もいつも通り寝転んでテレビを観ていた。
で、夕方になったら突然「起き上がれない」と言う。
寝転んでいる姿勢から、なんとか体を起こそうとしているも上半身を起こせないの。
横向きになって両腕で支えて起きようとしても、力が入らないらしくすぐどてっと
倒れる。そうよ、虫が仰向けになってもがいている姿によく似ているのよ。
自力をようやく諦めて私の手を借りて起き上がったけれど、あまりの突然のことに
「どうしたのかしら、変だねおかしいね」とふたりして。ま、その後はふつうに。
次の4日。
朝はそれでもいつもとそう変わらない様子だったが、昼過ぎからまたおかしくなってきた。
起き上がれないのでトイレ間に合わずよ。その後洋服を着る動作が緩慢。椅子に腰かけて
靴下を履こうとするその動作すら思うようにできないらしい。顔を真っ赤にして
奮闘している。着替えに20分もかかっている。
どうみてもおかしいから掛かりつけのクリニックに行こうと連れ出した。
クリニックまでは歩いて10分もない。歩き出したらこれまた夫の歩き方が変。
意思がないかのように足だけとっとっとっとと歩いて行く。そんなに早く歩かなくていいよ、
と言っても耳に入らないらしい、突き進んで行く右へ左へ。下り坂に来たらさあ大変。
幼児が坂道を下る時って後先考えず前に転がるように走っていくでしょ、そんな感じ
だから止まれない、とうとうフェンスに身体をぶつけて止まった。また歩き出す。
ところがクリニックまでもう少しというところまで来て、そんな歩き方だから歩道のない
ところでとうとう崩れるようにして転んでしまった。とても私ひとりでは起こせない。
その時車で通りかかった女性が下りてきてくれて「救急車呼びましょうか」と言ってくれる。
そこのクリニックへ行くところですからと、言うと一緒に夫を助け起こしてくれて
歩いてくれた。が、またもや夫は転んでしまう。「救急車呼んだ方がいいですよ」って。
そこへ別の女性が走ってきて事情を聞く「クリニックに行くところだ」と言うと
「車いす借りてきてあげるから待ってて」と走ってくれた。しばらくして戻ってくると、
院長先生に話したら、その症状はうちで見るより救急車を要請した方がいいとおっしゃったから
救急車を呼びましょう、とてきぱきと言ってくれる。クリニックは混んでて大変よって。
救急車を待っている間、うちは近所だから椅子を持ってきますからね、それに座ている方が楽
でしょと小さな椅子を持って来て夫を座らせてくれた。
車を止めて面倒をみてくれた最初の女性に何度もお礼を言ってここで帰っていただいた。
見知らぬ者のために躊躇なく車を止めて声をかけてくれて、付き添って心配してくれる
なんてほんとに感謝しかなかった、ありがたかった。
道端で途方に暮れている老夫婦のためにクリニックまで走って、院長先生に指示を仰いで
伝えてくれ救急車が来るまで一緒に待っててくれるなんて、なかなかできることではない。
細かい心遣いと的確な指示を押しつけがましくなくさらりとやってくれてほんとうに
心強かったありがたかった。人の心の素晴らしさを実感したわ。本当に感謝しかない。
人通りの少ない住宅街でも何人かの人は通る「大丈夫ですか」と声をかけてくださる。
救急車が来て、女性は「お大事に」と帰って行った。ありがとうございました。
夫はインフルエンザだった。
高齢者が高熱を出すと、力が入らなくなってよく出る症状だそうだ。
カロナールの点滴が終わったらそのまま帰宅した。薬もカロナールだけ。
4日、一日が長かった。
それにしても、夫が熱を出すのなんて結婚以来初めてだ。夫も熱が出るって身体がどう
いうふうになるか分からないと言う。
だから、インフルエンザかななんて発想はひとつもなく、もしかした脳関係かもしれないと
そればかりがあった。
今から思えば、のことは多々あって、ああすればこうすればと反省しきりである。
ま、これからのことに生かしていけばいいかと思うわ。われらも高齢者夫婦なんだから。
それにしても、なかなかすっきりとは良くならないものね。