お酒に酔う、サクラに酔う、クサナギツヨシクンに酔う、人ごみに酔う。
心地良い酔いと悪酔いと、ま、酔いにもいろいろあるけれど・・・
船酔いをはじめとして乗り物酔いは悲惨よね。
だいいち「気持ち悪いからおろしてーーー」と必死になって叫んでも、当の乗り物は知らん顔だものね。
って、佐渡の夷のお寺さんから彼岸供養のお知らせが来た。板仏はどうしますかって。
そうだわ、来月は佐渡に渡らねばならぬ。ま、そのころになれば海の時化もそうたいしたことはなかろうと。
楽観的。
私の船酔いの歴史をたどればどんくらいでも話せる。2時間は持つね。
そんなこと聞きたくないでしょうから、ざっと。
だいいちは船が悪かった。
当時(50年以上前ね、ゆめじ丸だなみじ丸だのころ)の2等船室は船底に下りるのよ、安ペンキの匂いがぷんと鼻をついて。
もうそれだけでダメ、おぇってなっちゃう。
おまけに冬の荒れ狂う日本海の荒波にもまれると、荷物も人間もあっちへごろごろこっちへころころと大移動。
船室に置いてあったアルマイトのバケツを抱えてマーライオン状態よ。
それに私はものすごく神経質だった。
正月佐渡に帰らねばと思うと、
1週間も前からどうしようどうしようと時化たらどうしようとそればかり。どうにもしようのないことなのにね。
思い余って医者に睡眠薬を処方してもらったこともある、全然効果なかったけれど。
で、乗船前からもうすでに船酔いよ。
ほんとあの気持ちの悪さは乗り物に強い人には分かるまい、と思う。
ま、そんな船酔いも、船がよくなり自分も図々しくなりその前に泡で酔って先取りするやらの対処でこの頃はない。
はなしは元職場同僚の集まりでのこと。
おひとりがシチリアに行くことになったと切り出したところで、もうおひとりが「バルト3国に行こうって誘われているのよ」
なんて。どこよそこ、と無知な私は地図が浮かんでこない。ほらあそこよ、昔のロシアのあそこよ、と言われても。
で、クルージングが入っているから考えちゃうのよ、と言う、乗り物にはとても強そうな人なのに。
ガラパゴスに行ったときにひどい目にあったんですって。
もう乗っている間中トイレ占領して苦しいのなんの。もう二度とあんな目に合いたくないから考えちゃうのよですって。
すると、さらにおひと方がシチリアに行くのにナポリ港から船に乗ったんですって。
パレルモに行くには距離が長いものね。いかにも遠いわ。
その時の船酔いのひどいことひどいこと。
前の晩同行の友に、エチケット袋を作ろうと言われて、わけも分からず作ったのが役立ったのか立たなかったのか。
やはりトイレ占領状態になったそうな。
船酔いのつらさだけは共有したけれど世界を股にかけた話のでっかさ。
佐渡海峡とのあまりの違いに頭を垂れました、はい。
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